Jimin【Set Me Free Pt.2】釜山の男子を怒らせるとこうなる
パクチー(以下パ):はいっ!という訳で。今日はですね、パクチーの脳内スタジオ、脳内ラジオステーションにですね、脳内ジミンさんをお招きしました〜〜〜!!
ジミン(以下J):………。ふふっ。
パ:この曲はご本人に直接訊いたほうがいい、訊くしかないと思いまして。
J:……。
パ:…なんか、ちゃんと協力してくださいよ!
J:……だって、これ…なんか変だもん………ふふっ!
パ:あの、そもそも歌の歌い出し、「え!え!これジミンちゃん!?」って、今まで聴いたことのない感じの声にものすごくびっくりしたんですけど…そもそもこの曲、すごい数の種類の声…1、2、3、いっぱい、わたし1、2、3いっぱいしか数えられないので、……7、七色でいいや、七色のボイスでしたよね?
J:七(笑)。
パ:これ、こんなに色んな声用意してたんですか?だって、だって、テヤンさんとコラボした時、そんな、違うバリエーションの声、おくびにも出さなかったじゃないですか!
J:…ふふふっ!
パ:まさかリリースまで隠してたんですか……?
J:ふふっ!────当然!
パ:しかも安定感半端ないというか…全く危なげない。わたし最近副鼻腔についてnote書きましたから、大分感度上がってるんですよ。以前までの発声が強化されたとかいうレベルじゃないですね。まるで別次元ですよね!?これ、かなり前から用意してたんじゃないですか?
J:そうかな。そうかも。あんまりメンバーとの曲で使うタイミングがなかった。
パ:わたし、結構前にジミンさんの声についてnoteを、ほら「まだ自分の声を探してる」って言ってた時あったじゃないですか。あの時の発言が、この曲に繋がるのか…って、びっくりしてますよ。今。
J:あの頃既にやってた、かなあ。本当はソロ活動が、始まってたかもしれない時期。 ところで、曲どうでした?
パ:え。曲ですか…?
J:曲。
パ:なんと言うか…ことごとく全部の要素が、「知ってる感じ」から少しずつ、全部ズレてたんですよね…。群舞。コレオ。ボーカル。曲想、あるいはジャンル。「…これは…なんだ…?!」って感じが、だから腑に落ちる、この全体の感じに慣れるまでに時間がかかりました、が、
J:うん。
パ:歌詞を自分で翻訳したら、全部腑に落ちました。最初YouTubeで見た時は、すごい、言ってるじゃないですか、Fワード。「わ、ジミンちゃん、めちゃめちゃ怒ってる……!!!」と思って。「どこの腐れ野郎か知らないが、ジミンちゃんが本気で怒るとこうなるのか…こわっ!!」って最初思ったんですけど。
J:あははっ!
パ:これ、自分に言ってたんですね。
J:僕、人に怒ったりしませんよ〜〜!
パ:そんなこたぁないでしょ。
J:怒らないけどなあ。
パ:ええ〜〜?じゃあ、ほんっっっっとうに頭に来たときは、どうするんですか?
J:なぜそうなってしまうのか、話をします。
パ:そうですか…。じゃあガチギレするのは、自分に対してだけなんですね…。じゃあ、ここからは一緒に、歌詞を見て頂きたいと思うんですけど。お願いします。
J:うわ〜歌詞ですか〜〜。
パ:これ、「ヒョン〜〜曲が書けません〜…!」っていうのを、とても丁寧に構築した、歌詞、というように見えるんですけど。
J:ぷっ…!あはっ!
パ:RMさんの詩とまるでタイプ違いますね…。
J:並べないでよ〜ヒョンは無茶苦茶なんだから。
パ:RMさんは本当すごいですよ。これ、というかこれ、この歌詞にどうしてあの重厚な曲想が乗ったのか、あの重厚感半端ないコレオが成ったのか、むしろ逆に、結構不思議なんですけど。
J:どっちかって言うと、コレオでやりたいムードがあって、それが成立するオケをアレンジをしてもらったんです。HYBEの作曲チームは優秀なんです。
パ:ジミンさんのルーツの舞踏の雰囲気もちょっとあって、やっぱり舞踏の色は入れたかったですか。
J:舞踏のニュアンスを、舞踏に見えない違う文脈に消化して入れたかった。んだけど、舞踏の感じあった?
パ:わたしがバレエやってたので。あの皆さんの衣装、Chacottのシャカパン(サウナパンツ)みたいに見えて親近感あるんですよ。あと、皆さん髪型が、すごく要素を減らしてましたよね。黒髪で一つ結びorそのままか。髪型で個を主張しないようにして、とにかく身体が主体っていうのが、舞踏の世界観を引き込んでる感じがしました。ロングヘアーの下ろしているのも、髪が表現の一部を担ってて良かったです。というか、ダンサーさん無茶無茶ダンスのレベル上がってますよね!ダンサーさんたちに舞踏を含めて、いろんなジャンルを学んでもらおう、みたいなことがあったりするんですか。
J:うん。
パ:j-hopeさんのMAMAあたりからそう思ってるんですけど。結構前からですか?
J:多分HYBEになった頃あたりじゃない?
パ:舞踏やバレエって、踊りを、舞台でライブで見せて完成じゃないですか。あのMVは場面転換がない。空間の力で場面転換するんじゃなくて、初めから終わりまで全部、ダンサーの表現力で構成し切って見せる潔さ、みたいなところも、舞踏の人ならではという気がしました。矜持を感じましたよ。終盤、ジミンさんが持ち上がって、皆んなが手を上に差し上げるところも、まんまバレエの手だったし。
J:あの画、僕好きです。
パ:ヘネシーがお好きなんですか。
J:お酒が好きです…。
パ:創作に行き詰まって、飲んだりするんですか?
J:自由な発想になって、何か出てくればいいなあ〜と思うんですけど、飲んだって何か良いものは出てこないです(笑)。ただ美味しいだけ。焼酎でも良いんですけど、あそこに「焼酎」って出てきたら可笑しいでしょ。
パ:!!……すごくおかしい…!!!
J:はははっ、面白…(笑)。
パ:歌詞の続き見ましょうか。
パ:ここでBTS【ON】の歌詞の一部とか、j-hopeさんの【on the street(with J.Cole)】にも「蝶」がありましたが、ジミンさんのルーツはBTSにあるということを明示する歌詞があることで、ジミンさんが「BTS」をどう思っているのか、感じられるような気がしました。
J:ほ〜、僕は、BTSをどう思ってると?
パ:このソロはチームに還元されるためのものだ。そして、ソロという孤独な道行に、「BTS」に対して持ってる誇りは、ランタンのように気持ちを導いてくれるんだなあ、と、そういう気がしました。
J:ほお〜〜〜〜〜。
パ:ここのコレオ、歌、すごく胸に迫ります。リフレインとか。…っていうか、ダンスがかっこいいとか、どこがかっこいいとか…そういうの、ないんですけど!全部が!振り切れてるので!何か!わたしが分かる範囲を、言語になる感性の範囲を超えてるんですよ……!……食育みたいに、このレベルのものを見続けてたら、ちょっとずつ育って、そのうち何なのか分かるようになりますかね?半年後くらいに。
J:あははっ。変なの。
パ:わたしは変ではないです…………………悔しい。
J:うれしいな!
パ:一つは、群舞のコレオと、ジミンさんのダンス、スタイルが別物になってますよね。群舞はシステマチックというか、若干の没人間性、無理矢理筋肉を力一杯動かされてるような、でもパワフルで一途なのが切ないというか。ジミンさんは、無理的な感じより、ふわっとしてる。真逆のベクトルなんだけど、どうしてこんなにマッチして見えるんでしょう。群舞もあまり見たことがない感じのダンスだったので、このコントラストが、わたしの処理能力を超えたんだと思います。うん。
J:僕、お花にいっぱい囲まれてるのが好きなんです。
パ:…ああ!!
J:綺麗で、健気に生きている美しいものにいっぱいに囲まれて、その上で僕の華が引き立つのが好きです。
パ:う、わ……!なかなか、なかなかなお人ですね!!!!
J:照明も映像のカラー調整でも、モノトーンに近い感じにしたし、僕も皆んなとほとんど同じ色に見える衣装にしたので、ちゃんと存在感を出せるように、そこは一生懸命努力しました。
パ:そうですか…。いや、確かにそうです。プラクティス動画も見ましたが、確かにあちらの方が、楽な気持ちで見れました。MVはせめぎ合いが、ものすごい高度な戦いがバチバチスパークしてた訳ですね。
パ:ここ、オートチューン(別名「ケロケロボイス」と一部で呼ばれていた)のシークエンスですね!一時期、皆んな使いましたね。懐かしい。でもなんか新しい文脈っていうか、新鮮でした。コーラスの言葉は「エネミー」ですか?これもジミンさんのオートチューン声で入れてますよね。ジミンさんの声、すごいオートチューンかけると化けますね!映える!
J:へへっ。やっちゃったっ。
パ:だからこの、オートチューンの声も合わせると、どれだけの声色かという。
J:七色でしょ(笑)。
パ:ひとりでBTSやっちゃうつもりですか。一人の声だけでアンサンブル作れちゃう…こんなに幅広いオーケストレーションが作れてしまう…。その上、作詞だあ?作曲だあ?ダンスはカウンター振り切ってるし…7人でやってたこと、まるでひとりでやってるじゃないですか!これ、どういうことになっちゃうんですか…?!ポテンシャル極まりすぎだよおおおお………。
J:お〜。泣かないで〜。
パ:むしろ歌詞が込み入ってないから、いろんな種類の声を制限なくのびのびと爆発させられたんですかね。自分の言葉だから感情も乗せられるし。嘘なく全部ストレートに発揮できる。
J:そ!そういうことで!
パ:まあ、ぶっちゃけボーカルって、歌詞何でもいいじゃないですか。一曲まるまる歌詞が、「♪今日のおかずは〜おひたし〜」でも歌、歌えるじゃないですか。
J:おひたし?(笑)
パ:そうか…だから逆に、ものすごい情報量のダンスと、金管楽器と合唱という重めのオケが乗ったのか…。
J:そ!そういうことで!
パ:「Set me free」のところの声が、やっぱりものすごく胸にぐっときます。これだけ繰り返してるのに、ずっ〜〜〜とかっこいい。ここでジミンさんの声によるコーラスが何重にも重なってるんですけど、豪華ですね〜〜〜。ジミンアワー、prime time〜〜めくるめくジミン。「free」の語尾が、「ッッ」て喉に溜めた音が漏れるじゃないですか。「伸ばした語尾を、エッジボイスでカットアウトする」っていうのが癖なんですね。
J:………(笑)。
パ:冒頭の振り向きざまの発声と同じ「あ」と「お」と「え」の中間音、しいて書けば[ə]。曲の終盤で、これと同じ音が「…ッ」と何度も入ってくるのが、これ、わざとだんだん強調してるじゃないですか……!もう、嫌らしッ!辛い!苦しい!最高…………………………!!!!!!
J:そうですか(笑)。
パ:この「ee…ッ」は、羽化の呻きなんですね。蛹の固い殻が割れて、蝶が飛び立つ。
J:長い蛹だったよーー。
パ:ははあ。ジミンさんの怒りの種類がだんだん分かってきましたよ。見せたいものがたくさんあるのに、それをパッケージする「楽曲」が準備できない。ダンスの表現力を用意して、ボーカルの表現を用意して、ずっと努力して十分極まってるのに、それを見せる曲が完成しない。ダンスって「成立してない」「してる」の差って見た目ではっきりしてますけど、音楽って「これで完成かなあ…」って、本当分かりにくいですよね。「これでいいのかなあ…」が、ずっとジミンさんを蓋してたんですね。
J:まあ、そういう自分の中の対話みたいのはあるかな。自分の作った音楽に対して「良いか」「悪いか」判断できる僕っていうのが、そんなにまだ成長していないんだよ。
パ:そいつに、「消えろ! f*** off!」って言ってやったわけですね!
J:ぷっ(笑)。でもどっかの段階でそう言わないと、もうその先ずっと出せないじゃん。
パ:勇気要りますよね。でもみんな褒めてくれたんじゃないですか。
J:ぷふっ!いや…長い時間かけて、ひとつひとつやりとりして、指導してもらったんですよ。いろんな曲も聞くように、いろいろ教えてもらって。アレンジしてもらう時、僕のイメージをちゃんと伝えられるように。
パ:なるほど……。音楽作り、楽しいですか。
J:オーケストラアレンジがついて、あとはレコーディングしてもらったコーラスが付いたのを聴いたら、すごい全身鳥肌立つような興奮がありました。「これ、俺が作ったのか…」という。
パ:やっぱ人がたくさんいて音出すのって、それだけで生まれるエネルギーが、PCの内部音源で作ってるのとはまったく別物でありますね!直接感じるパワーが、こう、ぐっとこもる。なるほど。…そして、もう潮時だ、中身の蝶を出そう、と。
J:よいしょっと。こう、蛹に切れ目を入れ。
パ:フリーにしてやる、と…そこは内側から格好良く羽化して下さいよ!
J:ふふふっ。は〜面白い。
パ:でもようやく葛藤から解放される訳ですね。ジミン対ジミンの。出したら自由ですよ。楽曲出す前ってまだ自分の手に収まってるから、葛藤ももやもやも自信も不安もぜんぶ自分のものですけど、リリースしちゃったらもう手出し出来ないですからね。でもやっと、ずっと見せたくて用意していたダンサージミンと、ボーカルジミンが、ようやっと望んでいたステージに解放される訳ですね!本当に生きた心地でしょうね、彼ら!
J:僕が3人いるみたいに言わないで下さい(笑)。
パ:「Set me free!Set me free!」
J:♪Set me free!Set me free!
パ:は〜〜。わ〜〜……。とっても楽しかったです。何となく分かった気がします。
J:何となくだけですか?
パ:やっぱ最初の1作目ってすごく覚悟がいりますよね。ましてや既に地位も評価もされている方ですから。でもこれが出たら、もうこれほどの葛藤なく、次の作品はさらっさらっと出せるような気がしますよ。ジミンさん、ステージの人だから、「作って出す」こと自体にはものすごく特化された人格をお持ちじゃないですか。
J:ふうん。それで?
パ:「作る」と「出す」が、ひとセットで初めて生まれる学びがあるじゃないですか。それを繰り返すことで磨かれる能力があるでしょ?今回これで、音楽をつくることをトータルで経験したじゃないですか。これから、自分が作った作品、それを演奏する自分、その時出してる音、お客さんと感応して作る音、そういうものから受け取るエネルギーが、今度はまた別にあると思うんですよ。それ、きっとジミンさんにとって初めてじゃないですか。それを味わったら、ジミンさんどんどんそういうこと続けていく、生み出して、お客さんの前で表現したらそこから新しいものを受け取って、またそこから生み出して、またお客さんとの間で新しいものを受け取って。循環して、まわって、上昇して…そう、やらずにおれなくなる人のような気がします。
J:ふふっ。
パ・J:螺旋状に…………!!!!
パ:おわ〜〜〜。ジミンさんのボディにステンシルされた文面ですか、これ…!大団円!うわあ。…あなたの勇気と、飽くなき情熱に感謝します。アルバム楽しみです。
J:これで終わり?
パ:うん。
J:ばいばい〜。
パ:うん!ありがとうございました!!…あ!ヘッダーに使わせていただいたジミンさんの写真、あの、あんな可愛い子、MVに映ってなかったですけど!?
J:ばいばい〜。
パ:…と言うわけで、パクチーの脳内ラジオステーション。本日のゲストは脳内ジミンさんでした。
このnoteはフィクションです。
※ここで語られていることは妄想で、現実との事実確認はとってませんよ…ファンタジーとしてお楽しみ下さい…
それではまた!
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