ゆえにno寄席-冬の陣-

はい!「森菜々のスマイルの歌詞、エグくない?」担当、ゆえに本庫です!

初っ端からご機嫌伺いをさせていただいた。皆さんはいかがお過ごしだっただろうか。福笑い漬けの毎日を過ごしていたことと思う。何よりだ。私はもう僭越ながら一福笑いの暇もないまま年末年始忙しくしていた。このnoteも実は11月頃から書き始めていて諸々3ヶ月近くかかってしまった。この期間は定期入れをリュックにしまったはずが的が外れて不本意ながら駅に不法投棄する形になってしまったり、8000字近い論文を2本書きあげたり、家の外壁から破裂音が鳴ったり刺激の多い毎日だった。もう外国のちっちゃい女の子がちっっっちゃい子やぎを抱いている写真しか見たくないと思ったときもあった。あれまじ可愛いよね。でも、こんな浮かない気持ちにもおさらば法人グッドデイ。だってゆえに本庫の寄席のお時間だから。もう少し法がキツかったら確実に規制されてる娯楽ランキングTOP2、コーヒーとゆえに本庫の寄席(主観)。前回は有難いことに好評を頂き、今回の「ゆえにno寄席-冬の陣-」の香盤表制作に至った。とは言え前回から全く同じ構成ではそりゃもうあんた、カブトガニ乙ですわ。私、まだまだ成長期バッチバチの17歳。お団子持ってテクノファンクやっちゃうお年頃なんだからさ進歩させてよてことで出囃子選びだけではなく、それぞれのコンビのイメージで題字を作ってみた。残念ながら絵心や字心は母胎で使い果たしてしまったので技術面はアイビス先生とフリー画像に全ベットしてセンスだけでいかせてもらった。解釈不一致ばっちこいなのでそこんとこ宜しく。

では、女子高生の枕はさておき「ゆえに本庫no寄席-冬の陣-」ごゆっくりお過ごしになってもろて。(完全に蛇足ですけど女子高生の枕っていやらしいですね)

1.ニゲルベ
欲望を叫べ!(OKAMOTO’S)

未知 ニゲルベ

トップバッターから結成1年目を置くことでチャレンジ精神を見せてみた。ただ、結成1年を甘く見てはいけない。M-12021の予選では「英語がわからないのではなく、その日本語訳がピンとこない」「最近殺虫剤食うことにハマってる」など日常のなかの違和感をめちゃめちゃに引き延ばしてコピーした結果相手を何も信じられなくなるような漫才をしていて本当に面白かったよね。まじで。ちゃんとボケのつーこさんが自分の行いによってそこそこの被害を被ってるのも良い。正直今まで清友さんは黒帯の大西さんに似てる大喜利強い人、つーこさんはもみちゃん☆ズと喋ってる人というイメージしかなく、曲選びが難しかったので直感で勢いがあって単純に好きな曲にした。

2. ケビンス
土曜日の俺はちょっと違う(挫・人間)

平和の使者 ケビンス

こちらも結成1年目だが、すでにジャンプ力がTwitterでバズったりYouTubeチャンネルを開設したりと話題のコンビ。ツッコミの仁木恭平さん(友達に話すとき語感が良すぎてフルネームで呼んでる。ここでもそうする。)はそうじゃねえだろ時代にオモコロで記事やラジオを出していて当時は「女子でも引かない!男のオ○ニー写真術」はじめ下ネタ記事に定評があった。ひみつスナイパー健時代からは大喜る人に出演するなどネタ作成、イラスト、大喜利と多才である。ボケの山口さん(現コンボイ元スマッシュ)はもうエネルギーがすごい。存在そのものが嬉しいし楽しい。持ちギャグ「チョキピース」が私は大好きだ。毎回「チョキピースて」と思う。ツイートも底抜けに明るく、みんなコンボイになろうよと思える。因みにコンボイの意味は護衛。全然攻めてるよコンボイは。ブレインの仁木恭平とパワーの山口コンボイ。バランスが良く、今後目の離せないコンビだ。曲は、完全に仁木恭平さんのイメージ。

3.パンプキンポテトフライ 
マニーハニー 
(Helsinki lambda Club)

吹き抜けるお洒落スケベ パンキンポテトフライ

ちょっとコンビ名が面白すぎる。野菜を2つも入れること、ある?彼らの魅力といえば山名さんのボケ(というか奇行)に対する独特なワード、しかしときにシンプルすぎる谷さんのツッコミ(というか咎め)だろう。特にM-1 2021のツカミで「犬‼︎」と突っ込んだ勇気は称賛に値する。観てる側が少しハラハラしてしまうくらいたっぷり間を取ることがよくあるが、期待を必ず超えてくるのも舌を巻かざるを得ない。ルーズな雰囲気ではあるが間の取り方をはじめ自分たちのネタをちゃんと理解した上でしか成立しない絶妙な笑いで、POISON GIRL BANDに通ずる部分を感じる。余談だが、ホリプロ公式のYouTubeでパンポテの漫才を観ると2人の髪型がどんどん変わっていくので他人の子供の成長を見ているみたいで手放しで楽しめる。曲は脱力系の演奏とお洒落な歌詞でパンポテのスタイルに合ってると思う。

4.オダウエダ 
チャイボーグKYOKO  
(アーバンギャルド)

無邪気なアングラ オダウエダ

今や知らない人はいないtheW2021の激戦を制した女王。清涼感のある気持ちの良い発声が持ち味の小田さん、コテコテの関西弁でたまに陸で溺れている喋り方をする植田さん、2人とも声が圧倒的にデカい。私は昨年8月の男性ブランコno寄席で本格的にオダウエダファンになったのだが、そのときのつかみが、暗転で植田さんがネタに一切関係ないかつ瞬間風速がめちゃめちゃ速いストレートな下ネタを元気な声で言うというもので思わず笑ってしまった。大声って武器だと思う。それに加えて彼女たちの織りなすネタは狂気への執着が凄まじい。しかしあくまで彼女たちの創る世界観は無邪気なファンタジーに基づいており、子供の頃何度か見て忘れられない夢のような雰囲気がある。そのため一定の共感性があるのだが、毎回途中で発想が信じられないほど飛躍するのでそこで急に突き放される感覚も楽しい。叙事的で淡々とした口調もクセになる。曲は前に植田さんが「小田にはアンドロイドっぽくあってほしい」と言っていたのと、植田さんの見た目が響子っぽいので選んだ。

5.ガクヅケ
夢見る力に(P-MODEL)

非対称性ゆえの不条理 ガクヅケ

鬼才。特に日常で積りに積もったフラストレーションから生まれたとんでもない怪物を面白く描き上げるのが上手いと思う。その怪物は人間の嫌なところ、恥ずかしいところ、でも一周回って可愛げがあるところ、言ってしまえば人間性の具現化である。例えば、ピザ屋のネタはよくある設定から入ってシンプル暴力で終わるが、トリッキーな攻防戦はたまに出くわすエゴのぶつけ合いみたいないやーな会話を身体で表現している感じで面白い。嘘が上手な人は本当の話に嘘を入れ込むと言うが、ガクヅケのネタは日常のなかに非日常的な存在を作り出し、でもその存在も他を憚って生きていて、でも本能も見え隠れして…と必死に非日常を隠しているため嘘のリアリティの演出がすごい。ただ、その怪物たちの爆発力がとんでもないからやっぱり全然日常じゃないのも良い。ミルクレープの一層がにんにく醤油漬けのローストビーフだったら多分食後の感想は「にんにく醤油漬けのローストビーフ食べたなぁ」だと思う。そっか、ガクヅケって一層がにんにく醤油漬けのミルクレープだ。曲は、来世はP-MODELが似合うコント師になりたいという私の憧れを押し付けた。実際、ガクヅケくらい突き抜けていれば違和感はないと思う。

6.鉄人小町
君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-
(イエロー・マジック・オーケストラ)

生まれながらのギャルらしさ 鉄人小町

大阪の新星ギャグ漫才師。長い四肢で舞台を縦横無尽に駆け回りながらノンストップでボケるすみっぺとすみっぺに振り回され、ときにすみっぺに危害を加えられながら懸命にツッコむ小佐さんのドタバタ感が良い。M-12021でも結成3年で3回戦進出を果たしており、しっかり実力派。因みにすみっぺは超晴れ男で傘を差したことがないらしく、小佐さんの特技はヌンチャクらしい。(吉本のプロフィールより)平気で嘘ついてる?このコンビ、何も信用できない。面白いという事実だけ。ひと目見た時から私はすみっぺの虜なのでイントロから「キュン」と言ってる曲にした。YMOは最高ね!

7.ダイタク
Tokyo 2(C Case)

無限大の怪物鬼回し ダイタク

今や無限大ホールに君臨する東京若手芸人の兄貴。3年連続でM-1準決勝進出の実力者でもあり、名実ともに敬すべき漫才師である。双子揃ってバイト、社会人時代に経営を立て直したり高級割烹で腕を認められたりという持ち前の器用さや地頭の良さがネタにも反映されている。双子というアドバンテージを生かしたネタが多いのだが、その大義名分に全ベットしない技巧的なしゃべくり漫才が多い。私は2018年M-1敗者復活戦のネタが好きなのだが、丁寧な状況説明からお互いの悪さを炙り出す兄弟喧嘩ならではの執拗さをベースとしてハンドサインや言葉のあやを使った頭脳戦は綺麗で見事だと思った。また、どのネタも双子ならではのテンポ感が光り、後半にかけてギアを上げていく感じも気持ちが良い。お笑いに疎い人から精通している人までどの層も楽しめるネタが多いと思う。酒、煙草、ギャンブルという大人の全てを嗜好している2人にはどことなく都会の荒廃的な雰囲気があるのでネタというよりそのイメージで曲を選んだ。

8. 男性ブランコ
すてきなモリー(毛皮のマリーズ)

変態的なやさしさ 男性ブランコ

KOC2021準優勝以前からこだわり抜いたコントと高い演技力で多くの人を魅了しているコンビ。ハートフルから新喜劇風まで幅広いコントを得意としている。あまり口語で使わない少し変なワードやそれぞれのキャラの人間性が際立つようにネタが進行していくが、終盤に近づきそれまでのちょっとした違和感が伏線回収される様子は見ものである。例えば、名作「マチコちゃんと花」は普通の兄妹の会話に見えて、ネタ中2人の目が一度も目が合わないらしい。サァーッッ。(ヲタクはこういう作り込まれた設定に触れると加湿器と化します。)また、男ブラといえば先述したようにハートフルな部分がフォーカスされがちでかく言う私も初見の「豆もやしのマメモ」で感動し倒したのだが、そんなネタの中でも日常系ギャグ漫画のようなめちゃめちゃくだらない、コミカルとはこのこと!みたいなくだりが絶対に盛り込まれているところも注目してほしい。所謂トンチキ展開が大オチにくることも多く、感動で大人しく暗転させないところに西の血を感じざるを得ない。コントを主としているが、漫才でもM-12021敗者復活3位の実力を持っていることも忘れてはいけない。まず、衣装から男ブラというコンビの雰囲気に合っていて、本職のコントでの世界観がそのままサンパチ前にも反映されているところが良い。平井さんが沢山動くコント漫才はシンプルに楽しい。無駄が全くないというわけではないのだが、独特のテンポ感とワードを詰め込み過ぎない浦井さんの良い声ツッコミによって洗練されたイメージを受ける。説明の分量でお察しの通り、かなり今推しているコンビである。曲は、男性ブランコというよりコントでよく平井さんが演じる強気だけど心根の可愛らしい女性のイメージソングである。

9.Aマッソ
MOTOR CITY(浅井健一)

緊張と緩和とボケとボケ  Aマッソ

天才と、天才のただのマブかと思いきや別ベクトルで天才のコンビ。Aマッソに対する天才という称賛は今やありきたりで野暮だと思いつつも彼女たちのネタを見たらこれしか言いようがない。ネタ作成者の加納さんは文学少女で自らエッセイも出している。その影響もあってか、カオスに見えるネタの中でも登場人物それぞれが彼らなりのロジックに基づいて奇行、奇言を繰り返しているから一つ一つのネタが一から精巧に創り上げられたパラレルワールドという感じがする。この世のものではないけど、どこかの(誰かの)常識を淡々と見ているだけのように感じさせる一貫性があるのだ。そんなネタに負けず劣らず光るのが2人の演技の自然さ。どのキャラも自分の信念を紛ごうことなき善だと思って行動しているのであたかも当たり前のように振る舞う。そして、もう一方は彼らに強烈な違和感や嫌悪感をもって接する。が、こちらもまた世間とは乖離した感覚をもっている。Aマッソと我々が交わることは決してない。でも、自分の感覚を絶対に受け入れてもらえないという挫折を通り越して得られた独特の快感はきっとAマッソを通してでしか味わえないものだ。(挫折→気持ちいい!への到達は1ネタ見れば完了するのであなたの手を煩わせることは決してありません)それと、私は個人的にずっと村上さんに憧れを持っている。何故なら彼女は後輩の家に凸ったとき第一声で「チャオ」と言えるから。そんな大人になりたい。曲は、天才といえば椎名林檎も憧れたベンティーこと浅井健一かなと思い、選んだ。

10. 囲碁将棋
中年かまってちゃん(忘れらんねえよ)

圧巻の余裕 囲碁将棋

無冠の帝王という言葉はきっと彼らのためにあるのだろう。賞レースで輝かしい成績を残しているわけではない(とはいえM-1準決勝経験あり)が、確立したファン層があるし、先輩後輩問わず信頼も厚い。賞レースがあると自分の型を勝利という目的のためにそれがいくら不本意なことであっても削ったり加えたりする作業が必要だと思うが、M-1卒業後の現在、囲碁将棋は賞レースに縛られず好きな型をファンや自分たちのためだけに好きなだけやるフェーズに入っている。完全無敵状態。西のDr.ハインリッヒ姐さんと対をなす東の囲碁将棋兄さん。今大人の本気のおふざけを見るならこの2組に限るといっても過言ではない。芸風は一見理論派に見えて2人とも狂った武闘派。お互いの小さい狂いをぶつけ合うしゃべくり漫才は2人の鼻にかかったクセのある声質と「いねえってぇ!なあぁ(おまあぇのときもある)‼︎」「やってみろよ‼︎」等シンプルなツッコミの反復で何度も見てしまう中毒性がある。因みにラストイヤーの敗復という大一番では、ウォッシュレットのネタをやるという大狂いを見せた男気、若手に負けない尖りもある。また、ラジオ「情熱スリーポイント」は実在するバスケ選手、佐古さんの番組を居抜きで放送しているという謎設定のもと漫才の空気感のままトークが繰り広げられていて愉快だ。忘れらんねえよはこの曲のみならず中堅芸人と融和性が高い熱くて良い曲が多いのでM-1公式のムービーに熱狂して毎日6万回再生しているような層に是非おすすめしたい。

終演後 きみの世界に花束を(髭)

察せ。

ということで以上が私による私のためのセトリ。いごしょーからのエンディングが胸熱過ぎてもうこの世の二酸化炭素濃度とかどうでも良くなっちゃいそうなので、環境保護の観点からもこの辺でやめさせて頂く。今回も出囃子(+客入れ時の取り敢えずの2曲)のプレイリストを作ったので好きに聴いてね。

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