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脳みそのシワがなくなってクリームパンになる話

脳みそのシワは多ければ多いほど頭が良いと聞く。

脳のシワは、大きな脳みそを限られた容積の頭蓋骨に収めるために必要で、大脳皮質を広げると頭蓋骨の内側の表面積の約3倍になるとか。

だから、頭の良い人の大きな脳みそを小さな頭蓋骨にぎゅうぎゅうに押し込むために、沢山のシワができるのだろう。(たぶん)

そうだとすると、私の脳みそは(恐らく)ぎゅうぎゅうに押し込む必要もなく、するっとぬるっとこの頭蓋骨に入って行ったんだろうな、というくらいにツルツルの表面をして『なにか?』と冷たい眼差しで下の方にいる私を見つめてくる。

「きみにシワが増えてくれたら、私の頭も良くなるのになあ」

こんな私の呟きに、ごめんねも言わず他人のフリをして無視する対応だけはずる賢いんだから。

かくいう持ち主の私も、ともに怠惰な日常を繰り返しているので、人のこと(人?)をどうこう言える資格もないのだけれども。

私が怠惰になり始めたのは、特にTikTokとかいう時間溶かしお化けのせいだと思っている。

しつこく耳に残るリズムに合わせて、自分の角度を気にしながら小さく踊る化粧の濃いJKたち、一生使うことのないライフハック紹介、ケータイが天井についてるドッキリ、昨日のバラエティの切り抜き。

右の親指に申し訳ないと思う隙もないほど、ありとあらゆるコンテンツが下から上へと過ぎ去っていく。

近年流行りのショート動画の連続を眺めているだけなのに、その代償は大きく、1日の貴重な、所謂スキマ時間を奪われ続けて早5年。

これらの時間に勉強をしていたら、スポーツに打ち込んでいたら、今頃私は少なくともこんな卑屈な文章をダラダラと書いていないだろう。

最近は特に、私生活でも頭がぼーっとしていて、考えたいのに考えられないみたいな、そんな現象が続いている。

そんな時、脳みそを使わないで生きていくと、いつか脳みそのシワがなくなって、ぷっくりいい香りのするクリームパンみたくなっちゃうんだろうな。なんてファンシーな可愛い妄想に走ることで現実逃避を実現した。

24歳になってもこんなことばかり考えていられるなんて、それはそれは幸せなことで。

今年の目標は「スキマ時間泥棒を撃退して、イケてるしごできウーマンに生まれ変わる」

さようなら、クリームパン
こんにちは、朝洗濯回してたのを忘れて夜帰宅後に取り出したシワシワのバスタオル

あ、なんか嫌かも。

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