備忘録 22-11-04
小人の過(あやま)つや必ず文(かざ)る
――小人之過也必文
『論語』
「文る」とは、表面を取り繕う事である。だから、「小人は、失敗をやらかすと、取り繕うことばかり考える」となる。孔子の弟子の子夏(しか)という人物が語ったことばだという。
「文る」ことがなぜまずいのか。第一に、どうしてこんな失敗をやらかしたのか、その原因を究明しようとする姿勢に欠けるので、二回、三回と同じ失敗を繰り返す恐れがあること。第二に、失敗したことに対する反省がないので、人間としての進歩も向上も期待できないことだ。
むろん君子にも失敗はある。しかし君子はかりに失敗をおかしても、気づいたら即座に改め、常に反省を怠らない。だから、同じ失敗を繰り返さないのだという。やはり孔子の弟子に曾子(そうし)という人物がいるが、この人は、「吾、日に三たび吾が身を省みる」と語っている。われわれも、月に一回ぐらいは、「吾が身を省みる」ことがあってもよいのではないか。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日がんばりましょう。
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