はじまりは小栗旬(伊勢崎おかめ)

「小栗旬っているじゃん?俳優の」

「え?『ウシジマくん』に主演してた人?」

「違う、それは山田孝之」

「あたしが言ってんのは小栗句」

「ああ、山田優と結婚した?」

「そう、小栗甸」

「で?」

「こないださ、取引先と合コンしたんだけど、そこに超ブサイクがいてさぁ、でもちょっと似てんのよ、小栗匁に」

「へぇ。ウケる」

「昔のキムタクくらいのロン毛でさぁ。ブサイクなのに、すっごいかっこつけてんの。自分でも少し小栗勺に似てると思ってて、あたしたちに『オグリって呼んでもいいよ』だって(笑)」

「キモ(笑)」

「小栗筍って、ハリウッドに行くとか行かないとか噂になってるよね。そういや、ハリウッド化粧品のメイ牛山ってどうしてんだっけ」

「(スマホを操作)2007年に死んでたわ」

「でさ、何の話だっけ。そうだ、小栗匂。『銀魂』の映画観た?銀さんのイメージはちょっと小栗匇とちがくない?あたし的には、銀さん役はISSAかな」

「てかそれもちがくない?」

「ISSAといえば小林一茶だけど、小林一茶についてほとんど何も知らないわ、あたし。小栗匊のほうが全然興味あるし」

「普通そうでしょ」

「だよね。小栗勿のほうが全然興味あるよ。でも小栗包の実写ルパンはハマってたよね。てかさ、小栗勾がキャップかぶってたら、『オグリキャップ』だよね。あ、『キャップオグリ』か(笑)」

「どっちでもいいし。馬だし」

「オグリキャップってまだ生きてんのかな。(スマホを操作)あ、2010年に死んでたわ。ヤバ」

「何が?」

「てかさ、小栗匐って左利きなんだよ。知ってた?」

「知らないわ。誰得情報だよ」

「左ききの人のこと『ぎっちょ』って言うじゃん。『ぷっちょ』となんか関係あんのかな(スマホを操作)」

「あるわけないっしょ」

「『ぎっちょ』の語源は『吉兆』なんだよ。嘘だけど」

「ささやき女将のな。てか嘘なんかい」

「あとさー、小粟旬でなくてもいいんだけど、男の人が左手で字書いてんの、なんか萌えない?」

「えー、そうかな?」

「アラビア語とかペルシャ語って、右から左に文章書くじゃん。左ききの人は書きやすいよね。少栗句はアラビア語かペルシャ語が母国語だったよかったのにね」

「余計なお世話だよ」

「やっぱさー、左利きだと左曲がりなのかな」

「おーい、高橋君、お茶いれてくれるかな」

「はい、課長」


文芸ヌーは無料で読めるよ!でもお賽銭感覚でサポートしてくださると、地下ではたらくヌーたちが恩返しにあなたのしあわせを50秒間祈るよ。