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MBAのこと⑥(修士論文ドタバタ記⑵)

前回はMBAの修士論文の考え方や概要をご説明しました。今回は、具体的な研究の流れや私が苦労した点などに触れたいと思います。
〇前回の修士論文ドタバタ記⑴はこちら↓↓

修士論文の大まかな構成

修士論文とは自分自身が明らかにしたい問いに対して、調査や実験を行い結果を実証する。その説明のプロセスです。

一般的な修士論文の流れは以下の通りです。

引用:一橋大学大学院社会科学研究科「学問の手引き」より

まずは、自分の研究したいテーマを設定します。MBAの場合は、社会人であるため自分自身の仕事の中から得た問題意識から設定することが多いです。
自分に全く関係の無いことや興味の無いことを研究テーマに設定しても、興味を持って研究したいと思いませんし、当然長続きしません。

先行研究とは?

自分の研究したいテーマに近い研究があるかどうかを調べること。その目的は、まず、その先行研究から参考にできる部分が無いかを探し、整理すること。私もMBAに入ってから知ったことですが、研究の世界というのは先に誰かが研究した上で新たに研究を重ねて、それがどんどん上に積み重なり、研究分野が改良されていく。この連続で今があるということです。ということは先に研究した人の論文を調べて、参考にするということはその研究者に敬意を払うことやその分野を研究することに最低限必要なエチケットということになります(参考文献や引用の表記は必須)。
そして、その先行研究の中でも明らかにされていない部分やその研究結果を違う角度から検証し、異なる研究を進めることで、新たな知見を生み出していくことが出来ます。

リサーチクエスチョンと仮説の設定

先行研究を調べた結果、自分が明らかにしたいことが出てきたらリサーチクエスチョン(RQ)を設定します。読んで字のごとく問いと立てるということです。リサーチクエスチョンは、一つの場合もありますし、複数の場合もあります。そして、リサーチクエスチョンに対して、「答えはこうなっているのではないか?」という仮説を立てます。むやみに問いに対して答えを探すのは非効率で、仮で検証結果を想定することで、調査に必要な項目を洗い出すことが出来ます。

そして、仮説の検証を実際の調査によって立証していきます。アンケート収集の結果を統計データ分析をする等の定量的分析やインタビュー調査などの定性的分析に大きく分かれます。どちらの分析を取るのか?それとも両方行うのかはケースによって異なります。

調査結果と考察、新たな発見をまとめる

調査結果によって仮説がどのような結果になったのか、そこから何を導きさせるのかを論理的にまとめる考察を行います。自分自身の立てた問いに対して仮説通りの結果になったのか、それとも意外な結果になったのか?結論は様々ですが、最後に新たな発見があったことが研究を行う意義だと思います。

リサーチクエスチョンの設定に時間がかかった

私の場合は、実質修士論文に本格的に取り掛かれた時間は、半年間程度だったと思います。何より、授業の課題も多くて、仕事も年度末で忙しくなり、2年生(M2)からエンジンがかかった感じでした。テーマは「小規模・中小企業の第三者承継における効果的なPMI活動の研究」が決まっていましたが、実際明らかにしたいリサーチクエスチョンの設定がなかなか定まらず、時間が掛かりました。
何となく知りたいけど、具体的に何を知りたいの?というところまでは考えていなかったということです。でも先行研究調査を進めていくうちに、まだ誰も明らかにしていない部分が見えてきて、設定することが出来ました。

引用:一橋大学大学院社会科学研究科「学問の手引き」より

研究は行ったり来たり

やりながら思ったのは、興味のあることを知っていくうちに興味が変わったり、仮説が違うことというのはよくあることで、当初設定した問いが研究を進めるうちに変わってしまう。だから、テーマや問いを再度見直すという行ったり来たりの作業が研究なんだと分かりました。
しかし、MBA論文の締め切りがあるのでどこかのタイミングでエイヤ!で進むしかありません。私の場合は、5月の連休中にはエイヤで進めました。論文提出の締め切りは8月24日でWEB提出。1秒でも遅れたらアウトです。
ゼミの先生によっては、1校目、2校目、最終版の締め切りを厳密に設定している方もおられましたが、私のゼミ担当の先生は、比較的優しい(?)方だったので、尻を叩いてくれません。なので、割と苦労をするわけですが…。

続きは、次回ドタバタ記⑶にしたいと思います。
〇次回修士論文ドタバタ記⑶はこちら↓↓



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