見出し画像

麻雀は現実逃避に不向きではないのですよ、白鳥さん

先日厨二病の白鳥さん(麻雀界には白鳥さんが何人かいらっしゃるので、一応枕詞をつけておきます)とお会いした際、こんなやりとりがあったのを今でも考え込んでいます。

白鳥さんは「麻雀を現実逃避の手段にすると精神が壊れかねない」と仰り、続けて「理不尽なことが多いゲームなので、ただでさえ心が弱っていると青菜に塩となりかねない」といったニュアンスでその理由を語っておられました。
これを聞いた僕は「あー、そういう考え方も存在してるんだなあ」と妙に感心してしまいました。なぜなら、牡丹たんは今まで麻雀を「理不尽なことがあるゲーム」とは思っても、「理不尽なことが多いゲーム」という風には一度も思ったことがなかったからです。

僕自身は麻雀は現実逃避に最適なツールだと捉えているのですが、その大きな理由として(まず「人生が辛いので現実逃避に走る」という前提ありきですが)、「麻雀は人生よりよっぽど良ゲーである」ということが挙げられます。
麻雀も人生も運不運に左右されることは多々ありますが、その偏りという意味合いでは人生の方がよっぽど酷いバランスをしているのではないでしょうか?
実際問題、運良く所得の高い家庭に生まれることが出来た子供は上質なツキ、違った上質な学歴を得て、そのまま高所得が期待できる仕事に就ける可能性が高い一方で、運悪く所得の低い家庭に生まれてしまった子供はそのままステータスもジリ貧になり自身も低所得者への一本道を歩む可能性が高くなっている、という現状はしばしば各所で指摘されています。

麻雀にも同じ現象はあって、多くの点棒を手にした人は手作りや押し引きで余裕が生まれて正解が選びやすくなる一方、一度大きく点棒を損ねてしまった人はあまり価値のない手や速度的に間に合っていない場でもほとんど押していくしか手の選びようがなくなり、結果さらにマイナスを大きくしてしまう、ということはよくあります。
ただ麻雀の良いところ(特に一般人の打つネットやフリー雀荘が該当)は、どんなに悲惨なラスを引いてしまっても、次の半荘はまた全員イチからのスタートになるということです。
当然気の持ちように差はあるかもしれませんが、またまっさらな状態からみんな横一列でスタートが切れるわけです。これって人生よりはよっぽどマシな話じゃないですか??

更に、麻雀というのはゲームの性質上、幸運も不運も全てのプレイヤーにある程度平等に与えられます。
黒沢咲にはやたらとドラが集まるみたいなのは、プレースタイルによる決着巡目の遅さと外野が彼女に持つイメージが織り成した白昼の蜃気楼に過ぎません。長期的には嘘っぱちです。
長くこのゲームをやり続ければ、どんな人でも絶対に素晴らしい幸運にもとんでもない不幸にも出会うことができます。これはひとえに、積まれている麻雀牌に一切の人間の意思が介入していないのが原因です。

逆に人生では、ほとんど全ての現象に誰かしらの何かしらの意思が介入しているので、そうすると所謂「流れ」のような、何をしてもうまくいかないという現象が起きやすくなってしまうのではないでしょうか。
Mリーグを観ている我々は、前原さんがカンチャン待ちでリーチをかけたらどうしてもツモアガリの未来を予感してしまいますし、そのリーチに追っかけられたのが松本さんやアサピンさんであれば不意に一発で掴んでしまうビジョンが脳裏を過ります。
麻雀牌のような無機物ではない僕たちは、その人の今この瞬間の行動と、これまでやってきた行動とその結果を切り離して考えることが出来ないのです。
要するにダメな奴は基本的に何をやってもダメなままで、出来るやつは何をやっても大体上手くいく、と考えがちということですね。
その点麻雀牌というのは平等で、↑の局面では毎回毎回前原さんがパッツモするなんていうことはなく、普通に危険牌を掴んで鬼手に放銃してしまうことも少なからずあります。
牌の前では雀士に貴賎はなく、どこまでも平等なのです。牌は雀士の上に雀士を造らず、雀士の下に雀士を造らず、ということですね(キリッ

というわけで、麻雀は少なくとも人生よりはよっぽどバランスのとれた楽しいゲームなわけで、漫画にしろ小説にしろ異性関係にしろシャブにしろ楽しいことというのは現実逃避に向いているわけですから、麻雀が現実逃避に不向きとは言えないよ、というのが僕のアンサーでした。白鳥さん、わかっていただけましたか?

ただ問題が一つあって、麻雀って何が楽しいの?と聞かれると、牡丹たんは答えに窮してしまいます。裏3で3000円が手元に集まってきてアドレナリンぷっしゅー!みたいなのは正直他のギャンブルでも同じようなことはありそうですし(やったことないですがw)、色々思いつく楽しみはあるのですが具体的に言葉にするのは難しいですね。

ただ僕が言いたいこととしては、麻雀は本当に楽しいです。
さっきラスった僕が言うのですから、これは間違いないと思います。

……いや、クソアツいわ!多井さんもラスったし!もう寝る!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?