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【DJ漂流記】メキシコ編 Vol.4-Real de Catorce(レアルデカトルセ)

メキシコシティのアップタウンにある大豪邸でのシークレットパーティで奇跡とも言うべきか必然的とも言うべきか?そんな出会いもあり名残惜しいが明日は次の現場Real de Catorce(レアルデカトルセ)に向かうため出発時間が早朝で渋々引き上げる。

次の現場レアルデカトルセは「幻の村」と呼ばれており、標高2700mにある秘境だ。それ以上の街の情報はあえて事前情報は仕入れずいくことにした。

朝6時起床。眠たい目を擦りながらカミオネラ(バス)乗り場に向かう。
今回は荷物が凄い。何にしろ現場にはターンテーブルが無い。レコードからPCやCDJにとって変わってしまっていたのだ。相方サルジャンはもう何度もここでDJをやっているらしく手慣れた手つきで荷物を梱包しバスのトランクルームに積み込む。ハードケースに入れたターンテーブル2台、ミキサー1台、レコードバック三つ、各自のバック二つ。

途中昼食休憩を挟みながら7時間かけてSan Luis Potosí(サンルイスポトシ)に到着。そこからタクシーに乗り換えレアルデカトルセに向かう。
荷物がタクシーのトランクにおさまらずトランクの扉をゴム紐で結え出発。

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サンルイスポトジまではずっとこんな風景

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サンルイスポトジからサボテンが自生している荒野をタクシーで1時間半くらい走ると途中にぽっと石畳の道が出てくる。ここが秘境へ続く道のようだ。途中から山道になり、全てが石で積み上げられたトンネルに入っていく。
2、3回トンネルくぐり抜けたところで急に開けた検問所のような場所に出る。そこは一面、石・石・石。道路も建物も何もかも石で積み上げられた街に出た。ここがレアルデカトルセだった。

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同じ地球とは思えない。もしかしたらさっきのトンネルは遠い宇宙のどっか別の星に繋がっているワープトンネルだったんじゃないか?
見渡す限り全てが石。
そして現場はというとこれがまた石造の素敵なホテルの大きなBarスペースだった。

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Hotel Amor y PazというホテルでMelodyとAmanecerのアメリカ人姉妹が経営するホテルだった。妹のAmanecerとは年齢が一緒で何かと気があった「あなたのMIX CD聴いた時なんかしっくりきたのよね。」というところから子供の頃に聴いていた音楽の話からTVドラマ「アーノルド坊や」の話で盛り上がった。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、国が違えど同じ年代ってだけでなんとなく見聞きして来たものって同じなんだなと思った。

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さてDJタイムに入る。来ているお客さんは宿泊者、別のホテルに泊まっている観光客、地元の人だ。年代もバラバラで老若男女そして国籍も多種多様だ。みんなソファーでくつろいで会話を楽しみながらお酒を飲んでいる感じだったのでここはそちらを重視するような選曲でいってみた。JAZZやフュージョンを中心にAORやSOULを会話の邪魔にならないように且つ、多少耳はこっちに持ってくるように緩急のバランスを整えて流す。10人くらいは踊っている感じだったがその半分はベースボールキャップを被った男の子たちだった。相方のサルジャンはLATINを中心に選曲していく。するとどうだろうおばあさんやおじいさんが一斉にペアで踊り出した。

次の日朝起きて街を散歩してると昨日踊っていたベースボールキャップの男の子に街でバッタリ会う。「昨日の君のDJ凄い良かった!MIXCDないの?売ってよ!」何枚か持っていた自分のMIXCDをあげタバコ3箱と交換してもらった。
これは昔からなんだけど、なぜかベースボールキャップかぶっている連中にはDJのウケがいいんだよな。
しかしこの街は狭いが故に街を歩いているとよく声をかけられる。
「お前昨日DJやってたやつだろ?あそこのパン屋のクラフトビール最高だから奢ってやるよ!」とかタコスの屋台に並んでると店の女の子が「昨日のDJだ!」って言ってタコスおまけしてくれたり、、。踊るだけじゃない反応も返してくれて感謝とDJ冥利に尽きる思いをした。

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クラフトビールも作っているパン屋さん

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移動式のタコス屋台。この自転車メキシコ国内でよく見かけた。

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