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中小企業診断士の魅力

中小企業診断士になって13年目。サラリーマンを7年していたので、私にとっては一番続いている職業です。今でもこの資格に出会って本当に良かったなと思います。診断士の魅力に取りつかれた「診断士バカ」にしばらくお付き合いください。

10月10日、有志の集まりで約170人が全国から参加

先日のこと。毎年全国各地で開催される有志の診断士が集まる中小企業診断士シンポジウム(オンライン開催)に参加しました。2014年に第1回京都で開催されて今年は沖縄開催の予定が新型コロナで中止。その代わりにオンライン開催をしようということで企画されました。

中小企業診断士協会がしている公のシンポジウムもありますが、これは完全に有志。勉強したい、繋がりを作りたいという人が勝手にやっています。

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中小企業診断士は本当に勉強が好き。資格を取ってからも様々な勉強会に入って学び続けています。オンラインシンポジウムでも「SDGs」「知的資産経営」「AI活用」などのオンラインブースを設けて意見交換をしました。

参加者は、北海道から沖縄のみならず、上海などの海外組も。オンラインのすばらしさを改めて痛感しました。年齢層も幅広く、20代~60代まで、共通点は「中小企業診断士」であるということ。

もちろん、懇親会もオンラインで。全国のご当地のお酒とおつまみを各地が紹介。私は宮崎なので、お酒は焼酎「黒霧島」、つまみは「チキン南蛮」をPRしておきました。診断士になったばかりの人や、10年以上のベテラン、中には25年の超ベテランもいました。でも誰も偉ぶったりすることなく、超フラット。診断士の皆さんは個性があって、癖が強い人もいるけど、いい人ばかり。そこが好きなところでもあります。みんな気になるのは、診断士の仕事のこと。地方と都会の診断士事業の違いなど、興味津々で語り出したらキリがありません。

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そもそも中小企業診断士って何なの?

中小企業診断士を知らない方もいらっしゃるので簡単に紹介。中小企業診断士とは経済産業省管轄の経営コンサルタント唯一の国家資格です。もともとは、商店街や工業団地に国や県がお金を貸し出す高度化融資に必要な経営診断の公的資格として始まりましたが今は民間でも活躍する経営コンサルタントとなっています。試験は年に1回。1次試験・2次試験があって、合格率は最終的に4%程度と狭き門です。

なかなか難しい試験で私は2次試験合格まで5年掛かりました。しかも途中でサラリーマンを辞めてです。受験生は幅広く、大学生から会社員、金融機関に至るまで本当にいろんな人が受験します。会社員はどちらかというと、大企業が多く、総合電機メーカーやビール会社出身の方が結構いますね。

中小企業診断士の仕事は何をするのかというと、日本企業の90%以上を占める中小企業を支援することです。中小企業が抱える悩みは、資金繰りから売上拡大、経営改善、経営革新、事業承継等など尽きることはありません。その悩みを解決するための資格が中小企業診断士です。全国に約27,000人ほどいて、税理士の約半分くらい。都会は多いですが宮崎ともなると40人程しかいません。まだまだ地方には中小企業診断士が足りません。

バックボーンは様々、それがいい

司法試験や公認会計士試験などの最難関資格は、大学在学中から勉強して、何年か浪人しやっと合格。一方で中小企業診断士の受験生の多くが社会人です。独立するために取得する人もいますが、社内で経営管理の仕事をするためとか、顧客へのサービス向上とか、金融機関ならば事業性評価の視点を身に着けるためとか動機が様々です。

私の合格同期でも大手広告代理店や金融機関、通販会社、電力会社、IT企業等がいて、それぞれの人生設計の中に中小企業診断士取得が組み込まれたのです。私は元々脱サラして独立するために取得しました。

診断士に合格してよかったのは色んなバックボーンの人たちと出会えたことです。自分一人の世界なんて本当に狭い。それが一瞬で広がる。人との出会いで自分の世界が広がっていくのを体感しています。元々引っ込み思案だった私は診断士になったことで、自分から積極的につながりを作ることが好きになりました。自分に自信が付いたんだと思います。ちなみに私は診断士の交流会で今の妻と出会って結婚。診断士で人生が変わりました。

得意分野も様々、それがいい

当然、診断士の得意分野も様々です。財務に強い人、マーケティングの専門家、ITや工業分野等の業務別に分かれることもありますが、林業のプロ、小売業のプロ、飲食店のプロ等業種別で得意分野を持つ人もいます。最近では海外経験を生かして国際化支援をする診断士も増えています。

また他の士業とダブルライセンスを持っている人もいます。弁護士・会計士・税理士・社労士など、既存の資格を生かしてさらに企業経営に強い士業として差別化を図る人も多いです。

私の知り合いで弁護士と診断士を持つ方がいますが、普段弁護士の方とゆっくり話すことなんてありません。でも中小企業診断士の集まりなどで仲良くなって弁護士の仕事内容等を知ることで身近になり、お仕事を依頼することもあります。

診断士の強みはコーディネートができること

診断士の強みは、経営から財務、情報、法務に至るまで幅広い知識を有していることです。目の前の中小企業の課題を見た時に、各分野の専門的な改善については、その得意分野を持つ診断士や他の士業とチームを組んで行えばさらに質の良い支援が可能になります。

このコーディネートが診断士が発揮できる一番の強みだと思っています。そのためには、他の診断士の得意分野を熟知していないといけないし、士業とのネットワークも必要になります。繋がりですね。

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withコロナ支援で診断士が先頭に!

コロナ禍でほとんどの中小企業が影響を受けています。特に資金繰りが一番の悩み。売り上げが上がらなくても毎月固定費がかかる。新型コロナ融資を受けて現在は余裕があるが、それがいつまで持つか…。

このような資金繰りや経営改善の場合において、中小企業診断士の支援が今後はさらに求められます。現在金融機関から借りている新型コロナ融資をどのように返済できるように持っていくのか。現在は、据置期間があるため、そこまで危機はありませんが、いずれ返さないといけない。そのためには、返済可能な返済計画、その根拠となる収支計画が必要となります。

でもコロナ前に経営環境がもとに戻るのでしょうか?おそらく、戻らず新しいニューノーマルの流れに沿ってビジネスモデルの転換が求められていくでしょう。この支援は、顧問税理士等はまずできません。どのように商品・サービスを変えていくのか。どのように提供の方法を変えていくのか。その抜本的転換の支援こそが中小企業診断士ができることがだと思います。

全国の中小企業診断士のつながりが日本を救う

中小企業診断士は他の士業の様な「独占業務」がありません。言い方を変えるとなんでもやっていいのです。各県に中小企業診断士協会がありますが、県を跨いで一緒にプロジェクトをしてもいい。これからの時代は会社や地域に縛られず、ミッションが発生した時に集まり、終わったら解散。というようなミッション型ビジネスが当たり前になると言われていますが診断士はまさにそれが出来ます。

幸いにしてオンラインという便利なツールが当たり前になった今だからこそ、様々なバックボーンを生かした診断士が全国で活躍する機会がこれから激増すると思います。

「全国の診断士のつながりが日本を救う。」

私は、中小企業診断士が中小企業を救うと診断士になってからからずっと信じています。今がその存在意義を問われる時。そんな診断士が私は大好きです。


それではまた。お会いしましょう。


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