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「宇宙にある何かを好きなところから好きな手段で計測し正確な結果を得られる機会を神から一回だけ与えられたら何をどこからどのように計測したいですか?」

とてもシンプルで、かつそこまで面白くない回答かもしれませんが、「宇宙に存在する星の距離」を一つ一つ測定してみたいです。例えば、我々にとって最も近い恒星は「太陽」ですが、太陽までの距離は約1億5千万㎞です。

太陽と地球の距離が分かると、「年周視差」と呼ばれる方法を使って、およそ1000光年程度くらいまでの星の距離を測定することができます。年周視差を用いた距離測定に関しては、以前、記事を書いたのでそちらを参考にしてもらえればと思います(*1)。

しかし、宇宙の広さを考えると、1000光年程度先までしか測定できないのは不便です。我々の住む天の川銀河は約10万光年程度の大きさなので、天の川銀河の大きさの約100分の1程度しか調べることができません。

では、より遠くの星の距離を測定するためにはどうしたら良いのか?1つは「変光星」を使う方法です。変光星とは星の明るさが周期的に変化している星のことで、この周期と星の明るさに関係があることを利用して、その星までの距離を測定することができます。こちらも以前、記事を書いたので参考にして欲しいです(*2)。あるいは超新星を用いると最大で100億光年先にある星の距離の測定も可能です(*3)。

この様に、宇宙ではいろいろな方法を使うことによって距離を測定します。これを「宇宙の距離はしご」とも呼んだりします。

さて、この様な方法で測定した星までの距離は本当に正しく測定されているのでしょうか?確かに、理論的には正しく測定できていそうな気はします。しかし、私達は宇宙に大きな物差しをもっていって星までの距離を測定することができないので、本当に正しい値になっているのか分からないのです。人類が頭を使って編み出した距離測定方法が本当に正しいのかを実際に測定してみて調べてみたいなと思うのです。

「たかが距離測定」と思う方もいるかもしれませんが、宇宙での距離測定はまさに天文学の歴史でもあり、とても難しいことなのです。


(*1)宇宙での距離測定①|云南きのこ老師 #note https://note.com/bukuro1029/n/ncc8920474e51?sub_rt=share_pw


(*2)宇宙での距離測定②|云南きのこ老師 #note https://note.com/bukuro1029/n/n5934cbdbd3ea?sub_rt=share_h


(*3)宇宙での距離測定③|云南きのこ老師 #note https://note.com/bukuro1029/n/n6461530ebea0?sub_rt=share_h

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