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MBAのこと②(なぜMBAに行くのか?)

4月から進学している神戸大学大学院MBA課程について今回はなぜ私がMBAに行くのか、そして現在まで通って(というかオンライン授業がほとんどですが…)感じたことを書いています。

宮崎で中小企業診断士をして14年…

平成19年に中小企業診断士登録をして独立。翌年同じ中小企業診断士である現在の妻と結婚して宮崎に転居。都合中小企業診断士の仕事をして14年になります。サラリーマン時代よりも長くこの仕事についており、さすがに14年にもなるとベテランの域(まだまだ若輩者ですが)。近年宮崎県においても若手の診断士合格者や独立者が増えており、診断士協会の年齢構成もかなり若返りました。

しかも現在は独立しても公的支援機関の勤務や補助金申請支援、専門家派遣制度等すぐに仕事が回ってくる状況になっており、若い人がどんどん活躍しているので本当にうれしい限りです。

私も独立当初はとにかく仕事を断らずに請け負い、その都度わからないことは勉強してがむしゃらに取り組みながら仕事を1件1件受注してきました。全くゼロの状態で新たなことを取り組むときは不安で仕方ありませんが勉強しながら案件をこなすというのはすごく刺激的でやりがいのあるプロセスです。

しかし、最近は自分自身の仕事は数をやることで生産性は上がっているのですが刺激を受けるということはあまりなく、何か物足りないと感じていました。それは、自分自身の「環境」が変わっていなかったからです。

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人間は環境に大きく左右されます。環境とは「住む場所」「人間関係」「仕事」「生活習慣」がずっと同じであればマンネリ化になります。一方、マンネリ化を打開して刺激を得るためにはこの4つの環境を変えるしかありません。

私は、環境を変えるため神戸大学大学院に進むことに決めました。これにより「住む場所」⇒宮崎だが毎週神戸に通うという2拠点的生活。「人間関係」⇒大学院に通う人たちとの出会い。「仕事」⇒大学院修了のための勉強時間ねん出するための仕事の選択と生産性の向上。「生活習慣」⇒ハードな生活に耐えうるための生活習慣の見直し。という4つの環境の要素が変化し、人生に刺激を与えることが出来ると考えています。

実際に入学すると刺激もあるが苦労も多い

4月に入学して1か月ほどは対面授業が出来ており、新たな出会いもありましたが5月~7月はオンライン授業でした。このため、知り合った人もケースプロジェクト研究のメンバー6人と一部の人で10名ほどでしょうか。コロナ禍で仕方ありませんが、7月末までで「セールス&マーケティング」「技術経営」「サービス・イノベーション応用研究」のカリキュラムが終了しました。

ケースプロジェクト研究で知り合った人は、自動車メーカー、医療器具メーカー、大学勤務、金融機関、学習塾経営者などバックグランドが異なる人たちばかり。その人たちと毎週zoomで与えられた研究(与えられたケースが「大塚家具がどの時点で経営判断を変えていれば今も優良企業であったのか」)についてディスカッションをし、論点をまとめていく。これが神戸大学MBA式プロジェクト研究の醍醐味だと感じています。多様な意見を受け入れる、もしくは受け入れてもらうことの難しさもありますがそこをロジカルに説明する力が試されます。このロジカルシンキングは、カリキュラム内で出てくるレポート課題に取り組む際にも常に求められます。

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ロジカルシンキングは中小企業診断士の2次試験で求められるスキルですが、実務をずっとしていると「考えること」よりも「作業する」「資料を作ること」が目的になってしまうことがあり、その点において改めて学びなおす機会になっています。

苦労しているのは、入学前から分かっていたことですが「時間の確保」です。予習をすること、レポート課題に取り組むことで平日の夜はほぼ埋まってしまいます。当然仕事もある訳で、仕事の締め切りが迫っているとき、例えば補助金の締め切りや改善計画のバンクミーティングの前等は仕事が終わってから夜中3時までかかってレポート作成という日が少なからずあります。でもMBAに通う人たちはみなさん同じ条件なわけで、泣き言を言いたくなりますがここは試練と思って乗り切ろうと思っています。

神戸大学MBAに通うと「仕事の生産性が3倍になる」と合格体験記に書いてありましたが今ではわかる気がします。仕事の生産性を上げないと最終的に一番大変な修士論文を完成させることが出来ない。この程度でついていけないと修了するのは難しいという現実です。

オンライン授業のメリット・デメリット

まだオンライン授業が続いているため、当初想定したような大きな環境の変化は実体験出来ているとは言い切れませんが、大学のオンライン授業を実体験しています。オンライン授業はzoomで授業に参加する形態で、レポート課題や提出、授業中のレジュメ配布は専用のクラウド型オンライン授業ツールを使って行われます。期末テストもこのシステムの中でできるようになっており、自分点数も確認できます。この仕組みがすごく便利で、パソコンとネット環境があればどこでも授業やテストが受けられるようになっていることに驚きました。

オンライン授業によって大学まで行く必要が無くなり、私にとっては宮崎⇔神戸間の交通費と宿泊費(月15万ほど)の削減が出来ます。また移動時間の有効活用もできます。

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オンライン授業のデメリットは、モチベーション維持が難しいことです。授業中はパソコンの前で1人で授業を受けており、カメラをオフにすればサボることも可能です。グループディスカッションもありますが、あくまでもオンライン上。それ以上の交流はありません。リアルな場であれば、きちんと授業を聞き、休み時間は隣の人と世間話やレポート作成の大変さなどを共有することもできます。そこで苦労しているのは自分だけでないということを知り、モチベーションを維持できます。それが全くないため、この大変な学生生活を一人で送るというのはかなり精神的にタフでないとキツい。これは私たち以外の全国の大学生が体験している現実なんだろうなと痛感しています。コロナ感染拡大が再び進む中で、対面授業再開はまだ先の気がしますが、学生のためには早い再開が望ましいですね。

上には上がいる、でも自分は何を得るのか?

診断士の世界もそうですが、MBAに通い出して痛感するのが「上には上がいる」ということ。企業に勤めながらさらに高みを目指す人たちは、みなさん本当に優秀です。学んだことをすぐに吸収し、次回からの課題の取り組みに生かし、すぐに現場の仕事に生かしている人もいます。そもそも頭の回転が速くて、スペックが高い人も多い。入学後、みなさんのレベルがどんどん上がってくるのを見ていると自分もしっかりしないと、と毎回反省しています。「上には上がいる」けど人と比べて反省するためにMBAに通っている訳ではありません。

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私が得たいのは経営学の学びももちろんですが、神戸大学MBAで出会った人たちと中小企業を支援する新たな取組を行いたい。それは都会と地方をつなぐ人材の橋渡しのような仕事。今考えているのは、関西に住む様々なスキルを持つ企業勤めする人たちのスキルを宮崎のような地方の中小企業が抱える課題の解決とマッチングすることです。どんな人たちとコラボするかはまだ未知数ですが、これからがすごく楽しみです。


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