当事者になること

 今年度からの新たな取組として、事務局内での月1回のミーティングを行っています。「今年度から」と言っても、私自身がこの作品展に携わるのは、今回が初めてです。 昨年の10月に北海道文化団体協議会の事務局に入り、この作品展の存在やその目指すべきところが「インクルーシブ教育の実践」であると知りました。

 「インクルーシブ」という言葉。確かに最近よく目にしたり、耳にします。日本語では「包摂、包み込む」を意味し、例えば、SDGsの「誰一人取り残さない」という原則も同じような考え方です。一方で、インクルーシブとは具体的にはどんな場面や状態のことを指すのか。明確にイメージできる人は(私自身含め)少ないのではないでしょうか。このインクルーシブという言葉を、日常の生活の中に落とし込み、自分たちの言葉にしていくためにはどうすればよいのか。
 「こどもアール・ブリュット北海道みらい作品展」の主役は、当然ですが、展示する作品とその作者であるこどもたちです。ただ、この作品展がインクルーシブな実践であるならば、作品展に携わるすべての人が主役であるとも言えます(その思いを「はじめに」でも書きました)。
 事務局の主たる役割は、こどもたちからの作品を募集し、展示すること。それは、文字通り「事務的な」作業をイメージさせるものですが、この作品展が成立する上で、欠かすことのできない要素です。
 そのことに、より自覚的になるために、何ができるのか。そう考えて始めたのが月1回のミーティングです。作品展の準備や当日の段取りだけでなく、「この作品展って、社会にとってどんな意味を持つんだろう」「こどもたちはどんな思いをもとにして、作品を創っているんだろう」。いろんなことを、思い浮かべる時間をつくろうと思いました。
 

ミーティングの様子


 2月8日に開催した第1回ミーティングでは、それぞれがこの作品展に携わる思いを、ざっくばらんに話す場になりました。「今生きている人の作品を展示すること」「何かを発表せずにはいられない気持ち」、「学校の先生に助けられたこと」。いろんな言葉が浮かび上がってきました。今年度は運営メンバーとして、北海学園大学4年の石川隼乃輔さん(北海学園大学ボランティアサークル「HISTORY~とよきし元気隊~)も参加してくれています。

 第1~2回ミーティングの具体的テーマは「作品募集のチラシ」です。ふと頭をよぎったのは、令和元年に開催した第1回のチラシデザインでした。


第1回作品展のチラシデザイン


 このチラシに描かれている木のように、作品展自体が積み重ねてきたものを、次の作品展や新たな作品が生まれる土壌として受け継いでいきたい。そんな思いと、運営メンバーの言葉や思いをかけ合わせて、今年はこのようなデザインのチラシが完成しました。


第6回作品展のチラシ


 毎年、作品展に後援・協力をいただいている団体の方も、この作品展の重要な要素です。事務局も含め、作品展を支えている根っこ(後援・協力団体)の部分から養分が浸透し、こどもたちの作品が花開いていく。そんなイメージを具現化しました(花の部分は塗り絵ができるようになっています)。

 「こどもアール・ブリュット北海道みらい作品展」は、現在、作品展への応募を受けつけています。障がいの有無に関わらず、北海道の小・中学生であれば、だれでも応募することができます。皆さんからの応募をお待ちしています!(事務局 山崎)


「第6回 こどもアール・ブリュット 北海道みらい作品展」
会期:2024年8月15日(木)~17日(土)10:00~18:00(最終日17:00まで)
会場:札幌文化交流センターSCARTS 1階モールA・B
入場無料

☆現在、出展の応募を受付中です(締切は7月10日(水))。
 詳細は、こどもアール・ブリュットのホームページをご覧ください。
 


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