文吉の恋

 文吉は真白な文鳥であった。文吉は可憐な十姉妹の娘・松子と共に小鳥屋から駆け落ちをした。文鳥と十姉妹、許されざる恋であった。月明かりだけがそっと二人を見守っていた。

「文吉さん、あたしもう飛べないわ」

 どれだけ飛んだだろうか、松子は肩で息をしていた。

「松子さん、もう少しがんばって」

「文吉さん……」

この続きをみるには

この続き: 825文字
この記事が含まれているマガジンを購入する
収録作品「老紳士の記録、あるいは覚めない夢の話」「文吉の恋」「大奥―十姉妹のおんなたち」「文鳥香」「手乗りの地平〜荒ぶる文鳥の日々」

小説集「老紳士の記録、あるいは覚めない夢の話」のnote版です。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文鳥堂

サポートありがとうございます。文鳥たちのエサ代になります。

3
文鳥って最高ですよね