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クロフツについて思うこと

クロフツって、ヴァン=ダイン、クリスティー、クイーン、カーと並ぶ、ミステリの5大巨匠だったんですね~。

三国志の蜀風にいうと五虎将軍ですね。

クロフツ以外の人たちは、よく自分の中で「四天王」扱いしてましたけどね。

古本などを色々渉猟し、クロフツ本も増えてきたので、
なんとか積ん読解消したいと思います。

これはしょっぱなからデッカそうな館にブルジョアが住んでる話なんで、古きよき黄金時代のミステリな感じがいいです。

デッカイ館がなんでいいかと言いますと、
そういう設定は、何故かぼくにはいい意味で
人工的な世界な小宇宙に感じられるのです。

いわばシルバニアファミリーのドールハウスみたいなものですね。

そこで、悲劇が起こる、しかし、それは人工的に封じ込められた悲劇なので、読者はそれを観客席から遠巻きにみれる。遠巻きに観察·推理できる。

笠井潔という人が第一次世界大戦後に、本格長編ミステリの黄金時代が来たのは原因の一つとして以下の願望があるのではないかと論じました。

ぼく流に表現しなおすと、それは、世界大戦における大量虐殺を「一つの名のある死」として語りなおすことにより、生々しく血生臭い精神的トラウマを客観的対象として転化したい、といった「願望」がそれです。

そのためには舞台装置は、なるべく閉鎖的な大きな館が好ましいですね。

しかし、クロフツは、旅ミステリともとれるぐらい、コロコロ、ロケーションが移動する特性もあります。

ここらへんも、「黄金時代=古典」と「現代ミステリ」の橋渡し的作品群であるとも感じられるのです。

#クロフツ
#ミステリ
#海外ミステリ

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