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『霞ヶ浦を徒歩で一周』2017年11月7日(火)4日目

 《行方市麻生小高干拓~稲敷市浮島エリア》 

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 昨夜は三日ぶりのお風呂に入って、布団で寝るのだからさぞかし良く寝られるだろうと思っていたが、それがなぜかあまり良く眠ることができなかった。僕は仕方なく布団から這い出して、湖畔側の窓のカーテンを開けた。午前5時、外はまだ薄暗かった。

 リュックの中の荷物を一旦全て外に出し、今日と明日の残りの二日間で使わなさそうものを分けてパッキングした。そして、両足に貼った湿布薬を張り替え、着替えをしていると電話が鳴った。

「もう起きてた?着いたよ」

「ありがとうございます。今すぐ行きます」

 忘れものが無いか再三確認して、僕は部屋を出てた。寝起きのせいなのか、足が思うように動かず、手すりをつたいながら玄関までの大階段を降りた。外に出ると、朝の霞みがかった空気が広がって吐く息が真っ白だった。

「おはようございます。朝早くからすみません」

「おはよう。じゃ、行こうか」

 僕は荷物を車の後部座席に置いて助手席に乗り込んだ。途中のコンビニでコーヒーと朝食用のサンドイッチを買い、昨夜ピックアップしてもらった小高干拓の北側の入り口まで行き、僕はそこで降ろしてもらった。午前6時20分、幸二さんに見送られて、4日目の再スタートをした。

 小高干拓を南に向かって行くと、右には霞ヶ浦、左にはすでに刈り取られている水田があった。そこに朝陽が差し込み、枯れかけた稲の残り株を黄金色に染めていた。

 人も車も、まだほとんど通らない小高干拓の湖岸道をしばらく歩いて行くと、無数のカラスとトビが集まっている場所があった。そこはまるで、彼らの朝の集会場の様だった。その光景を目の当たりにした僕は、通り抜けて行くことに躊躇した。なぜなら、彼らの集会を邪魔するようで申し訳ない気持ちになったのだ。

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