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映画「のぼる小寺さん」をみた感想

はじめに

どぅー(工藤遥ちゃん)の主演映画が決まったぞ!!!と上映の半年以上ぐらい前からワクワクドキドキしてて、結局映画館でやっている時期に見れなくて、ずっと気になっていたのを、ようやくゲオで借りてみることができました。

青春映画で、部活で、旬の俳優さんで・・・(伊藤健太郎くんと共演って凄くない!?めっちゃ旬やん??って当時かなりテンション上がったの覚えている。紅茶CM経験者同士だけど、どぅーは「ミルクティー嫌いな男子って無理〜」的な発言で炎上してたからあまり紅茶発言を軽はずみにできないことがもどかしかったから、健太郎くんも炎上して、これで引け目を感じなくてイイんだ!って一瞬安心したけど、それどころの話じゃなくなって「あっ・・・」となり言葉を控えることにした)

穏やかな「青春映画」

なんとなく、もう自分も高校時代って20年ぐらい前の話だから、高校生の青春ものをみたって、どうにもならないだろうな・・・という工藤が出ているということ以外にあまり期待を持たずにみたけれど、意外とよかった!!!

常に光が差すひだまりな体育館の中で、とにかく過剰なことが起こらずにみんなが淡々と部活をしたり趣味のカメラをしているのがよかった。ベタだけど、ギャルが登場してギャルと不思議ちゃんの工藤演じる小寺さんとが自然に打ち解けたり、ベタだけど地味メンが登場して小寺さんに思いを寄せつつ部活を頑張ってほんのちょっとずつ自信をつけて表情が明るくなったりとか、ベタだけど、地味女子が登場して仲間には言えないカメラ趣味に自信を持って取り組むようになってギャルとも交流するとか、「えっ・・・普通にいい・・・みんな可愛くて好き」となった。もう一人の主役の伊藤健太郎が演じる近藤くんも、地味メンよりもちょい地味じゃない地味メンだけど、部活の卓球を頑張って、いつもつるんでいる仲間に「お前だけ本気出しちゃって・・おもんねー」的な扱いを受けつつも、最後には仲直りできて「よかったねぇ・・」ってほっこりできたし、総じてみんな癖がないというか、普通に素直に見れてほっこりできた。とにかく体育館に柔らかい光が差し込んでて教室の中も明るくて、体育館の隣にある緑生茂る空間とかも瑞々しい感じがあって、どのシーンも爽やかで軽やかで、心が癒される、優しい空間で安心しながら見続けることができたので、そこが気に入った。最近心が荒んでいたので、何見ても「けっ・・おもんねぇ、くだらねえ・・子供だましじゃねえの?」みたいな感想しか出てこないのでは?という自分への疑念があったけど、それが晴らされて一安心した。

素敵な文化祭シーン

淡々としてて何も起こらないと言ったけれど、退屈しない程度にはいろんなできことが起こります。文化祭で小寺さんが、子供が飛ばしちゃった風船を、ボルダリングの要領で校舎の上の方までひょいひょいと登ってとりにいくシーンとか、「えっすご」という小さい感激があったし(お猿の着ぐるみが可愛い)、ゴリラみたいな先輩たちのメイド服にわらけたり、ギャルと地味子ちゃんが打ち解けるシーンもこの文化祭だし・・・文化祭ってやっぱいいね!!

自分自身の青春時代と重ねて

1つのことに夢中になれる小寺さんみたいな子って本当にかっこいいよね・・・。って凄く思ったんですけど、それは自分の中高生の頃のことを凄く思い出すからです。あの頃の、中高の時の価値観って、ワーキャー言わずに、自分の世界を持っている子ってとにかくかっこいい!って感じじゃないですか。いろんな漫画やドラマでもそういう人がカッコよく描かれる。その反面、自分は、誰と誰が付き合って、とかグループの派閥が〜とか、そいういうゴシップが大好きでクラスの誰が可愛くて誰が好きで!ということが常に自分の中のトピックスだったので「なんて世俗にまみれた人間なんだ」と当時凄く自分のことを思っていたから、小寺さんみたいなボルダリングだけに没頭して、クラスの女子が色恋の噂話しているところもお構いなし、地味めんに好意を寄せられてもお構いなし、休み時間に謎のトレーニング器で筋トレしながら、クライミング雑誌読んでる姿とか、憧れるしかないよね!!!自分の世界を貫く姿かっこいい!!

神聖な人への憧れの気持ち

さらに自分の話になりますけど、中学から高校にかけてずっと片思いで大好きだった人の人物像と小寺さんを非常に重ねながら見ていましたね。その人は文化祭にも参加しないし部活にも参加しないから小寺さんとは全然違うけれど、世俗にまみれてない感じが非常に重なるなと。その部分が強烈に憧れてたんですよね。だって、なんか憧れるよね??今よくよく考えると、ゴシップ好きだった昔の自分は、世俗にまみれているというより普通に青春満喫してたリア中とも言えるから悪くなかったなって今では思えるけど。世俗にまみれない、清らかな、そういう人に対しての憧れがとにかくすごかったのが今でも強く思い出すことができる・・・。男とか女とか関係なく、ボルダリングの部活の先輩たちとの絆みたいなのも描かれていて、そこも凄く輝いて映ったよね〜。本当にキラキラしているよ・・アイドルも、そういう1つのことを貫くというか、目指す道に向かって直向きに取り組むというか、そういうところあるから好きなのかなぁ。

群れないけど、孤高ではない

とにかく私が中高の時好きだった人への憧れの気持ちと重ねながら見てたっていう話ばっかりになるけれど、「俗世にまみれてないっぽい」ことに加えてもう1つ共通点があって、とにかく「来るもの拒まず」のところも同じなのよね。清らかなんだけど孤立じゃないし、孤高でもないのよ。クールなのとも違うの。話しかけられたら嫌な顔せずに素直に人の話聞く。ギャルに「ネイルできてすごいね」とか、近藤くんに「卓球頑張ってね」とか普通に。先生にもたてつく感じもなくて、ただ単に思ったことをいうだけ、ていうところが痺れるよね!!!!その点、自分は、結構人からどう思われたいとか、そういう雑念にまみれてたから・・それでも楽しかったけれどね・・。なんか悦に入るというか、ドラマとか、漫画に影響されてなんか正義とかあるべき姿みたいなのに影響されてたな・・・・とか恥ずかしい。記憶を思い返すと。「私がこのクラスを引っ張っていくんだ!」「みんなをまとめるんだ!」的な。いや、それもいいんだと思うけどね。

近藤くんが意を決っするシーン

さらに自分の思い出の話になるけれど、近藤くんと小寺さんのシーンで「よしっ、話しかけるぞ」っていう心に決めて、不自然なんだけど話しかけるシーンがすごいよかった!!!自分も体育祭の時にこれした!!!!!今でも忘れられない!彼が一人で歩いているところに狙いを定めてバーッと駆け寄って、「今日おかーさんとか来てるん?」「お昼ご飯とかどーすんの?」みたいなことを話した気がする・・(不自然極まりない)それに、怪訝な顔1つせず爽やかに「あ〜そやな〜」的な感じに普通に喋ってくれたあのフラットな感じ!!!こっちはもういろいろあって気合入りまくってて、それに対して凄く自然に返してくれる感じが蘇って凄く懐かしいし、「こういう人、やっぱり憧れるな・・・」と思って凄く心が温まるシーンとなった。

小寺さんが背中を向けた意味

今回この映画を配偶者と共に見ていたが「最後、急に急接近する意味がわからない」「俺のことを見てくれ、って突如命令口調になるいみがわからない」という感想を言っていた。確かに、あれなんで急に背中合わせなったんだろ??って私も少し疑問に思ったけど、「ちゃんと伝えようとした人の思いを、ちゃんと聞いてみたい」という真っ直ぐな気持ちの現れでは?という感じがした。そう指摘されるとまぁ、背中合わせはやりすぎのように見えるけど、なんか、真剣なことが伝わって、何か応えたいというか、小寺さんなりの表現というかコミュニケーションのキャッチボール的に出たものなのかな?というふうに解釈した。「俺のことを見てくれ」って言われて「なるほど、見よう」と考えた結果、背中合わせにしてみたということ。

「夏が静か」と感じる小寺さん

それよりもうちょっと前のシーンで夏が好きっていうシーンがあるじゃないですか。小寺「夏は静かだから好き」、近藤「えっ?なんで?セミとかいろいろうるさいじゃん?」(小寺さんが目を閉じてしばらくの沈黙)小寺「・・・ね?静かだ」、近藤的「・・・?よくわからないけど・・・」っていうところ。ここもなんか独特でスキーなシーンなんだけど、小寺さん独特の感性が描写されている。だから、背中合わせも、その感性のひとつなんじゃないかなー。と思った。「見てくれ」って言われた時に、心の中から溢れ出す何かを感じたから、「近藤くんの何か、この伝えたいことを受けとろう」という感性の結果、背中合わせになった・・・的なことで私は解釈することにしました。

キュン系青春映画っぽくない感じが好き

普通に、近藤くんが小寺さんを好きになって、なんとかお近づきになりたいと思って、そのために自分も何か頑張らなきゃな、ってなる青春映画。っていうあらすじだけど、「告白」「ドキドキデート」「キスされちゃう?」「思わせぶりな行動にドキドキ」「えっ?実は両思い!?」的なポップカラーなイベントが全く起こらない。(外野で「告白」は発生してたけど)ところが凄くよかった。最後まで暖かくて癒しの世界で自然にみることができてずっと「素敵だな〜」っていい気持ちのままみることができた。そもそものスタート地点が、小寺さんのことが好きだからと言ってボルダリングの部活に転部するのではなく、そのまま自分の部活の卓球を頑張る、で、ピンポン球が逸れてとりに行った時だけにチラ見するっていう距離感た最高にいい!!!!いいよね。そのトーンでずっと続いていく感じが良かった。(キュン系も、それはそれで好きだけどね?)

謎な場面もある

河原でネイルしてもらったり、そしらぬ顔で体育館入ってでっかい一眼レフ持って写真撮ってたり、えっ?唐突?っていう、細かいけどありえないやんっていう瞬間はあったけど、総じて良かったし、こんな程よい距離感保てて逆に奇跡じゃね?ってよくよく考えたら思うけど、この映画の世界の中にずーと没頭できる感じが心地良くて良かった!HAPPY。

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