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掌編・短文・詩らしきもの

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掌編小説と短文と、 詩にしては、散文的なもの
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#散文

忘れたいもの

忘れたいもの

忘れたいものって
ある

さがしものじゃ
ないんです

忘れたいもの
ですよ

忘れたいものを
忘れたら

どこに行けますか?

呼吸とか
どんな感じになりますか?

わたしは
忘れたいものを忘れると

真空になるんです

それで苦しくなって
つい
戻ってきてしまう

心のある部分に
何かが触れること
あります

さわさわと
さわさわと
心地よく

今日はフルーチェを
作ります

鶏のスープ

鶏のスープを作った
中華スープの素を少し使った

これ、鶏と大根だけから出たうまみ?
家族に聞かれる
うん
わたしは答える

三分後くらいに
あ、ごめん、スープの素入ってる
わたしは笑って白状する

みんな
スープの素を使おうが
使わなかろうが
美味しければ嬉しいのだと
わたしはわかってる
自分も特に
こだわってない

つまらない
でも
もしかしたら大事な何かが潜んでいそうな
嘘をついてしまうこと

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四年間

久しぶりですね
はい、久しぶりです

あれからどうですか
まあ、何もかわらないです

かわったように見えます
え。いい意味で?
いい意味で
先生もかわったように見えます
いい意味で

いろいろ大変ですね
先生こそ、大変でしょう

大変です。でも
あなたが頑張っているなら頑張れそう
私も
先生が頑張っているのなら頑張れそう

tteiumousou

先生の優しさは愚か者の優しさ
危ういやばいやつ

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