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mikaruma
京都で会ったひとたちのこと 2
つづき
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京都に帰るとタクシーの運転手さんとよく話す。
今日は女子大のクラス会に行くのだというと「そらもう、にぎやかでっしゃろな」と言われてしまう。
「なんでそんなにしゃべることがあんのやろ、とおもうくらい、ようしゃべりますなあ、おんなのひとは。おうたとたんにしゃべりだして、飯食うてしゃべって、コーヒー飲んでしゃべって、また場所変えてしゃべるんですなあ。昔のことやら今のことやら、あざいあらいしゃべるんやろねえ。男はそんなしゃべることがあらしまへんわ」
もう、言いたい放題にいわれてしまう。しかし、言われてみればそうかもしれない。今日のクラス会はどうなるかな、そんなかんじかなと予想する。
話が変わって「息子さんはなに年ですか?」と干支を聞かれる。この運転手はなにやら占いにくわしいひとらしい。
小さいころ近所に八卦見がいて、見よう見まねで覚えたのだという。手相も見まっせといわれたが運転中によそ見してもらってもこまる。
「息子は午(うま)ですけど・・・」
「そうですかあ。午(うま)の男はちょっと陰にこもりますなあ」
ううむ。陰にこもるのかあ。
「あの、私も午(うま)なんですけど」
「そうですかあ。女のひとはまたちがいますねん」
「どうなんですか?」
「ははー、あのねえ、午(うま)のおんなはたいがい辛抱つよいんやけど、いったんへそ曲げてしもたら、もうそら、テコでもうごきまへんのや。
ぷいっ!てなもんですな」
そこまで聞いて目的地に着いた。「ゆっくり楽しんできたらよろしいわ」という言葉に送られタクシーを降りた。
待ち合わせ場所に向かって歩き出すと
「いったんへそ曲げてしもたら、もうそら、テコでもうごきまへんのや」
という言葉がこころのなかでリフレインした。
クラス会にくるのはだいたい午(うま)のおんななのだ。へそを曲げるとテコでも動かなくなるおんなたちが集まるのだ。しかもかなり年季がはいっている。
昔のことやら今のことやら、あらいざらいしゃべるうちに、そんなことになったらどうなるんだろうなあ。あっちでもこっちでもぷいっ!なんて。
ま、しかしそれもなんかおもしろいかもしれんと思うくらいに、年を重ねてきたような気もするなあと、にやりとしてみた。
読んでくださってありがとうございます😊 また読んでいただければ、幸いです❣️