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気になる統計 消費者物価指数 東京都区部 2021年(令和3年)1月分(中旬速報値)

2021年1月29日に総務省から「消費者物価指数 東京都区部 2021年(令和3年)1月分(中旬速報値)」が公表されました。①総合指数の前年同月比は0.5%の下落で前月比(季節調整値)は0.5%の上昇、②生鮮食品を除く総合指数の前年同月比は0.4%の下落で前月比(季節調整値)は0.6%の上昇、③生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数の前年同月比は0.2%の上昇で前月比(季節調整値)は0.6%の上昇でした。

総合物価は前年同月比では依然マイナスですが前月比では大きく上昇しています。前年同月比は生鮮食品を除く総合(コア)がマイナス0.4%で生鮮食品とエネルギーを除く総合(コアコア)がプラス0.2%なのでエネルギー部門でマイナス0.6%となっていることが分かります。エネルギー部門は外的要因ですから国内要因的にはプラスの物価上昇がエネルギー価格の影響で打ち消されてマイナスになっているのです。

前月までは国内的には天候要因で野菜価格が暴落していましたが今月はそれは落ち着きむしろ前年同月よりわずかに上昇しているようです。他方、生鮮食品では果物や魚の価格が下落しておりこれはGo Toキャンペーンの停止に伴う外食と宿泊における高級食材の売れ行き不振の影響があるのではないかと思われます。これがコアのマイナス0.4%に上乗せされて総合の前年同月比がマイナス0.5%となっているのです。

コアコアに関してはGo Toトラベル停止の影響で宿泊料が対前月プラス40.4%になりました。それでも前年同月比はマイナス2.1%なので要すれば割引がなくなって普通に戻っただけです。これがコアコアの前月比が大きくプラスに転じた主な要因でしょう。

相変わらず物価は天候と政策に振り回されていますがこの一年を通じて物価下落の基調はエネルギー価格の低下でありコアコアでは政策の影響を除くとむしろわずかにプラスでした。1月はその傾向がはっきり表れた形になったようです。【公表資料から電気代、ガソリン、生鮮食品を除く食料価格の1年間の推移を引用】

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