ボルヘスについて思うこと
クルマを運転していると色々なことを考える。
信号待ちなんかで、前にトラックなんか停まると、
なんとなく後部壁面というのか、その面を眺めることになる。
色んな会社の色んなロゴやマークが塗られている。
そういうものをボンヤリ見つつ、
「世の中は深いなぁ……」と思うのだ。
一体この世にいくつの、会社のロゴやマークがあるのだろう。
そりゃ、数えてみれば、それでも有限かもしれないけど、そういうものは日々生まれていくのだ。
当たり前だけれども、それは全部把握しきれない。ぼくのしらないロゴやマークが数えきれぬくらいあるのだ。
それはきっとワクワクすることなのだ。
ぼくの勝手な解釈だけど、ボルヘスは、比喩的に言えば、この世にあるロゴやマークを知り得る限り知りたい、と欲した人なのだ。
いくらボルヘスでも全部知ることは出来なかった。
彼はそれを悔やんだか?
むしろ、それはそれで世界の深さにいい知れぬ趣(おもむき)を感じていたのだと、ぼくは思う。