見知らぬ通りで
京都水族館を出て、はじめての通りを行くと、立派な倉庫が並んでいた。それはなんだかかっこいい。小樽あたりのイメージかな。
その前の道に書かれているのは「止まり」だ。「止まれ」ではない。間違えたのか?
いや、京都弁では「止まり」も命令語だから、そういうつもりで書いたのだろうな。やわらかく禁止する、みたいな。らしいな。
実は昼食難民だった。予定していたお店が非常事態宣言を受けて休業していたので、初めて来た町、不案内な通りで、食べる場所を探していた。
あ、お店が!と思うと立ち飲み屋さんで、やはり開けていない。しかしそこにはこんな文字が。
「酒 つまみ 卓球」
あー、卓球ってどういうこと?立ち飲み屋さんで卓球できるの?ラリーが続くと酔いが回るよねえ。お付き合いできた飲めないひとへのケアかな。卓球盛り上げたいんだろうな。オリンピックのパブリックビューイングとか、してたかも。そりゃ盛り上がっただろうなあ。
こちらのほうが飲み屋さんっぽい店構えだけど、名入れ屋さんだとか。名入れってどんな仕事かなあ。しかし忠兵衛は寿司屋の屋号のようだ。空腹の思考は食事に紐づくなあ。
このあとも黒部和牛の看板につられていくと肉屋さんだったり、唐揚げの文字に惹かれていくとテイクアウトのお弁当屋さんだったりした。
で、スマホで検索してみて、歩いて行った店がことごとく閉まってて、難民は腹ペコとなる。
とりあえず大きな通りに出ようということになり、堀川通りに向かった。
途中で長屋を見つけたり
西本願寺の裏口をのぞいたり
堀を見たり
骸骨堂を見つけたりした。この屋号は西本願寺の高僧からいただいたのだとか。由緒正しき骸骨堂でござる。
ローソンの隣にこんな空間があった。
そのなかには
よくわからんものが鎮座ましましていた。なんともいえない違和感があった。
親鸞聖人のおかげか、このあと、ようやくファミレスを見つけることができた。
いろんな通りをいき、いろんなお店の閉じられたとびらに失望しつつ、6000歩ぐらいは彷徨っていた。
それはそれでおもしろくもあった。
行って帰る一本道では出会えないものがある。迷子になったから出会えたものがある。人生はそんなふうになっているらしい。
読んでくださってありがとうございます😊 また読んでいただければ、幸いです❣️