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私のホラーな話1 このシルエットは! 

 こんにちは。kasanaと申します。
 今回は、まだ私が独身のときに実家のリビングで体験した心霊体験を書いていきたいと思います。我が家のリビングの扉は、すりガラスの引き戸となっておりまして、その扉の向こうには廊下があります。そのため誰かがその廊下を通ると、すりガラス越しにぼやーっとシルエットが見えるので誰が通ったかわかるといった感じです。
 その頃の私は、満島ひかりさん主演のドラマにドはまりしておりまして、毎週楽しみにリアタイしておりました。確か夜の10時からのドラマだったと思います。我が家は自営業をしており、両親共に朝が激早なため、
夜の10時になると私以外の家族は全員自室で熟睡しておりました。
そのため私一人でテレビに向かっていました。おまけにその日はそのドラマの最終回です。めっちゃくちゃ楽しみにしながらテレビの前にいました。
 そのドラマは涙無しでは観られない感動作だっため、私は開始10分で泣き始めました。しかしドラマに集中しているにもかかわらず、視界の右端に何か黒いものがちらつきます。その右端には例のすりガラスの引き戸があります。「?」と思い、すりガラスを見ましたが何もありません。気のせいかと思い再びドラマに集中しました、が、やっぱり何かちらつきます。
「なんだよ!」と思い再びすりガラスを見ると、すりガラスではなくその上の壁に一瞬、黒い靄のようなものが見えました。「えっ!?」と思っていると、その黒い靄が壁の中に吸い込まれ、そのすぐ後、すりガラスにひょこっと

真っ黒い人影が現れました。

この「ひょこっと」という表現ですが、お茶目な人がひょこっと顔を出すみたいな、芸人の「ひょっこりはん」みたいな感じに真っ黒い人影がお茶目にひょこっと現れました。その真っ黒い人影は1~2秒、私の方を見た後、またひょこっと顔を引っ込めました。
 一瞬思考が停止するくらい驚きました。普通すりガラスの向こうに人が立つと、肌の色や服の色などが見えるのですが、真っ黒い人影は漆黒でした。
 もうこうなるとドラマどころではありません。大慌てでリビングの明かりを消し、自室に向かおうとしましたが、トイレに行くのを忘れているなと思い、トイレに行き、自室のベットに潜り込みました。少し落ち着き、真っ黒い人影のことを考えました。
「あの真っ黒い人影のシルエット見覚えがある。あれは死んだお爺ちゃんにそっくりだ!」
そうなんです。あの真っ黒い人影のシルエットがまんま死んだ祖父でした。その上祖父は生前私によくこう言っていました。
「死んだら出たるからな~。」
と。有言実行したわけです。
お陰でドラマの最終話を見損ねました。

 あとから知ったことですが、真っ黒い人影の幽霊って良くないものらしいです。どうしたんやろ、おじいちゃん。成仏してへんのかなー・・・。

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