見出し画像

祈ること

2022年の初詣は近所の神社へ。徒歩圏内に三つ神社がある。

画像1

まずは晴明神社。安倍晴明をお祀りしてる神社は人気があるみたいで長い行列ができていた。バスから降りて並ぶひともいた。北野さんや八坂さんに比べれば、まだまだ少ない方だろうけどね。伏見稲荷なんか、たいへんだろうな。

息子たちの名前は姑が晴明神社につけてもらった。その頃は寂れた神社だったと行列の中で家人が昔を語る。

この界隈の子供は晴明さんに名付けられるらしいが、大物が出たとは聞かんなあと、自分も晴明さんに名付けられたというタクシーの運転手さんが言っていた。

順番がくれば、お賽銭を入れ、鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼。それが神社のお作法だ。その間に手を合わせて祈る。あとがつかえているから、素早く祈る。

何を祈るのか。

みんな元気で、みんな仲良く、みんな笑顔で一年がすごせますように。

ずるいお祈り。

なにかひとつに特化した願いは時に不幸を呼ぶ。強い願いの反動が怖い。穏便に祈る。

その後、別の神社に向かう。

画像2

霊光院天満宮。とても小さな神社。あたしたちが着いた時には人影がふたつ。ご夫婦がお参りされていた。振り返られるとそれぞれにお子さんを抱っこされていた。四人だ。四人だけだ。

ここは天満宮だから、菅原道真が祀られている。そのうえ、徳川家康もなのだ。だからここは天下無敵の神社なのだが、常に閑散としている。

友人がきいたところでは、この神社には宮司さんがおられない。となりのおじさんが雑務を引き受けておられるそうだ。天下無敵なのに、ざんねんなことだ。

あたしたちのあとに続くひとはいなくて、ここではゆっくり祈ることができる。

何を祈ったか。恥ずかしながら、いささか強欲なことを祈った。

文袋がたくさん売れますように‼️

なんて現実的な、と思う。実利的な新興宗教みたいな感じで。だけど、切実なんだよね。

ほんとは京都に馴染めますように、といのるべきだった、と後から思うが、天下無敵に甘えてしまった。

三つ目はスポーツの神さまの白峯神宮へも行った。有名スポーツ選手の提灯やら絵馬やらが並ぶ。ここも行列を並んだ。

あたしたちの前はご家族だった。ご夫婦とおねえちゃんと弟くん。弟くんは歩行器のようなものを押している。

順番が近くなって、お母さんが弟くんを抱き上げた。こちらをむいた弟くんの顔はダウン症独特の風貌だった。

ここの鈴は楕円形で抱えて鳴らす。重いのと軽いのがある。そのお父さんは重い方を持ち上げ鳴らす。そして、家族がお祈りをする。

今の自分たちの立っている地点からみあげるようにして、こうであれかしと願うのだろうか。

その姿に、さいわいあれ、と勝手におもう。元日の祈り、叶いますように、とも。





読んでくださってありがとうございます😊 また読んでいただければ、幸いです❣️