元気の素は夜明けのコンビニ

ただ、レジで金払うだけでも、
"暑いね、気を付けてね"って声をかけてもらえるだけで
なんだか、がんばろ!って思うんっスよ。

何年も朝ごはんを買いに寄っていた
コンビニの店員の「おばちゃん」がいなくなってから
車でみんなで現場に向かうときに、
必ず立ち寄っていたコンビニを変えたらしい。

朝の5時半から6時台のコンビニは、
現場仕事の人やトラック運転手さんたちで混雑している店舗が意外と多い。
彼らは、朝ごはんと昼ごはん・飲料やたばこなどを購入するので
一人当たりの単価は、都会のオフィス街のコンビニより高いのではないだろうか？

もちろん、帰りも、顔なじみの店員のいるところで
ビールやつまみを買うもいる。

「不思議なんっすけどね、
会いたくなる店員さんって若いきれいなお姉ちゃんじゃないんすよ。
おばさんっつか、おばあちゃんぽい人なんっすよねぇ。
ま、朝の早い時間だから若いねぇちゃんはいないのかも（笑）
何か月か通ってると、そういう人は
タバコの番号覚えてくれてたりするんっすよ。
他にも、買うものを覚えてくれてて
いつも買ってる弁当に、健康ドリンクつけてるとね
”あれ、無理しちゃだめだよ”っていってくれることもあれば
”今日は、仕事大変なの？”って聞いてくれたりするんっすよ。
きっと俺の顔色とかも観て、声掛けしてくれてるんだろうな・・・

この間も、
”最近お兄さん、熱いのにやる気がみなぎってるね！”
って言ってくれたから思わず
現場責任者になったんで、頑張らんといかんのですよ
な～んて、給料あがったことちらっと話したりして（笑）
そしたら
”お兄さん、まじめだからね。そりゃ、上司の人見る目あるわ”って。
ひとりで歩いてたら今でも歌舞伎町で職質される俺に、
そんなこと言うんすよ。
真面目に見えるんじゃ舐められんようにしないと、
なんて冗談って言ったら、
"だって、この間もうちの若い子が外のゴミ箱の始末してた時に
風で飛んでったら、お兄さん、拾ってくれてたでしょ！
ついでに、駐車場のゴミまでひろってくれててさ。私見てたよ。"
って。

もうね、そこのコンビニいくしなかいっしょ。（笑）
おばさん、辞めてからめちゃくちゃさみしくなって
それは、一緒に行ってる若いヤツも同じで。
で、今、コンビニ放浪者なんっすよ・・・」

いってらっしゃい、おかえり
そして自分のことを見てくれている人がいる。

その瞬間、仕事のきつさも、イヤなことも
忘れられる。

機械化されて無人コンビニが増える中で
Nさんのエピソード話に、人のチカラを改めて胸に刻んだ。