ほめて育てる?しかって育てる?
「褒めて育てるのがいい」と言われるようになって、久しいですが、本当にそうでしょうか。少し考えたいと思います。
褒めるも叱るも方向性を示すもの
褒めることによって、その行為はいいことだよ、もっとやろうね
叱ることによって、その行為はいけないことだよ、やめておこうね
と、示すことができます。
ですから、子育てをしていく中には、褒めることも、叱ることも両方必要だと思います。
褒めなければ、良いことが分からないし、叱らなければ悪いことがわからないからです。
褒められるからやる、叱られるからやらない、にならないように
人を動かすのに、褒める方が叱るよりも効果が高いと言われています。
なので、やって欲しいことがあるときは、言う方も言われる方も気持ちがいいし、褒める方が効率がいいと思います。
しかし、褒められるために行動するのでは、褒められないとしないことになってしましますし、大人の顔色をうかがって行動するようになるかも知れません。
例えば、「掃除してえらいね」よりも、「掃除したから、綺麗になって気持ちいいね」という。
褒めるというより、「価値づける」と言えるかも知れません。
他人からの評価ではなく、自分の中の価値が高まるといった伝えかたが大事だと思います。
「正直に話したらスッキリするね」「人に優しくしたら自分も嬉しくなるね」「頑張ったからできるようになったね」など。
その後に「お母さん、それを見て素敵だなと思ったよ」「頑張ってるのが伝わってきたよ」と感想を付け加えるといいのではないでしょうか。
叱るときは、理由とどうすればよかったかをセットで伝えることが大切だと思います。
おもちゃの取り合いで友達を叩いてしまったら、「叩いたらだめ」だけでなく、「おもちゃで遊びたかったんだよね」「叩いたから、お友達は痛かったよ。もしかしたら怪我をするかも知れないね。叩くのは良くないことだね。」「喧嘩せずに遊べる方法知ってるかな。」そして、相手がある場合には必ず謝らせる。
落ち着いて子どもの話を聞いた後、「どうする?」と聞くと、大体の場合「謝る」と、子どもが自分から言います。すぐに謝れないときは、時間を置いて落ち着いてからでも必ず謝らせるようにします。自分の非を認め謝罪することは、本人の成長にも大切ですし、人とのコミュニケーションでも大切なことだからです。
こんな風に褒めたり叱ったりするには、心の余裕が必要です。こちらがイライラしていると上手に話せなくなるからです。
私はイライラしてもいいと思っています。大人だってイライラするんです。
こんなことしたら、相手がイライラするんだと知るのも大切なことです。
ただ、本当に分かってもらいたいことは落ち着いている時に話した方が心に響くと思います。
「さっき言いたかったのはこういうことだったんだよ」と、後からでも話すといいと思います。
そして、価値づけは、何も起こってない日頃の生活の中で行うのがいいと思います。
アニメを見て「こんなことをしたら相手が悲しむよね」とか、ニュースを見ながら「これは犯罪だからしてはいけないよね」とか、「こんなことされたら嬉しいよね」とか。
自分に直接関係ない時の方が行動に対する価値を受け入れやすいと思います。
子どもはたくさん褒められてたくさん叱られて、たくさんのことを学んでいくのだと思います。
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