FGOにおける名探偵の不思議

◆たすけて◆この文章には「悪性隔絶魔境 新宿」「カルデアエース」及びアーサー・コナン・ドイル著の「シャーロック・ホームズ」シリーズ全般のネタバレを含みます。また内容は個人の独自考察と感想に過ぎないのでライヘンバッハ送りは勘弁してください◆キアラさま◆


 前回の記事を見直して、ホームズの考察というかエドモンの考察と型月世界の考察になってたので、今回改めて「FGOのホームズが好き」な諸氏(私も)のためにホームズについて思うままに書いていきたいと思った次第です。


①そもそもシャーロック・ホームズとは?

 今更感があるけど、あえて「原作でホームズが度々依頼人に対し、ワトソンの前で事件のあらましを語らせることに習い、改めておさらいする」。シャーロキアンにとっては「初歩的な事」なので読み飛ばしてもらっても問題ない。なお、以下「原作」とはアーサー・コナン・ドイル著の「シャーロック・ホームズシリーズ」を指すものとする。FGOはFGOって便利な略称があるし是非もないよネ!

 生没年不明。独身。家族関係は七歳年上の兄マイクロフト・ホームズ(頭脳明晰な会計監査官)以外は不明。ただし本人の弁によると先祖はイギリスの地主、祖母はフランスの画家の姉妹。大学時代「グロリア・スコット号事件」を解決し、探偵業を目指す。1881年にジョン・H・ワトソンと出会い、ルームシェアを開始。以降、顧問探偵として活躍し、海外にまでその名が知られるようになる。1891年にモリアーティ教授とライヘンバッハにて失踪。この時モリアーティは死亡、ホームズのみバリツ(※1)の心得があったため生還。三年間の間に兄マイクロフトの支援を受けながらモリアーティの残党狩りに腐心するが本人いわく「うまくいかなかった」。失踪から3年後にロンドンへ帰還。ワトソンやレストレード警部らと共にモリアーティ教授の腹心、セバスチャン・モラン大佐(※2)を逮捕。その後再び探偵業を再開。晩年はサセックスの田舎で養蜂を営んでいるが、1914年、60歳の時にイギリス政府の依頼でドイツ軍スパイの逮捕に協力。この直後第一次世界大戦が勃発。1926年(72歳)、「白面の兵士」、「ライオンのたてがみ」を自伝として執筆、発表(※3)。

 趣味は化学実験とバイオリン。バリツ、ボクシング、フェンシング、拳銃、乗馬鞭、杖など様々な戦闘術を会得している(※4)。金、名誉、名声に興味がなく知的好奇心で動く。再三にわたってナイトの地位を固辞しているが、一方でフランスのレジオン・ドヌール勲章を受賞。暇だとコカインをキメる悪癖がある。


②Fate/Grand Orderでのホームズ

 四章で名前だけ登場。バベッジの依頼で行動し、マキリ(※5)に悟られないように時計塔に資料を残す。六章のアトラス院で初登場。「私とワトソンの小銭稼ぎも役に立った」と発言。この時点でマリスビリーとソロモンが聖杯戦争の勝者であること、マシュに宿った英霊の真名、更にロンゴミニアドの正体を掴んでいる。最終章には登場せず。

 新宿にて再登場。主人公の信頼を円滑に勝ち取るためエドモン・ダンテスの姿を借りて行動。悪のモリアーティ(に化けたバアル)から主人公を救出。「モリアーティの存在が世間に与える影響を考慮し、ワトソンにモリアーティ関連の記述は可能な限り簡潔にするよう頼んだ」と発言。最終局面では味方として行動していたモリアーティの自己催眠が解除され、不意打ちを受け吸収されてしまう。事件解決後カルデアへとレイシフト。モリアーティとバアルの会話から残る魔神柱の残党は3柱であると伝える。また、これまで複数回にわたるレイシフトを行ったため副作用で霊基が弱体化しているとのこと。カルデアでも謎の薬物をキメてる。


③FGO世界における生前のホームズ(カルデアエース)

 ライヘンバッハの戦いの後、社会的に死を偽装していたエレナ・ブラヴァツキーと登山に赴く。このときバリツでキメラをぶちのめしている。ここで出た重要な事柄は以下の3つ。

1:生前に魔術協会とコネクションがあったが、ホームズとしてはモリアーティの「魔術を信じていない」という弱点を突くためだった。

2:魔術を利用したくない旨をエレナに述べている。

3:エレナから「ドイルを見習うべき」と言われており、アーサー・コナン・ドイルの存在が示唆されると共に、ホームズからも「私の活躍の伝達者」とされている。また、文脈からしてドイルは魔術に詳しいようである。


④謎の数々

 前述の通り六章でホームズが実在したことにマシュが大喜びした(かわいい)際、「私もワトソンの小銭稼ぎも報われるというものだ」と喜び、新宿では「ワトソンにモリアーティ関連の記述を控えるよう指示した」と述べている。しかしカルデアエースではワトソンとは別にドイルの名前が出た。マシュはホームズが実在すると思っていなかった(かわいい)ので、可能な限り矛盾のないように考えると

仮説1:ワトソンの記録、ホームズの2作をドイルが出版できる形に編纂した。

仮説2:事件の依頼者、被疑者、被害者に仮名を使ってない話も多いため、伝記が世に出ることでホームズ、ワトソン両名や事件関係者に累が及ぶ可能性を危惧したドイルが自身の名前で作品を世に出し、現実の出来事かフィクションかを曖昧にした。(※6)

仮説3:原作にワトソン視点、ホームズ視点でなく第三者の視点で書かれた作品が2つある(「マザリンの宝石」「最後の挨拶」)。この2作がドイル作である。

仮説4:上記仮説に加えて、史実のドイルはSF小説や歴史小説も手掛けており、心霊主義者だったためエレナと知己だった。

 現状ドイルについてはFGO本編未登場なので、上記のようなとりとめのない謎本レベルの考察をするぐらいしかないが、生前のホームズが登場したことで少なくともFGO世界ではホームズ(とワトソン)は存在したと言えるのではないか。既に実装されているエレナが一緒に出てきた事で説得力も増す(本当はエレナの話にホームズがゲスト的に出たんだけど)。

 ホームズや推理小説が好きな人であれば、既存の情報で仮説を立て、自分の読みが当たれば大勝利、外れればそれはそれで悔しく嬉しいものだと思われる。こと近年の推理小説はクライマックス前に作者が読者に「挑戦状」を突き付けてくる場合もある。すなわち作者と読者の勝負でもある。ただでさえ設定が複雑怪奇な型月作品だけに、「あの菌糸類の考えが、自分には読めた!」という喜びも大きいだろうから、考察はどんどんやっていくべきだと思う。ソシャゲだから急に軌道修正されたら全部水の泡だけど(台無し)


※1:相変わらず様々な説があるバリツだが柔術の分派説、レスリングの一派説、柔術をベースにしたホームズ我流の格闘術、ホームズのホラ話説などキリがない。一応柔術あるいはその派生説が主流とされている。

※2:Q.「射撃と猛獣狩りの達人で軍人でもあるモラン大佐が、なぜライヘンバッハで僅かな時間とはいえ無防備になっていた間に岩を一発も当てられなかったんですか」
   A.「きっと初代ポケモンのいわおとしは命中率65%だったのを知らなかったんだね いわなだれにするべきだったんだ」

※3:ホームズがワトソンの伝記の書き方をからかったところワトソンに「じゃあ君が書けよ」と言われ、いざ書いてみるとやっぱりワトソンの書き方が一番だと思ったとのこと。

※4:仮にキャスターってのが嘘で、実際は他のクラスだったとしても驚かない豊富なラインナップ。槍ではないが銛を持った回もある。

※5:マキリ・ゾォルケン。後の間桐臓硯。元は崇高な目的を持った魔術師だったが、500年間生き続けた結果精神が腐り邪悪になった。他人の不幸で飯が美味い愉悦部顧問。

※6:現実のシャーロッキアンのイタズラとして、詳しくない相手にホームズが実在の人物であるかのように話す、というものがある。
(例)「ホームズってあれだろ、小説の・・・」「小説じゃなくて伝記だよ」「そうそう 彼の功績を記録した文献だよ」「えっホームズってフィクションなんじゃ・・・」「何言ってんだ フランスで受勲もしてるんだぞ」「まあ世界史で探偵は扱わないから無理もないか」


おまけ:新宿のアーチャーがモリアーティ教授とわかるまでの悪戦苦闘の記録

初期(ビジュアル、キーワード公開)
●事件ものといえばホームズ出るでしょう そしてこの老紳士モリアーティ教授か?でも原作で描写少なかったしな 強敵度と悪辣さなら恐喝王ミルヴァートンでは

●コナン・ドイルは歴史小説を書きたかったからホームズを疎んじるようになったし、一度はホームズをライヘンバッハで死亡させた事にしたので出てもおかしくはないな

●キーワードの犯罪紳士が気になる 怪盗紳士アルセーヌ・ルパンはホームズと(勝手に)対決したしその線もあるかも

中期(アーチャーであることが公開~新宿実装)
モラン大佐。


末期(新宿を実際にプレイ)

●あっ・・・教授でしたか・・・お疲れ様です・・・(なおダブル・クロスと自己催眠、バアルの変身によるトリックには、ついぞ気づかなかった模様)


◆ひどいよ◆推理や予想が外れても強く生きてほしいし 他人の予想が外れてもプギャーとか言うべきじゃないし 悔しくなんかないし◆キアラさま◆


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