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YouTube動画広告の覇者はどの代理店なのか。過去4年 上位70本の動画から読み解く。

こんにちは!ぶるとん🐷(@bulltonofficial)です🐷

普段、株式会社ブルズでマーケター/動画プランナーをしています。主にYouTubeを活用したプロモーション企画の立案や分析を担当中🐷
担当するクライアントは、大手コスメ系ブランドさんや百貨店系アパレルブランドさん、外資系ガジェットメーカーさんなどです🐷

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本記事の趣旨

在宅期間の長期化やYouTubeへの芸能人の参入などの影響により、YouTubeへの関心は非常に高まっています。
国内YouTuberの市場規模は、400億円を超え2022年には579億円に到達すると予想されています。(タイアップ収益やイベント、グッズ収益などから算出)

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参照|提案資料で使える数字・データ・グラフまとめ〜動画提案編〜

このように急拡大しているYouTube市場において、最も大きな金額が動いているのがYouTube広告です。
本記事では、クリエイティブ制作から予算の設定、その後の展開などYouTube広告に関わる全ての設計を行う「広告代理店(クリエイティブエージェンシー)」に焦点をあて、どの代理店がYouTube広告で存在感を発揮してきたのか、を明らかにしていきます。

計測方法

Google公式が毎年2回(半期に1回)発表している”Japan YouTube Ads Leaderboard”の上位10本のYouTube動画広告に携わった代理店を集計し、どの代理店が何回上位10本に入ったのか、という観点で計測します。

”Japan YouTube Ads Leaderboard”とは、YouTube動画広告の中から、国内における動画の人気(自然に発生した再生回数)とプロモーション(広告から発生した再生回数)を考慮して話題となった動画広告を半期ごとに発表しているものです。

参照リンク

Japan YouTube Ads Leaderboard 2016年下半期
Japan YouTube Ads Leaderboard: 2017 年上半期
Japan YouTube Ads Leaderboard: 2017 年 下半期
Japan YouTube Ads Leaderboard: 2018 年 上半期
Japan YouTube Ads Leaderboard: 2018 年 下半期
Japan YouTube Ads Leaderboard 2019 年 上半期
Japan YouTube Ads Leaderboard: 2019 年 下半期

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このようにYouTube動画広告のタイトル、クライアント、代理店が明示されています。

YouTube動画広告に最も携わった広告代理店はやはり・・・

早速ですが、集計結果の発表です。
上記2016年下半期〜2019年下半期にかけて合計70本のYouTube動画広告の担当代理店を集計した結果がこちらのグラフになります。

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第一位:株式会社電通
担当本数:30件(42.9%)

第二位:株式会社博報堂
担当本数:15件(21.4%)

第三位:任天堂株式会社(代理店をアサインせず自社完結?)
担当本数:2件(2.9%)

第四位以下:
※各社担当本数:1件
- 京王エージェンシー
- 東急エージェンシー
- ADK
- サイバーエージェント
- 日本経済広告社
- TYO
- デルフィス
その他多数

電通が主に担当するクライアント

広告代理店最大手の電通ですが、やはりYouTube動画広告でもトップを維持しているようです。
上記ランキングの性質的に予算額が大きいクライアントの動画広告を担当するものが上位に来やすくなっており、
今まではテレビCMに投下していた予算がYouTubeに動いてきているという背景を考えると、電通や博報堂が上位に来ることは必然と言えます。

電通がYouTube動画広告にて主に担当するクライアントは下記です。

- サントリー
- アサヒ飲料
- トヨタ
- PayPay
- グリコ
- 大塚製薬
- DOCOMO
- セブンイレブン
その他多数

博報堂が主に担当するクライアント

業界第二位の博報堂は、元々デジタルに強みを持っているという背景からYouTube動画広告の提案を積極的に行っている印象です。

博報堂がYouTube動画広告にて主に担当するクライアントは下記です。

- コカ・コーラ
- Y!Mobile
- PlayStation(ソニー)
- ユーキャン
- DOCOMO
- アサヒ飲料

上位2社の動向から見えてきたもの

電通・博報堂は多くのクライアントを抱え、予算額も他代理店とは比較にならない案件を担当しています。
テレビCMの発注が今だに多いという背景はありつつ、テレビCM素材をそのままYouTube動画広告として転用するのではなく、YouTube動画広告にはまるよう特化して作成したクリエイティブが多くなっているようです。

また、DOCOMOやアサヒ飲料については電通・博報堂の両者が過去に担当しており、部署ごとに担当代理店を変えているか、YouTube動画広告という新しい動きに応じて代理店を変えている可能性があります。

YouTube動画広告の今後

今まで広告業界を牽引してきた大手広告代理店が、引き続きYouTube動画広告分野でも大きな力を持つと予測されます。

とはいえ、ランキング4位以下を見ると京王や東急などの老舗交通系エージェンシー、TYO等の動画制作大手、プルークス等の新興動画制作会社がひしめいており、各社それぞれが如何に2020年代の動画広告の主導権を握るかを競い合っているようです。

電通博報堂記事

また気になる点として、リクルートやスクエアエニックスのように自社で動画広告の制作から運用まで実施する企業も増えていく可能性があります。

テレビCMと違い、YouTube動画広告は視聴数や視聴維持率、CV数など分析できる数値が多く、
高速でA/Bテストを実施、新パターンを生み出し続けることでPDCAを回転させまくる、ということが重要になってきています。

その場合、代理店と組むよりも完全インハウスで実施するほうがフットワーク軽くアクションできるという利点はあります。

YouTube動画広告という分野で主導権を握るために

大手代理店が覇権を握りつつ、弊社のような新興の動画制作会社が増加している中、生き残るのはどのような企業なのか。

答えは「データ」にあります。

YouTubeは広告を収益軸とするプラットフォームである以上、「いかに良質な広告枠をクライアントに提供できるか」を最重要視している、と考察しています。

そして、
「そもそも良質な広告枠を生み出すのはYouTuberやYouTubeCH」であるという性質を考慮すると、
- 質の高いYouTuberを知っていること
- 質の高いYouTubeCHを知っていること
- 自社でCHを運用し、Analyticsを常にチェック分析ができること

という3点がポイントとなります。

YouTubeが定義する「質の高さ」は、一般には公開されていません。
ですが、自社でCHを運用しているとAnalyticsから読み取れる傾向やユーザー反応の変化を分析することで、
どのような動画広告がより見られやすいのか、よりENGが高くなるのか、という問いに対する答えが自ずと見えてきます。

そのため、YouTube動画広告を検討しているクライアントは、代理店パートナーを選ぶ際には、「どの程度YouTubeに関するデータ・考察が溜まっているのか」を注視することにより、より効果の高い動画広告の制作が可能になります。

この記事を書いた人
ぶるとん🐷動画企画室|

https://twitter.com/bulltonofficial

株式会社ブルズとは|

動画を軸にしたプロモーションの企画、撮影、編集を行うデジタルエージェンシーです。2020年5月に南青山3丁目(エイベックスさんのビルの裏)にお引越しを行い、YouTube撮影やスチール撮影ができるスタジオを開設致しました🐷

動画制作やYouTube広告運用、YouTubeプロモーション施策のプランニングに関するご相談は下記アドレス宛にお願いします!

info@bullz.jp

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