第二回 中村福助・児太郎の会「三本の糸」私的備忘録
振り返りのnoteを書いてしまうと、本当に終わってしまうようで筆が進まなかったのですが
聞いて欲しい気持ちも押し込めきれなくなってきましたので、ここらでまとめてみようかと思います。
色んなご縁が奇跡のように繋がって、第二回 中村福助・児太郎の会に参加させて頂ける事になりました。
1番最初に児太郎さんと石塚社長と顔合わせといいますか、面談といいますか、ご挨拶といいますか。
事務所の会長×2・社長・副社長・MG×1が同席しました。
顔合わせ会場で事務所メンバーの顔ぶれを見た時にびっくりしました。察しました。笑
事務所の皆さんも「歌舞伎」という日本の伝統芸能を担っている方々と御一緒するのは初めてでしたので何とも言えない緊張感があったのを覚えています。
私は緊張している事務所の皆さんに対して緊張してしまいました☺︎笑
話は戻りまして。
児太郎さんからチームの皆様をご紹介いただき、企画について御説明をいただきました。
この時点ではまだ「三人吉三をモチーフに新作を書き直している途中」で、まだ色々と固まっていませんでした。
(私の役所も実は二転三転したりしていたんですよ。)
そこから少し時間が経って、本読みがありました。
誰1人知っている人がいない舞台は久しぶりでしたし、私以外全員男性というのも経験がありませんでしたのでドキドキとワクワクが行ったり来たりしていました。
(ちゃんとやらないと事務所にクレームがいっちゃう)とか
(相性が悪い演出家さんだったらどうしよう)とか
(やっぱりアニメ声だから難しいねって降板になったらどうしよう)とか
………あれ?ドキドキしかなかったですね。笑
始まる前はそんなものです。
実際に読み合せが始まって「よっしゃ!」と気合いを入れたものの肩透かしを喰らったような気持ちになりました。
それは、凄い止まるからです!
え?読み合せで止まることある?
流れや雰囲気をみるものじゃないの?
と、静かに戸惑っていましたら
「びっくりするよね、歌舞伎役者は意見があるから」と演出家の青虎さんが一言。
そうなんです。児太郎さんと莟玉さんが脚本について「ここは分かりにくいんじゃないの?」とか「こういう言い回しの方が良いんじゃないの?」とかバシバシ意見を言うのです。
普段私のnoteを読んでいる方なら、私が割といちいちウルサイ側の人間だと分かってくれているかと思います。
ですがそれはnoteだから言える事でして、実際の現場では演出や脚本に関して意見は申しません。
現場では映画「イエスマン」のジム・キャリー並に「YES!」しか言わない権力の犬になります。
やってみて(物理的に等)出来なかった時だけ相談するというスタイル()で普段やっていますので
バシバシ意見をぶつける児太郎さんと莟玉さんを半ば(正気か!?)と眺めていました。
それもあって、読み合せは4時間くらいかかりました。
こんなに時間抑えられてるの不思議だなと思っていたんです。
読み合せならこんなに時間要らないのにな。と
全然時間が足りませんでした。後半は駆け足でした。
そんな感じで衝撃のまま読み合せが終わりました。
(干されたらどうしよう)という心配が先に来てしまう商業役者の私と
芸の道に「生きている」歌舞伎役者の皆様の違いを感じてしまいました。
帰り道に歌舞伎座の前を通ったのですが、ライトに照らされた建物を見上げながら
この場所に通うのが当たり前って凄く羨ましいなぁ。保証されているっていいなぁ。
という気持ちと。
その保証を勝ち取るまでに、どれだけのお稽古を重ねたのだろうか?
というら気持ちが
行ったり来たりしました。
読み合せからしばらく経って、いよいよ本格的なお稽古が始まります!
前回の読み合せは
児太郎さん
莟玉さん
松田さん
桃太郎さん
越中さん
わたし
(+音楽でせつ子さん)
のみで行ったのですが
お稽古初日に初めて芝のぶさんや福助さんにお会いすることが出来ました⟡.·
お稽古だからジャージで行ったら、最初皆様スーツでびっくりしました🥹
千秋楽と同じ過ちをここでもやらかしていました。笑
今回の座組の皆様のご紹介があったのち、休憩をはさんで直ぐ立ち稽古。
(´・ω・`)?
本当に右も左も分からず、舞台の図面とか説明とかミザンス付けとかもなくポイっと放っぽりだされた感覚です。
とりあえず思いつくままに動いてやってみました。
ざーっと最後まで立ち稽古をしてみて一日目は終了。
うーむ。分からん。
役者の考えや感情を尊重してくれる現場だと言うことは分かったのだけれど
商業とか政治に慣れすぎてしまった身なので、ものすごく探り探りだったのを覚えています。
この段階でもまだ台本は固まっておらず、青虎さんと久保田さんと莟玉さんと4人で、佐吉といとの(この時はいとではなく瓦版という役名でした!)掛け合い部分について
「なにか意見はある?」「どうやったらやりやすい?」とヒアリングが( Ꙭ)!
アフレコでもミュージカルでも既存のものに「(基本は)合わせに行く」事が「前提」の世界が普通でしたので、私のやりやすさに合わせるというのがとても不思議な感覚でした。
シーンについて特に意見はなかったのですが、唯一私がお伝えしたのは
「大川端のシーンについて流さないで欲しい」というものでした。
歌舞伎の皆さんからしたら大川端といえば「ハイハイ」「大川端ね」と義務教育の必須項目並に分かるものです。
なので敢えて説明しなくても良いのでは?という議論が私のヒアリングの前にありまして
その議論を聞いていた私は(え?いや、全然分からない!)と内心壮大なツッコミをいれていたのです。
ですので
「わたしと松田さんのお客さんは今回初めて歌舞伎に触れる人もいると思う」
「大川端分かるでしょ?と仰っていましたが、私は全然分からなかった」
「普段はサイリウムを振っているので、既存の(歌舞伎の)お客様にはクドいと思われるかもしれないが説明を省略しないでいてくれると嬉しい」
といった旨をリクエストさせて頂きました。
内心ドキドキでした。
まさかその説明セリフを私が言うことになるとは、この時は思ってもいませんでした🐰!
長くなってしまったので、一旦切ります。
次は和光市での集中稽古と本番での出来事を書けたらいいなと思っております🐰
引き続きお付き合いくださいませ。
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