アキレス腱断裂 保存か手術か メリットデメリット

前十字靭帯のリハビリを終え、体の動きがよくなった私は、ランニングをしたり、縄跳びの二重跳びに挑戦したり、バドミントンで遊んだり、楽しく運動していました。あの日もレクリェーションでバレーボールをしていました。
前十字靭帯の手術をしてから3年後です。

アキレス腱切れた

職場の昼休み、楽しくバレーボールで遊んでいました。
やっているうちに、体も温まり、動きがだんだんよくなってきました。
「お、アタックがくるぞ。」と前にでた途端、パンっと音がしました。
「あれ?なぜ後ろにボールが当たる?」
でもボールは前に落ちています。
ボールは当たっていません。パンっというのはアキレス腱が切れた音でした。
周りのみんなに聞こえたそうです。
アキレス腱は切れても痛くないと聞きますが、とても痛かったです。ふくらはぎの肉離れも同時に起こしていたようです。
「あー切れたな」すぐに自覚しました。

みんな大慌てで冷やしたり、病院に電話したりしてくれました。
そんな中「年甲斐もなくバレーボールとかするからよ」と言った人がいました。
悔しかったです。その通りだから。
怪我をしてからスキーもバレーボールもやめました。
だけど「年甲斐もなく」チャレンジはしていこうと思っています。
歳だからこそ、残りの時間の大切さに気づくわけです。やりたいことはやってみたほうがいいのではないでしょうか。
怪我には充分気をつけて、無理はしないで、チャレンジします。

病院へ

私にとっては緊急事態でしたが、病院にとっては普通事態のようで、普通に何時間も順番待ちをして診察でした。
動きのテストとエコーでアキレス腱が切れているのはすぐに診断されました。
その日は固定して帰されました。

保存か手術か

それまでアキレス腱の断裂は手術でしか治せないと思っていたので保存で治療できると知りびっくりしました。
・運動できるまでの期間は手術の方が早い。
・再断裂の割合は手術の方が少ない。
・手術は手術のリスク(麻酔・感染)がある。
という説明を受けました。

早く治る・再断裂の可能性が少ないのは魅力です。
しかし、前十字靭帯の手術が痛かったのを思い出すと、二の足を踏んでしまいます。
どうするか悩みました。

ところが、2ヶ月後に野外での活動があることを伝えると、
「あー感染のリスクがあるから手術はできんね」と先生に言われ、あっさり保存が決まりました。

固定

切れた腱がくっつくようにつま先立の状態でギプスで固定します。
松葉杖で移動します。
痛みはありません。
これでくっつくのか?と心配になりますが、くっつきました。すごいですね、体って。
徐々に踵の高さを低くしていきます。
5〜6週間ほどで装具に変わります。
装具は2ヶ月ほどつけました。

リハビリ

ギプスが外れてから徐々に動かします。
つま先を動かすことから始まり、タオル掴みや踵の上げ下ろしなど、少しづつ負荷をかけていきます。
主にふくらはぎあたりを鍛えるので、息が上がるような筋トレはしていません。
マッサージはやっぱり痛かったです。
筋と脂肪を剥がすって言っていたような。知らずに受けたら「ぎゃー」と叫ぶレベルです。

生活

一番大変だったのはお風呂です。ギプスの時は濡れないようにするのが大変でした。ゴミ袋を履いてラップを巻いてその上からタオルを巻いて入っていましたが、専用グッズを買ってからは楽でした。これはおすすめです。

左足だったので車の運転ができたのは助かりました。

ヒールのあるギプスで歩いたり階段を登り降りしたりするのは大変でした。

保存治療のメリット デメリット

メリット
◯仕事を休まなくてよかった。
 入院がないので仕事は休みませんでした。松葉杖のため、できない仕事は代わってもらいました。
◯痛くなかった。
 手術がないので痛くありません。怖くもありません。入院もありません。その分の費用もかかりません。
◯結果的に再断裂をしていない。
 普通の生活にちゃんと戻れました。

デメリット
◯運動ができるまで時間がかかった。
 完全に復帰となると6ヶ月かかっています。もっと早い人もいると思いますが、手術よりはかかると思います。
◯どうしても戻らない動作がある。
 PTさんが「手術ではちゃんと長さを決めて腱をつなげるけど、保存だとやってみないと長さがわからない。人によってはゆるくなることがある。」そのせいかどうかは分かりませんが、爪先立ちの一番高いところができません。たくさん筋トレしましたが、そこだけ戻りませんでした。普通の生活には何の支障もありませんが、ダンスには大いに支障がありました。

スポーツに早く復帰する必要がない。日常生活ができれば良い。という人は保存でも問題ないと思います。
自分の足の状態、生活の状態を考えて、復帰までのスケジュールやリスクなどしっかりお医者さんと相談してください。実際にリハビリに携わっているPTさんの話も聞けると参考になると思います。

思ったこと

ギプスで階段を上がるときにはたくさんの人が手助けをしてくれました。松葉杖だと荷物が持てないので手助けがあるとほんとに助かりました。
その中で私と同じスピードで歩いてくれる人がいました。その人は自然と同じスピードで歩いてくれたようです。待ってくれている感じではなく、一緒のスピードになれるって素敵だな、と思いました。

松葉杖だと一人での外出は大変です。バリアフリーが進んで欲しいと思います。

手すりの必要性
お風呂に入るときは装具を外します。でも始めは歩くのがおぼつきません。滑って再断裂したら大変です。手すりが必要だなと感じました。
でも、まだ自宅のお風呂にはつけていません。今から家を建てる方、リフォームする方は怪我をしたことを想定して手すりをつけておくことをお勧めします。


アキレス腱の断裂を絶対に回避する方法はないそうです。もちろん準備運動や日々のストレッチは大切でしょうし、リスクを下げると思います。
しかし、ちゃんとケアをしているプロのアスリートでさえ切れるのですから、切れる時は切れる。誰のせい、何のせいと思っても仕方ないと思います。
手術でも保存でもちゃんとくっついてくれるので、前向きに治療できたらいいなと思います。





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