見出し画像

森に暮らしています BY 植物より

こんにちは、ボジュです。

寒い日が続いていますね。皆さん、お元気ですか?

今日は、森の秩序についてお伝えしますね。

 森に暮らす植物はなんとなく生えているように見えますが、そうではないんですよ。森の中って、その場で暮らすことが適しているものがその場で暮らしているんです。

太陽の光の量でお話ししますね。

 植物には太陽が大好きな植物がいます。そういう植物が暮らしているのは、森の縁(林縁)だったり、大きな樹が倒れて太陽の光が林の床まで届くようになった場所。あるいは、それまで林だった場所が一斉に樹が倒されたり、あるいは嵐で倒れてしまったりして広い範囲で太陽の光が届くようになった場所には、太陽の光が大好きな木々が育ちます。

 太陽の光が好きな木々を「陽樹」と呼びます。樹高が高くなるものでは、シラカバやアカマツが有名どころです。シラカバやアカマツはタネが小さく、風で一斉に沢山撒かれます。そうして撒かれたタネに太陽の光が当たるとみんなが「それっ!」と芽を出し成長し始めます。自然のシラカバ林やアカマツ林をご存知の方は思い浮かべてみてください。同じような太さで、同じような高さの樹木が揃っていますよね。あの木々たちは、ほぼ同じ年に芽を出したので同じように成長をしているのです。

 次に低木です。太陽の光が好きな低木は、有名どころで天ぷらにすると美味しいタラノメ。それから、山歩きで気をつけなくてはいけないウルシなどです。太陽の光が好きなので、林縁に多く暮らしています。遊歩道や登山道脇で多く見かけるのはその理由からなんですよ。秋になると真っ先に紅葉を始めるウルシは綺麗ですよね。その美しさに惹かれて触ったりしないようにしてくださいね。後で、痒い思いをしてしまいますよ。

 半日陰が好きな樹木で有名どころは。秋になると森を彩るカエデです。モミジとも呼ばれるカエデの仲間は種類も多く、葉の形も様々です。カエデの仲間は大樹にはならず高木と低木の間で暮らすことを選んだ種類です。秋になると、森を美しく彩るカエデの仲間たち。森の中では誰もが高木になりたいわけではないのです。

 高木があり、中木があり、そして低木が茂る。その茂った低木の中にじっと待っているのが「陰樹」と呼ばれる種類です。

 皆さんがよくご存知のドングリの種類はこの蔭樹になります。しかし、決して日陰を好んでいるのではなくて、日陰でじっと待つことができるということなのです。低木の茂みの中や、ササの中で発芽してから何年も何年も少しずつ成長しながら太陽の光が当たるのを待ちます。そうやって待っていると、ある日突然太陽の光が差し込んでくるのです。その時に「待ってました!」と言わんばかりに育ち始めるのがドングリの仲間の木々です。

 他にも、水分が多い土壌を好むもの。乾いた土壌を好むもの。寒い気候が好きなものや暖かい気候が好きなものなど様々な条件の中で自分に適した場所で暮らしているのです。そして、暮らしている環境が変化し自分が暮らすことに適さなくなると静かにその場所から姿を消します。あるものがいなくなると、そこには新たな植物が暮らし始め、次の森の形ができ始めます。

 決して、適当には暮らしていない森の植物たち。外から見ていると並んでいるだけに見える木々、植物たちは毎日そこで暮らしています。

 これからも、森をよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?