漫才(初)「推し」

「推しが欲しいと思い始めて早4時間なんですけども」

「お、急に?」

「ええ、夜中にいきなりさぁ…あ、香水みたいになったの嫌だな」

「いいんだよ別に」

「騒がしい日々に笑えない自分がいるなと思ってね人肌恋しくなった訳ですよ」

「あら夜に駆けるは無視ということで大丈夫ですか?」

「だからねあなた、私が推すに値するジャルジャルを教えて頂けます?」

「ジャンルね?うーん、アニメとかどうですか?」

「違法アップロードはちょっと…」

「いや合法も余裕であるよ?今年は鬼滅の刃なんか流行りましたし」

「それってR180ですよね?」

「誰も生きてる間に見れんわ!」

「史上二作目のR指定100越えと聞きましたが」

「だとしたら一作目が気になるどころだな」

「たしか、ペネロペだった気が」

「あの青い熊⁈その情報ソースは確実に間違えてるから信じない方がいいですよ⁈鬼滅はR指定されてないですから。映画でも観に行ったらどうです?」

「いいんですけど二次元って虚無でしょ?実体がないものにお金かけるの勿体なくないですか?」

「ベンチャー企業の社長みたいなこと言うな!生活を豊かにするものには時間と金が不可欠なのよ!ニトリを見習え!」

「髭ダン以上ニトリ?」

「お値段以上な!ビルボード狙わなくていいですから。じゃあ、アニメが駄目ならアイドルとかどうです?」

「嵐活動休止するからもう無理じゃん。」

「あなたってアイドルが片手で数えられる人数しかいないと思ってます?」

「ええ、ぴったり5人かと」

「名推理した探偵みたいな顔で言ってますけどファイナルアンサー?」

「答えにファイナルもファーストもないだろうが!真実はいつも一つ!」

「うわ、クイズミリオネア通ってきてない世代だ!というかあなた、コナンは知ってるんですね」

「うん、ざっと98巻持ってる」

「あれ、もしかして既に推し出来てるんじゃない?それに二次元にお金かけるのは嫌って言ってませんでした?」

「え、コナンってほんとにいるよ?三次元じゃん」

「この方、二次元にハマり過ぎて推しのいる世界と地球の狭間で日々生活してる限界オタクでした!あなたあれでしょ?Twitterに『推しと結婚したい』『推しぴえん』とか呟いて、事態が悪い方向に傾くとちょっと病んで学校会社休むタイプの人間でしょ?」

「え、途中から何言ってるかわからなかったわ。私、mixiしかやってないですよ?」

「辞めちまえ!この漫才ごと辞めちまえ!」

「じゃ、一旦辞めさせてもらいます。」



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