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成長において「素直さ」が必要は、本当か?

 成長する上で「素直さが大事」というのはよく聞きます。確かにその通りだなと思う反面、単に素直に「はい」という人がいいとは思いません。

 であれば、素直という言葉の中でも、成長において「いい素直」「悪い素直」があるのではないか。その境界はどこにあるのか。そんなことを考えてみることにしました。

素直とは何か?

素直とは、goo辞書によると、

性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま。従順。

とのことです。「従順」は「いい素直」を考える上では外すとして、ようは「ひねくれていない」ということです。理屈をこねて否定したり、穿った見方をしたりしない、ということですね。

なぜ素直であることが必要か?

 常に素直であることが必要だとは思いませんが、一方で、素直であることが求められる場面があるように思います。それは「環境が変わったとき」でです。例えば、新入社員の時、転職した時、初めて管理職になった時、キャリアチェンジした時、新しいコミュニティに所属した時、などが挙げられます。

 なぜ「環境が変わると素直が必要になるのか」。それは、多くの場合、「環境によって、成功要因も異なるから」です。もし、新しい環境においてもなんらかの成果を創出したいと思うのであれば、その環境において適切な行動や方法、マインドを学ぶ必要があります。にも関わらず「自分には自分のやり方があるんで」と最初からアドバイスを排除してしまうようだと、なかなか成果が出ない可能性があります。もちろん、新しい環境でも通用するケースもありますが。

新しい環境の中に合わせて不要な学びをアンラーンする

 では、「いい素直」とは何でしょうか。

 私の考えでは、新しい環境に入れば「過去の成功体験は通用しない部分もあるかもしれないという前提に立ち、現実の環境からのフィードバックに合わせて、不要な考えをアンラーン(学びほぐし)すること」です。

 アンラーンとは、Unlearnであり、「学びほぐし」のことです。自分が過去「大事にしてきたこと」「成果体験・失敗体験から学んだこと」などを新しい環境の中で、内省し、再考してみることです。

 ただ無条件に何でも受け入れろ、というわけではありません。無条件で受け入れるのは「悪い素直」だと思います。

 自分の成果や行動への他者からのフィードバックをまずはしっかり一度自分の体を通す。やってみる。その上で、吟味する。そして、必要なら自分が大事にしてきた考え方も含めて、再編集をかける。

 そうした姿勢が「いい素直」なのではないかと考えています。

 つまり、「いい素直」と「悪い素直」の境界は、「フィードバックを自分の体に通し、吟味したかどうか。」ではないでしょうか。


新しい環境でもらえるフィードバックはプレゼントである

 新しい環境の中では、必ずしもうまくいくわけではありません。むしろ、うまくいかないことが多いです。

 そんな時、「うまくいかない結果というフィードバック」や「上司・仲間からのフィードバック」をもらうと思います。そんなフィードバックを、プレゼントと捉えてみてください。

 プレゼントをすぐに捨てる人はおそらくいないと思います。まず一度「ありがとう」と受け取りますよね。

 もらった時に、えっ!?と思っても、まずは受け取ってみる。そして、本当に必要がないのか、しっかり吟味してみる。

 そんな「いい素直」であることが、新たな環境において成功する上でも、重要であり、成長する人材の特徴であると考えています。

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