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【NYY】攻守充実,Jose Trevino【Short】

オフにミネソタ・ツインズとのトレードでIKF,Donaldsonを獲得し,FA市場においてはRizzoと再契約。BestよりBetterを取った動きで戦力整備を図りましたよね。
そんなヤンキース,開幕前に誤算*があったことはご存知でしょうか。実はミネソタとのDealにはもう一人,若手捕手のBen Roetbedtが含まれており,当初はHigashiokaとのプラトーン起用が有力視されていました。
しかしトレード直後にグレードの低くない腹斜筋のケガが発覚し開幕絶望。ヤンキースはRortbedtに代わる捕手の確保が急務でありました

*「誤算」といいつつもトレード直後に発覚していたあたり,メディカルチェックでNYYはケガを把握していたとは思います。へへっ。

そしてテキサス・レンジャーズとトレードが成立。フレーミングに定評のある28歳捕手のJose Trevino獲得に至りました。

☆NYY獲得
C Jose Trevino

☆TEX獲得
RHP Albert Abreu
LHP Robert Ahlstrom

中継ぎデプスが満タンの状況下にもかかわらずマイナーオプションが残っていないことで放出要因と見なされていたAbreuと,2021年ドラフト7巡指名のAhlstromの2名で控え捕手を獲得したトレードであったこともあって,ファンからの批判などはなかったように記憶しています。
一方で,通算159試合で9HR・OPS.634のTrevinoに平均以上の打撃成績を期待する声も一切聞かれなかった気がします。

4月には8試合でスタメンマスクを務めますが,月間打率.208 0HR 長打1本という打撃成績に終わり,不調のHigashiokaとともに打線の穴となっていた感は否めません。しかしこの時からすでにStatcast上において球界最高のフレーミング値をたたき出しており,捕手守備での貢献はHigashioka以上でありました。

全捕手中においてFraming Runsも1位。低めのミット捌きが光ります。

5月にはHigashiokaのCovid-IL入りなども重なり21試合に出場。ただ,最初の11試合に放った安打は僅か3本に留まるなど打撃成績は上向かず。しかし5月16日のオリオールズ戦にて待望の一発が出ると別人のようなパフォーマンスを見せ始めます。5月後半の11試合においては打率.387 3HR OPS1.134と爆発。6月に入っても14試合でBA.324 3HR OPS1.017と衰えず。
6/23現在にて今季成績を.283 6HR 21RBI OPS.817としています。またシーズン6HRはすでに自己最多であり,キャリアでも最高のシーズンを送っているといっていいでしょう。xwOBA.344もリーグ平均を上回ります。

そこにフレーミングも相まって,MLBのキャッチャーにおいて全体3位となるfWAR2.0を記録。皮肉にもトレード放出したSanchezは8HR fWAR0.4に留まっており,ヤンキースにとってはRortbedtの穴埋めが,結果的に嬉しい誤算となっています。(fWARにおいてはチーム5番目となる2.2を記録)

打撃において特筆したいのが勝負強さ。得点圏においては打率.304 OPS.905とクラッチな一面もあり,今季すでに2度のWalk-offを演出しています。(しかもそれぞれが亡くなった父親の誕生日と息子の誕生日というストーリーも)

6/23のレイズ戦では1点ビハインドの8回表に逆転2ランHRを放つなど,チームを窮地から救う一打を放ちました。

守備においてもフレーミングのみならず,視野の広さと肩の強さによる牽制捕殺を披露するなど,思わぬ形でアウトをもぎ取る器用さを持ちます。

奇しくも,成績不振によってリリースされたAbreuは昨日NYYに復帰。実質タダで球界トップ級の捕手を手に入れたことになり,頬が緩みます。

もちろん,いままで強力打線の中で自身へのマークが薄くなるのは当然で,今後は分析も進み成績が下降することもあるでしょう。ただ,ハードシンカーを投じる中継ぎが多くを占めるヤンキースにおいて,Trevinoのフレーミングやブロッキングは必須。今後も第一オプションの捕手として起用が続くでしょうね。

因みに現在,ASア・リーグの捕手部門においてKirk(TOR)に次ぐ2位につけており,ここから更に飛躍を見せればオールスター選手を果たすこともできます。期待したいですね!

他意はないぞ


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