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「野外で授業」を室内でオンラインで受けてみた。

「野外で算数」ってどういうことだろう?と思いながらも、主催が岩手初の森のようちえん「つちのこ保育園」さんだったこともあり、二日間のオンラインコースを受講しました。
 講義が始まると、単純に「屋外で勉強を教える」ための知識ではなく、「学びってなんだろう」「学びはどうあるべきか」という壮大なお話でした。

 オンラインながら実践も交えた講座で、やってみての意見交換タイムも楽しかったです。ここでは1日目の講座のメモと私の感想を共有します。スウェーデンに行ってみたくなりました!!

講師は、NPO法人当別エコロジカルコミュニティ代表の山本さん親子。小学生向けの体験プログラムや、海外の自然教育を日本に紹介する活動を行っているそうです。

学びってなんだろう?

 
 山本さんより最初に、学校に入るといきなり「算数」になってしまうけれど、その前の学びについて考えたいという問いかけがありました。

〇算数の要素って?
 算数の基本的な要素として、測る、比べる、並べる、分類するなどの概念・行為がある。さらに、自分で感じる感覚(長さ、重さ、など)を、数値にしたものが「算数」という知識になる。

〇遊びながら「野外で学ぶ」
 自然にあるものについて、算数の要素を使って再発見したり、感覚と数値を結び付けていく。算数を学校の勉強、と知識でとらえず、遊びを通して発見するのが「野外で算数」。体験の中で自分が得意な学び方を知ったり、他の子どもの気づきから学んだりするため、「算数」という知識、教科にとどまらない学びやチームビルディングに繋がる

〇スウェーデンにある自然学校とは
 全国に90校以上、自治体が運営しており、学習指導要領に基づいた内容で、野外での活動を行っている。学校と連携して、野外での学びが授業カリキュラムに組み込まれ、教室での学習と野外の体験の両方で、教科として体系的に学べるようになっている。算数とチームビルディングのプログラムや、持続可能性と技術の両面を見るプログラムなどもある。

〇野外で学ぶ効果
1.遊び(体験)が学びに代わる。
 学びが「教わるもの」から、自分が興味を持って学ぶ、主体性、実感を通した学び、生活や日常の体験上にある学びへ変わる。
2.野外で学ぶことの効果。
 心と身体の健康はもちろん、遊びながら学ぶことで、楽しさ、発見、学ぶ意欲、自己肯定感に繋がる。また実物に触れ五感を使う直接体験で、概念ではなく実感として「わかる」学びとなる。
3.仲間と共に学ぶことの効果。
 社会性を育む。答えは一つじゃないことを実感したり、人と違うことをやってみることで、より面白い体験が生まれ、創造性や問題解決能力が育つ。
4.知能は一つではない?「マルチプルインテリジェンス」
 知能とは単なる頭の良さを示すものではなく、8つの特性がある。一人ひとり特性に得意不得意があり、野外教育での体験で自分の特徴を知ることで、より自分にあった学びを見つけることができる。
5.失敗する権利・怪我をする権利を保障する。
 自然の中で実際に何かをやってみると、失敗から学ぶことは大きい。安心して失敗できる学びの場を野外教育で保障できる。

やってみよう!岩手チームが野外で実践! 

〇好きなものを3つ集めて、仲間分けしてみよう!
 長い短い、重い軽い、大きい小さい、色、形、感触、温度、あった場所の高さ、など

 やりながら、なんども他の人の「大きい」「小さい」などの言葉と目の前のものの比較検証がありました。人によってとらえ方が違うところも、コミュニケーションですり合わせていく。「なんでこちらのほうが大きいの?」「それは~」という対話が生まれ、正解が一つではないこと、他の人には他の考えがあること、その場の答えをみんなで見つける楽しさを実感できました。

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受講の感想

 一人ひとりの学び方が違う、という前提でプログラムを作っている国と、一斉に一つのことを学ぶやり方でやっている国における、人の育ちの違いを実際に見てみたい、つまり、スウェーデンに行ってみたい!と思いました。
 弱い箇所の支援や総合的な能力の引き上げについて。教室の授業で論理的に理解できない子を引き上げる力が野外にあるということがわかってよかったです。外に出ていくと、違う視点で学ぶことができ、クラスの到達度が引きあがるのだそう。また、一般的な遊具の園庭とより自然な園庭での学びの比較において、運動能力テストやADDテストの結果にも差が出た、というのが驚きでした。 
 スウェーデンで野外教育が盛んなのは、教育観が個人主義に基づいており「ジブンデ決める」「ジブンデ選び取る」ことが大事とされていることが影響しているとのこと。日本では、乳幼児期の「ジブンデ」の大事さが認識されていない部分もあり、そのまま学校に入ると協調性を求められ受け身の授業で、なかなか自然に積極性を会得しにくいだろうな、と思いました。
 「みんながすごい高い点に到達する」のでなく、ものごとの成り立ちを学びながら自分の関心や特性を理解し、その後「どうするか」は各自にゆだねられている、というスウェーデンの社会には、様々な学びの選択肢ややり直しの機会が生涯にわたってあることがうらやましいと感じました。

 参加者から出た感想で「日本では、野外教育やオルタナティブスクールの学びについて興味がある人たちでも、受験やその後の社会への適応を考えざるを得ず、子どもの育ちをおおらかに見守ることが難しい」という意見や、対して「幼児・保育の世界も少しずつ変わってきているので、小学校前の育ちが変わっていけば、小中学校でも自分で選択できることが広がっていくのでは?」という意見もあり、参加者の皆さんの熱い想いが伝わってきました。

宿題

 次回までに、参加者はそれぞれのフィールドで、野外での学びのとっかかりの活動を実践してみる、という宿題が与えられました。私は一番良くお邪魔している放課後子ども教室で実践してみたいと思います。子どもの反応をすぐ実感できる距離にいるのは有難いことです。
 そして早速注文した「野外で算数」をこれから読んでみようと思います。気になる方はぜひこちらで注文を!

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