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テスト前日に急に部屋の掃除がしたくなるのは本当にダメなことなのか
誰しも経験があるのではないだろうか。
明日は生物の期末テスト。しかし、カルビン・ベンソン回路が頭に全く入ってこない。ストロマ? ルビスコ?
集中がふつりと途切れる。一瞬の解放感に任せるままに、腕を持ち上げぐーと伸びをする。仰け反らせた視線の先に、昨日食べたナビスコの空箱が目に留まる。
片付けたい。
普段なら気にならないはずの何でもないお菓子の空箱が無性に気に障る。
頭では分かっている。そんなもの放っておけば良いと。明日になれば、いつもと変わらないただの空箱に戻ることを。
しかし、気になる。どうしても、気になる。
このままではとても勉強に集中できない。
……それは良くない。
そう思った瞬間、水を得た魚のように椅子から飛び上がる。次の瞬間、空箱は放物線を描いてごみ箱に投げ込まれる。
その後、およそゴミと呼べそうなものが視界から一蹴されるまで、下手くそなシュートが延々続いた。
……なんて経験、ないだろうか?
こういった行動は、心理学では「セルフハンディキャッピング」などと呼ばれているそうだ。
もし明日のテストの出来が悪くても、部屋の片付けをしていたから、と逃げ道が出来ることで心の平穏が保たれる、といった理由らしい。
このような説明は、上記の行動を説明する際の王道になっている。
しかし、本当にそうなのだろうか?
部屋を片付けたくなるのは、無意識的な自己防衛のためではなく、
テスト勉強をしなければという「義務感」と、カルビン・ベンソン回路がややこしすぎるという「障壁」の2つのベクトルが合わさった結果なのではないだろうか?
テストへのプレッシャーから、「何か」をしなければという強いエネルギーを生成したものの、そのエネルギーをまっすぐ注ぎ込むには、残念ながら生物の勉強が「難しすぎた」からなのではないだろうか。
その結果、
行き場を失った「やる気」エネルギーが、ゴミを捨てるという「平易な行動」として、代わりに昇華されたのではないかと思うのである。
誰しも、部屋の片付けが、赤点の言い訳にならないことなど分かっている。
そんな当たり前のことは無意識下でも自覚している。
つまり、部屋の片付けは、テストで失敗したときの逃げ道足り得ないのである。
そんな非合理的な行動が無意識下で選択されているといわれても、私にはどうもしっくりこない。
部屋の片付けがしたくなるのは、むしろ「やる気」の現れなのではないかと思う。
普段気にならないようなことが無性にやりたくなるのは、それだけやる気のモチベーションが高いからなのではないだろうか。
そう。無性に部屋の片付けがしたくなったあなたの勉強へのモチベーションは、実はとても高いのである。
そう思うと、勉強に向き合える気がしてこないだろうか。
テスト勉強の最中、無性に部屋の掃除がしたくなったら、自分に言い聞かせてあげて欲しい。
今の私はやる気に満ち溢れている。
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