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承認欲求と自己実現のハナシ

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。
ビルドはデザインやイラストの作業をメインにしている就労継続支援B型事業所で、スタッフも秋田以外はグラフィックデザイナーやイラストレーターとして活動しています。
イラストレーターのスタッフ二人は精力的に個人の活動をしていて、受注の仕事以外に個展を予定していたりも(!)します。
スタッフは、利用されている皆さんのロールモデルとなるべく、それぞれ好きなことをして生きています。

そんな中、秋田と代表は先週末、立体造形物のイベントワンダーフェスティバル2023夏(通称ワンフェス)にディーラー参加して来ました。

プロ、アマチュアを問わず、自分たちが腕によりをかけて製作したキットを持ち寄って展示・販売することにより、自分の造形力を世に問うことを目的としてはじまったのが『ワンダーフェスティバル』です。

この日だけしか販売が許可されない既存キャラクターのキット(いわゆる「版権もの」)、一品限りの造形物、各プロディーラーの新製品や限定品などが並ぶのも、当イベントの大きな魅力となっています(アマチュアが発表するキットなどは販売量がごく少量で、この日を逃すと永久に手に入らないものもあります)。

ワンダーフェスティバルとは

私たちもオリジナルのほかに当日版権の許諾を得て、既存キャラクターのグッズを作っていきました(代表が業務の傍ら夜なべして作りました!!!)。
ちなみにこの商品は、ネット記事に大きく取り上げていただきました(感謝)。

このワンフェスが終わったあと、定期的にSNSで登場する話題が「売れなかった」系エピソードです。今回は特に「売れる/売れない」論が目立ったみたいで、たくさんのディーラーさんがSNSで話題にしていました。
たぶん、様々な販売イベントで同様のことがあるのでしょうけれど、ワンフェスは当日版権システムを用いて版元に許諾を得てお金(ライセンス料)を払っているし、ガレージキット(自分で組み立て塗装をする模型・フィギュア)を作るのにはものすごく手間がかかるので、受けるダメージも大きいのかもしれません。

人気あるジャンルで業者抜きに出して作例も専門の人に頼んで~とか、売るために必死にやろうと思えばできることは色々あるんですけど。

仕事でもないのに、やりたくないこと必死にやって楽しい?

という。

コミケやコミティアに商業漫画家がサークル参加するみたいに、ワンフェスにはプロの造形師(仕事でフィギュアの原型作ってる人)もたくさん参加します。
一方で、ほかのハンクライベント同様、ワンフェスで販売することをある程度収入源にしていたり、仕事を受注する機会にしている人も大勢います。
とはいえ、あくまでもアマチュアの模型のおまつり。それがワンフェスです。(企業エリアではワンフェスに合わせて新製品のお披露目が多数行われ、お客さん含めてそちらが目的であることも多々あります)

売ることに必死になるのが本質なのか?というハナシです。

なぜ、こんなことを話題にしているのかというと、ビルドではイラストを仕事にしたい利用者さんが多く、実務案件を担当するほかにイラスト素材販売をしたり、個人で作家活動したりもしているからです。
そのとき、わかりやすい指標が「売れたかどうか」「SNSで反応があったかどうか」です。

このnoteで使っているヘッダーイラストも、都度 #みんなのフォトギャラリー に登録して他のnoteユーザーさんに使用していただいていますし、使われたら作者にお知らせしています。
皆さん自由に描いているのですが、それでも反応があると嬉しいし張り合いになります。

ただ
いつのまにか手段と目的が入れ替わって、「使われるために」絵を描いてしまう事態に陥り、反応は薄いとモチベーションが低下してしまうという側面もあります。
まさに本末転倒。
なんのために絵を描いているの?という状況です。

SNSでイイネが多くついたり作品が売れると、承認欲求が満たされます。

自分がやっていることを第三者に認められたと実感しやすいからです。

ちなみにマズローの欲求ピラミッドでいうと第4段階です。

できれば第3段階の社会的欲求が満たされている状態が望ましいのですけれど、近しい関係の人から受け入れられづらい代わりに他者から認められたい!と強く求めることもあるのかもしれません。
ですので、余計に売れなかったときの落ち込みが激しくなりがちです。


承認欲求に振り回されていると、いつのまにか創作が楽しくなくなっちゃうかもしれないな~とうっすら思っています。



私たちは物を作って売るとき、もちろん事業としてやっている部分もあるので収入は大きな目的のひとつではあるのですけれども、それよりもなによりも自己実現欲求の比重が大きいような気がしています。
自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きていきたい
という欲求は、第1~第4段階が満たされた場合に至る欲求とされています。

自分がイイと思ったものをカタチにしたい。
どこかのだれかに刺さればそれでいい。

という境地。

その前提には、メシのタネがあることで社会的欲求や承認欲求を満たしているとか、経済的に安定していることで生理的欲求や安全欲求が保証されているとかが必要だとは思うのですけれど。

ワンフェスに限らず、イベントで売れる売れないは他者の行動次第なので自分ではコントロールできないことです。
ココに振り回されると本当にしんどい。
自分たちでも活動しているからこそ実感を持って言えます。

それよりは、自分がほしいな、好きだなと思ったものを具現化できる喜びを実感できたほうがよっぽど豊かになれるはずです。
何度も言いますが、この境地に達するためには生理的欲求~承認欲求までが満たされていることが必要ですけれどね。


マズローの欲求5段階説・自己実現欲求・承認欲求・社会的欲求・安全欲求・生理的欲求

ビルドは就労支援機関なので、本来満たす対象は社会的欲求の部分なのだろうと思うのですが
利用者さんに目指してほしいのは自己実現欲求の部分なのだろうなと思いました。
そのために、第1~第4段階を満たしていく支援をしていきますよ!!!


今日のnoteヘッダーイラストはYOUさん(仮名)の作品です。
灯の表現や細かく描きこまれた書籍の背景などが魅力的ですよね。
これから秋に向かう時期に使いやすいかなと思いますので、よろしければヘッダーにご利用ください。


就労継続支援ビルドでは随時新規利用者様を募集しています。
イラストやデザインをやってみたいなと思っているけれどどうしていいかわからない皆さん、よろしければ一度、話を聞きに来てみてくださいね。


いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。