「好き」との再会
密かな楽しみ
両親がセカンドハウスに移住した。二人は、偶数月にちょこっと我が家に遊びにやってくる。飛行場への送迎は私の役目で、密かな楽しみだ。
羽田空港には私が学生時代に慣れ親しんだ、2つの好きなものに会える。今やそこでしか楽しめないから、毎回楽しみでしょうがない。
1つは、よーじや、もう一つはそば処港屋(現:ザ・港屋ラウンジ)。
よーじや
学生の頃は、超有名なあの、あぶらとり紙が欲しかった。正直学生が使えるような金額のものではなかったから、お土産用専門。店舗に入って、いくつか包んでもらうのは、京都に住まう自分のちょっとした喜びだった。
地元で社会人になってもやっぱりよーじやの油とり紙はお土産で貰うものであり、渡すものだった。大阪に出張に行ったとき、京都に遊びに行ったとき、あぶらとり紙は本当に重宝した。初めて自分用に束で買ったときは、嬉しくって嬉しくって。大事に、大事に使った。そのとき一緒に買った、小さな手鏡は、未だに大事に使っている。
それから時は過ぎ、あぶらとり紙が不要なお年頃(年齢肌)になって、ゆず艶やというリップクリームを買った。これが実にいい。ゆずの香りがほんのりとし、塗るとちょっとだけ唇が艶っぽくなる。無くなっては渋谷のお店に買いに行って、その横の喫茶店でパスタを食べていた。そんなお店も暫くして閉店。買えなくなってしまった。
現在、関東では空港(羽田・成田)にしか店舗がなくなってしまったのだ。
そこへ降ってわいた、定期的な空港送迎。今ではリップクリームだけでは飽き足らず、ハンドクリームも愛用中。みなと屋でそばを食べた後、こちらのカプチーノ(と言っても、自動販売機)を飲むのが定番となっている。つくづく、よーじやに弱い。
そば処みなと屋
こちらは大学院生の時、授業前に行列に並んで食べた思い出の味。東京の虎ノ門にあった。既に社会人だったので、時間をやり繰りしつつ、課題に取り組むのは一苦労で、人よりだいぶ時間がかかって、ぎりぎり卒業した。残念ながらその勉強が役になっているとは言い難いから、ちょっと悔しい味がする一品だ。
以前の店舗は立ち食いだったが、羽田空港は、着席できる。そして行列していたことは未だかつてない。
ファーストフード形式で、オーダーに従い順々にあの悔しいそばが提供される。
何となく味が違うかなぁと先日、卵が温泉卵になっていることに気づいた。これも時代の流れかなぁと思って、それでも、美味しく食べている。
おそば好きになったきっかけの一品だもの。
つぎの「好き」は
毎回よーじやとみなと屋で1時間ちょっとの時間を過ごし、大満足で両親の出てくる、到着ロビーに向かう。
両親は、元気そうな顔と、松露饅頭をお土産にやってくる。
松露饅頭、小さなころから親しむ私の大好きなお饅頭。
この好きがないと、途端、私の機嫌は悪くなる。
好きが続いてくれないとね!羽田空港では。
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