見出し画像

【レベル別】線形代数オススメ参考書10選

皆さんこんにちは。このページを開いてくださったということは、少しでも線形代数を勉強したいと思っておられる方だと思います。本屋さんに行くと線形代数の参考書っていっぱいあってどれから読めばいいのかわかりませんよね。少なくとも大学1年生の当時の私はそうでした。今回は私の経験(私は数学専攻の博士課程を卒業し、また、博士課程在籍中には社会人向けの数学専門塾で線形代数や微分積分を教えていました)に基づいて、個人的にオススメな線形代数の参考書をレベル別に紹介したいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

超初級レベル(中学・高校の数学が少しわかる方や文系の方向け)

①数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの(結城浩)

線形代数で一番大切なのが行列です。「そもそも行列って何?」という方にオススメです。行列の初歩から、意味や使い方など、簡単な場合について色々な視点から考察されています。中学・高校の数学が不安な方は同じシリーズの他の巻も読んでみると良いでしょう。

初級レベル(中学・高校の数学がある程度わかっていて、これから初めて線形代数を学ぶ方向け)

②意味がわかる線形代数&1冊でマスター大学の線形代数(石井俊全)

説明が懇切丁寧です。『意味がわかる線形代数』を読めば、文字通り線形代数の「良さ」や「意味」がわかるかと思います。範囲としては基礎的な内容しか取り上げられていないので、他の内容について知りたい方や計算練習などを積みたい方は、同じ著者が書いている『1冊でマスター大学の線形代数』を合わせて読むと良いでしょう。

③プログラミングのための線形代数(平岡和幸、堀玄)

グラフや図が豊富にあり、線形代数が応用面でどのように使われているのか、役立っているのかを垣間見ることができます。所々、初めて学ぶ人が疑問に感じる点についての解説があります。理論より、使い方を学びたい方にオススメです。

④線形代数30講&ベクトル解析30講(志賀浩二)

線形代数の大筋をつかむことができます。読んでいると、数学者のありがたいわかりやすい話を聞いている気分になります。ベクトル解析30講は主にはベクトル解析の話が書いてありますが、正規直交基底や計量空間、双対空間の話など、線形代数30講に載っていない線形代数の話も書かれています。

中級レベル(線形代数についてしっかり学びたい方や理系の方向け)

⑤線型代数(長谷川浩司)

序盤は2次行列で線形代数の大まかな流れを掴めるように書かれており、中盤の線形代数の一般論や、終盤の関連する話題についても内容が充実していて、隙が無い本です。これ一冊でかなり勉強できてしまいます。

⑥数研講座シリーズとチャート式シリーズの線形代数(加藤文元)

教養の線形代数の内容がほとんど網羅されており、文字通り高校生の時に使っていた教科書とチャートと同じノリで書かれている本です。いわば「大学受験勉強のノリで学ぶ線形代数」です。大学1年生にとっては一番勉強しやすいかもしれませんね。

⑦線型代数入門講義(長岡亮介)

元予備校講師でもある長岡先生が書かれている本です。誤植が少しあるので注意が必要ですが、とっつきやすくしっかり学べる本です。

上級レベル(線形代数について深く学びたい方や数学科の方向け)

⑧線型代数入門(斎藤正彦)

昔からの名著です。ジョルダン標準形や行列の解析の話まで書かれています。

⑨線型代数学(佐武一郎)

こちらも上に同じく昔からの名著です。テンソル代数の話まで幅広く書かれています。

超上級レベル(線形代数を一通り勉強し終わった方向け)

⑩線形代数の世界(斎藤毅)

「入り口」という言葉に惑わされて、初学者が読むと崖から突き落とされる気分になってしまうかもしれない本です← しかし、一度線形代数を理解した人が読めば、線形代数の理論を抽象的に整理して捉えなおすことができます。この本を読み切ることができたら、「線形代数を完全に理解した」と胸を張って言って良いのではないか(?)と私は思います。

以上、線形代数オススメ参考書10選でした。少しでも気になった本がありましたら、ぜひこの機会に読んでみてください。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

最後までお読みいただきありがとうございます。ご感想やご意見等ありましたら、お気軽にTwitterのDM(またはリプ)までお寄せください。よろしくお願いいたします。