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愛猫 病院に行く


「井上アレックスさん、どうぞ」
娘猫が、アレルギーで、首の周りの毛が抜けて皮膚が露出してしまった。動物病院に通っている。午前九時からもう待ち合い室は満席に近い。一時間経ってからやっと呼ばれた。

しかも、殆ど犬だ。猫は滅多にいない。猫と犬の違いは、猫は、ゲージに入れて背負うか、ゲージを首に提げて連れて来ないとならないが、犬は、リードに繋いで歩いて来れる。


「アレちゃん、餌を食べさす時に薬を飲ませないとならないのよ」と妻がドライフードの他に薬用のウエットフードの「無一物」を買ってきた。

「チキンは不人気で、マグロ、真鯛、タラと人間並みの美味しさを追求するから、笑ったわ」と妻もびっくりしていた。これなら、薬を混入しても食べる。

「あんな大きな錠剤を食べたんですか?凄いですね」と、医師から誉められた。アレックスは、普段大人しいが、いざとなると強さを発揮する。妻も同じ様に、か弱き女性だが、いざとなると男気が頭角を現すタイプだ。

以前、ある事件が起こったとき、契約書会社の社長から呼び出された。私が飲み会の席で、女子社員にセクハラをしたと言われて、なぜか妻も呼び出された。通産省の役人上がりで、こういう風に、問題を解決するのかとかと感心してしまった。

飲み会で、女子社員を触ったという訴えで、一緒に居た男子社員が犯人だと思う思うが、私が身代わりにさせられた。酔っていたので、記憶に無い。それで、被害者に会わず、決着した。
その代わり、そのまま契約は続行されていた。

何もなかった事になってしまったが、妻は怒り狂った。何で呼ばれなければならないのか、旦那はやるはずが無いと主張した。その時、本当に男気のあるひとだと思う再確認した。

どうやら、大事にならずに済んだ。役人達の不正や不祥事もこういうふうに闇から闇に葬るのだなと分かっただけでも、良かったと思う。

その後、早々に契約を切った。Yahooからファッションイラストの独占契約が飛び込んできた。破竹の勢いで、Google アドセンスの広告費も伸びて、我がサイトは、大爆発した。それもこれも実は、妻のイラストのおかげだった。

まるで、ヒモのような存在だが、二人三脚で、ここまで来れた。真面目な妻と調子だけが取り柄の私。まだまだ、飛び跳ねたいと思っている。

飛び跳ねすぎて、良く地面に落ちる。それも大事だ。落ちても堕ちても、這い上がる。そうして、二人は生きて来た。七転び八起き、ダルマじゃねよ。手足がついてらあ。


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