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MBAのこと①(MBAって何?)

令和3年4月から私は神戸大学大学院経営学研究科MBA課程に進学しています。MBAって聞いたことがあるけど、どんなことを習うの?本当に意味があるの?どんなメリットがあるの?等々、気になっている人に私の実体験を踏まえて定期的に体験談を記載していこうと思います。

MBAって何?

MBAとはMaster of BusinessAdministrationの略称です。日本語では経営学修士号、または経営管理修士号と呼ばれる学位であり、経営学の大学院修士課程を修了すると授与されます。よくMBAは資格(国家資格や業務独占資格等)と混同されることがありますが、MBAは資格ではなく「学位」です。資格はある行為を行うために必要となるものですが、学位はある専門分野の学問を修めた人物に対して与えらえる称号です。MBAプログラムを提供している大学院は、通称としてビジネススクールと呼ばれており、主に社会人を対象にしています。1881年の米国ウォートン・スクールが世界初のビジネススクールであり、1908年に設立されたハーバード・ビジネス・スクールが現在のMBA課程の基礎を作ったとされています。海外で有名なのはハーバード大学・スタンフォード大学ですが、近年は日本国内でもビジネススクールが多く設置され、全国で60校ほどあります。またボンド大学(BBT大学)などのオンラインを通じて学ぶスクールも最近では人気です。

MBAの目的は経営者や経営をサポートするビジネスプロを育成すること

MBAプログラムの目的は、経営者や経営をサポートするビジネスプロフェッショナルを短期間に育成することにあり、経営の3要素であるヒト・モノ・カネの知識習得をするカリキュラムが構築されているのが一般的です。また、アメリカをはじめとする海外のビジネススクールでは、テクノロジーなど時流にそったカリキュラムを用意しているスクールもあります。国内MBA各校は、「実践性を重んじるMBA」から「経営を学問と捉えアカデミック色の強いプログラムを提供するMBA」までさまざまな特徴があります。

MBAはどんなことを学ぶの?

経営者や経営幹部に必要な経営知識が体系的に学ぶことが出来ます。例えば私の通う神戸大学のカリキュラムは、「セールス&マーケティング」「技術経営(MOT)」「サービスイノベーション応用研究」「統計学」「M&A」「ファイナンス応用論」「人的資源管理」「経営戦略論」「コーチング」等々様々なプログラムが準備されています。その中でも必須で取らなければならない科目。選択できる科目があります。いずれも理論だけではなく、ケーススタディ(実際の企業事例に基づいて議論する)が中心になっているので、楽しんで学ぶことが出来ます。通常2年間通い、最終的に修士論文を作成して必要単位が取れれば無事に修了。修士号を得ることが出来ます。

中小企業診断士試験との違いは討議型であること

ちなみに私は中小企業診断士なので、診断士試験で経営のことは一応勉強しています。MBAの習うことと何が違うのかというと、中小企業診断士は1次試験などで様々な科目を浅く広く学びますがMBAの場合は、例えばマーケティングならば基礎から応用まで深く学びます。また一方的に教授の話を聞くだけではなく、事前課題で考えてきた内容を他の受講生に発表し、それに対して出てきた反論に答える等の討議型で学んでいきます。このため自分の考えを論理立てて説明することが求められます。この論理的に考える力、説明する力をつけることが出来るのもMBAの大きな特徴です。

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神戸大学MBAプログラムの特徴はプロジェクト方式

国内にあるMBAで最も古いのが一橋大学。旧東京高等商業学校の流れを組み国立大学で一番初めにビジネススクールが作られました。また早稲田大学や慶応義塾大学にもビジネススクールがあり、多くの社会人が通っています。国立大学で2番目に伝統があるのが神戸大学。旧神戸高等商業学校を起源として日本で初めての経営学部を設置した神戸大学のMBAプログラムは、経営学の著名な教授陣が多数在籍し、人気のある大学です。

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通常MBAは、集合型の授業となっており、その中で教授と学生が意見交換や討議しながら進めていきます。教授と学生が双方向で学んでいくため、高校や大学と違ってより、自分の意見や考えを求められます。

一方神戸大学MBAの特徴は「プロジェクト方式」という独自プログラムを取っています。5名~6名で自分たちが仕事の中で直面している課題を持ち寄って研究するプロジェクトチームを作り、既存の優れた研究成果も活用しながら共同して問題を深く分析し、解決策を見出していきます。このユニークな教育方法を取ることで自分以外の様々なバックボーンの人たちとともに研鑽できることが魅力です。

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どんな人たちが学んでいるの?

神戸大学に通って2か月経ちましたが、4月の後半からコロナの影響でオンライン授業になりました。それでも様々な人たちに出会いました。トヨタ自動車の開発担当や日本生命のIT担当、パナソニック、カプコン、武田薬品、三井住友銀行等々、大半が大企業に勤務する会社員の方たちです。将来社内でキャリアアップを図りたい、事業部長になりたい。社内ベンチャーを立ち上げたい等意欲的な人たちばかりです。年齢は20代後半から50代まで幅広いですが平均年齢は30代後半でしょうか。中にはマレーシア人で住友電工の開発を行っている人や中国企業の日本法人に勤務する中国人などの海外の方もいらっしゃいます。私の様な中小企業診断士などの士業や会社経営をされている方もいますが少数です。

エリアは幅広く、愛知県や香川県、島根県から通っている人がいます。西で一番遠いのは宮崎県の私でした(笑)。

授業スケジュールはハード

神戸大学MBAプログラムは、ハードさが有名です。授業は毎週金曜日の夜と土曜日が終日あります。他の大学と違って平日夜のほとんどが授業というわけではなく、社会人でも通いやすいように週末だけで修了できるように近年プログラムが改良されました。しかも最短で1年半で修了できます。

といっても、楽ではありません。まず、授業を受ける前に事前課題が必ず出ます。その課題はある企業のケースについて書かれている事例文でその事例について自分なりの問題点と改善策をレポート(約2000字)にまとめて、授業の前に提出しなければなりません。そのレポートは成績判定の対象になり、毎回ABCD評価が付きます。これが日本語ばかりならばいいのですが半分近くが英語で書かれたケースです。ハーバード大学が世界中のMBAにケーススタディのメソッドを販売しており、それをネットで購入して取り組むことが多いです。

また事前に課題図書もあり、授業に入る前に予習する必要があります。予習しないと授業についていけず、討議の時間で自分の意見を述べることが出来ません。その膨大な課題や図書の多さが「神戸大学MBAはハードだ」、と言われるゆえんです。

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毎回気づきを得ることが出来る

授業になると自分で考えてきた課題の回答をグループ内や全員の前で発表するのですが、いつも感じるのが「そんな視点があったのか?!」という「気づき」です。ある問題点に対して自分は一部の側面でしか見ていないのが、他人の意見を聞くことで、思いもつかない視点を得ることが出来るのです。ビジネスにおいて正解はない。そのためにも様々な視点で分析して経営判断をする必要があり、自分だけの凝り固まった視点から多面的視点で考えるようになることがMBAで学ぶ醍醐味だなあと感じます。

さて、今日はここまでとして、また次回以降はMBAのことについて私がなぜ通うことになったのか?などについて触れたいと思います。

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