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最近購入した、いくつかの本

稲垣足穂の本で最近入手したものがいくつかあるので、備忘録的に。
私は、タルホ本のコンプリートは無理なので諦めている。タルホ本で欲しいものは残り3つ。
それ以外はシコシコタイミングが合えばゲットする感じである。

まずは、初の電子書籍的な『タルホ・フーチュリカ』。
これはボイジャー社から1993年に発売された、電子ブック作品で、パッケージを開くと中にフロッピーディスクが入っている。
然し、中身を確認することが、私の手元にある機材では出来ず、ただ所有している、といったところだ。
未来派であるタルホにとっては、死後16年を経て発売されたこの作品には、
一等のオブジェ感を感じて好ましく思うだろうか。

装丁は羽良多平吉が担当している。超有名なデザイナーである。あの、伝説の自販機本の『HEAVEN』の装丁や、工作舎の本、それこそタルホ装丁をたくさん手掛けている。

この表紙、めちゃくちゃカッコいいなぁ。一足先に電子書籍っていうのが、タルホらしいよね。


フロッピーが収まっているってピー!


それから、雑誌類を幾つかゲットしている。そのうちの一つは『小説新潮』の昭和22年8月号だ。こいつは欲しかった本で、理由としては林忠彦の撮影した稲垣足穂の写真が掲載されているからで、これは40代後半くらい?のタルホ写真が掲載されていて、ネットでは観ることは出来ないし、恐らくこの雑誌以外では拝むことが出来ない。薬缶と映るアナーキータルホである。この写真が見たかったので、大枚を叩いた。

稲垣足穂、というとタルホ入道とか言われるように、写真検索ではハゲ爺さんが数多ヒットするが、これは晩年の70歳くらいのときにブームになったため、その辺りの写真が多く、その頃のイメージが強いわけだ。

有名な太宰の写真とか、坂口安吾のものとかある。別号だが。
この頃の小説新潮には林忠彦の撮り下ろし文豪写真連載があるのだ。


西巣鴨時代は美少年を侍らせ魔術師めいていたタルホだが、この頃の写真も数葉は書籍でも確認できるが、確かに、ある種の雰囲気を持った美青年で、タルホ入道とはイメージが違う。
その若き頃のタルホ写真が欲しくて購入したのが、文學時代の昭和四年十月号。特集コーナーで新時代の若手文学者たち、としてタルホも紹介されているのだ。

これもレアな雑誌で、ホクホク気分ではあるが、この頃がタルホの、まさに文學時代の最後の季節で、ここから40年、ほぼ中央から黙殺されるわけで……。

こういうのを狩猟していくのも大変なのよ……。なかなか見つからないしね。

で、最後にはあがた森魚さんの稲垣足穂10周忌の音楽会パンフ、『スターカッスル 星の夜の爆発』であるが、これはめちゃくちゃ欲しかったが、高額だったので断念していたところ、安いものを発見、即購入したが、然し、読み物ページは他の転用で既に読んだエッセイだけで拍子抜け。デザインは羽良多平吉氏。

重要な情報はなかったが、デザインセンスがウルトラ爆発しているので良し。

他には戦中の足穂の掲載誌を購入。これはウルトラレアな発見と思われるので、別の機会に。

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