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私と彼のこと(677)-夢みる小学校-

妻(彼らの祖母)と、映画『夢みる小学校』を鑑賞してきた。

メインモチーフの、きのくに子どもの村学園・南アルプス子どもの村小学校・中学校には、私の勤務園の卒園児も何人か入学している。
学園長・堀真一郎先生は、何度も園に足を運んでくださったことがあるし、創始者・塩川豊子の著書に祝辞を贈ってくださってもいる。

そんな縁浅からぬ小学校を舞台にした映画なのに、当初は県内での上映予定がなかった。
折あしく新型コロナウイルス感染症の流行状況が悪化していたので、都内に足を運ぶことも憚られた。
少し、時間は経ってしまったが、県内での上映が始まり、観に行くことができてよかった。

映画としての出来不出来をここで語るつもりはない。
きのくに子どもの村学園の実践が素晴らしいことは、現地でこの目で見てよく知っている。
伊那市立伊奈小学校、世田谷区立桜丘中学校の取り組みも、ぜひ全国に広がって欲しい内容だった。

でも、幼稚園・保育所・こども園関係者が、この映画を観て、南アルプス子どもの村小学校の子どもたちの活動を、自園の子どもたちに模倣させようとするのは危険だと思う。
就学前の子どものたちに必要なのは、あの小学生たちが「生活の中で触れ、興味・関心を持ち、自ら課題解決のために思考し、協働していく」ことで示した『学びに向かう力』の基盤を築く、さらに奥深く生活に根差した探索活動(いたずら)だ。
そこを取り違えて、表層的な模倣を行うのであれば、それはいわゆる「早期教育」と同じような危険をはらんでしまう。

N君とS君にも、家庭における生活を通じて、ごく当たり前に出合い、触れ、関わり合えるモノ・ヒト・デキゴトに対して行う探索活動(いたずら)を、とことん許容していきたい。

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