見出し画像

運命の物件を求めて 〜神奈川編〜


物件探しは骨が折れる大仕事だ。

来る日も来る日も賃貸物件サイト「スー●」やら「ホー●ズ」やらをチェックしては比較して、こんなにも物件がありふれてるのにどうして理想の子に出会えないのよーーとくたびれてしまう。

昨日もちょこっとほのめかしてしまったが、東京は大好きだけれど休みの日くらいは都会の喧騒から離れて生活したいという欲望がわりに強まっていた。

自転車を10分ほど飛ばせば海辺に着いて(ここでの自転車はだいぶ脚色が入ってボディは赤色、かごはバスケット風)、個人経営のカフェでは一杯一杯豆から挽いたコーヒーを出してくれて、どれだけ長時間居座っても空席を待つ人を気にする必要なんてなくって・・と思いっきりオフの日としてくつろげる場所。

そんなオアシスを求めて、職場から電車で50分ほどもかかる茅ヶ崎へと物件探しの旅に出た。
茅ヶ崎に着いた途端、「遠く〜遠く〜〜♩」とサザンの名曲が迎えてくれて気分が上がる。国民的ロックバンドは本当に地元に愛されてるんだなぁ。素敵。


藤沢出身だというお姉さんに案内してもらって、二軒の物件を見た。ふたつの物件は私が希望する条件を十分に満たしていたのだけれども、どうもしっくりこない。

街を訪れたときの「しっくり感」とは不思議なもので、街も人も相性とやらはどうしようもないのだなと思う。神奈川県は千葉育ちの私にとって、どうしても「異国の香り」が拭えないのだ。そんなの大げさだと言われるかもしれないが、海外の土地に降り立ったときのような、独特の高揚感がやっぱりある。

かつて、地元千葉からおでかけとなると精一杯足を伸ばして最西端が渋谷だった。私の場合。神奈川は、千葉よりもずっと都会的で豊かな観光資源もあって、似てるようで決して手が届かない憧れの友達、のような存在だった。

だから大学生になって横浜でデートした日なんかは、レトロな建物だとかまっしろなウミネコとか、ロマンスが止まらないッッて感じで興奮せずにはいられなかった。

神奈川県は、私にとってまだ「訪れるのに大好きな場所」。24時間生活をするにはちょいと敷居が高かった。


街選びも恋人選びと一緒で、どんなに条件のチェックを満たしていたって、実際に会ったときのフィーリングが全てを決める。


そんなことをスターバックス藤沢店で友達を待ちながら思いました。初めて訪れた地では、安心感を求めて大体スタバに入ってしまいます。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?