一生分のももクロを浴びた日:GO!GO!ビンゴナイト備忘録
2023年11月2日(金)ーー忘れられない日になった。
目の前で繰り広げられるダンス。詳細を肉眼で観た。メンバーの動きに合わせて揺れる衣装のひだ。玉井詩織さんのきれいな脚の躍動、流れるような手と腕、美しい横顔と目線の演技。何もかも、圧巻だった……
アリーナ最前列?!
あの日、ビンゴ勝者がアリーナ1列目にやって来るまで、実質、最前席でライブを鑑賞した(2列目はライブ後、ジャンケン大会勝者が座るまで空席)。A4ブロックの3列目、ステージの真っ正面だ。入場して席に着いて、ビンゴカードに曲名を書く時、正直、手がぶるぶる震えて困った。
曲と曲の間のMCでは、面白いことを言ってやろうと虎視眈々と狙う玉井さんの息遣いみたいなものも感じた。実在としてのももクロ。等身大の玉井詩織さんが、今この瞬間、目前で動いている現実。脳がその現実に追いつかない。
問題は、あちらからもこちらが丸見えだということ。さえぎるものが全くない状況。よりによってベレー帽をかぶっている。漫画家みたいで(イメージ、古い)…消え入りたい衝動。匿名性を担保できない。それが心臓をバクつかせる。
目を上げれば、目が合いそうで怖い。そんな覚悟などしてこなかった。玉井さんだって、必死に目をそらそうとしてるように見える。そのくせ、チラチラこっちを見てる感じもする。だから時々、ビンゴカードに逃げた。ビンゴは便利。扇子代わりにもなるし。
こちらが匿名の観客として存在してる一方で、ももクロの皆さんは、あんなに大きなステージで、名前も顔も晒して、堂々とパフォーマンスをこなしている。やっぱすげぇ……脳がバグってるので変なふうに感心してしまう。
残像にペンライトを
終演後、もう最高という言葉しか出なかった。満足しすぎると、何か言おうという気にならない。言葉で何かを補完し補強する必要がないからかもしれない。言葉は常に未然のものだからかもしれない。
メンバーの皆さんがステージからトロッコに乗って出発する時は「いってらっしゃい」と思った。ステージに戻ってくる時は、心の中で「おかえりなさい」と言った。ちなみにトロッコが出かけてる間はモニタ最前列。これもまた格別。
終盤、ビンゴ勝者が1列目にドヤドヤとやってくると、最前がアツくなって、結果、メンバーも一段と高まっていった。最奥地から参集した勝者はツワモノ揃いで、あそこでかかった「Chai Maxx」は大盛り上がりだった。3列目の「なんちゃって最前客」をも引っ張ってくれて、その場の昂揚がメンバーにも伝わって、相乗効果で最高潮となった。
そこからの「誓い未来」がまた出色。玉井さんのスイッチが入る瞬間を目撃したと思った。一瞬でパッと場の空気を変えてくる。顔が違う。出だし、凛とした表情ですっくと脚を伸ばして一歩踏み出すところ。列車が走り始めるイメージと重なる振り付けで、16年目への研ぎ澄まされた決意を感じさせる。10/14(土)の15周年ツアー@武蔵野の森で、たった1回観ただけの新曲「誓い未来」を間近で観れるのは幸せこの上ない。玉井さんは最後のバックコーラス部分(涙の後にまた輝く笑顔 誰かの心に寄りそう花のよう)を踊りながら口ずさんでいた。口ずさむ玉井さんを前に一緒に歌うって最高に楽しいな。
結局、ビンゴ勝者へのレスマシマシ曲は、ラストの「孤独の中で鳴るBeatっ!」だけとなった。ステージから降りて、下手から上手へゆっくり歩いてくる玉井詩織さん。手を伸ばせば届く距離で、一人一人、目を合わせて、にこやかに手を振って……これはやばい。勝者にならなくてマジで良かった。肝を潰すぞ。後ろの席から見てるだけで十分。でも、玉井さんが正面を通って行った時の映像が記憶の中にない。怖くて目を伏せてたかもしれない……渾身の、バカ……
ところで
どうして自分なんかに当たったんだろう。まだAE、5年目の中途半端もんだし、控えめな応援の仕方だし、振りコピもできてない。いつも遠慮がちに参戦している。それでも彼女たちのライブを心底楽しんでる。そんな人間に、最前に等しい座席を与えてくれた。ももいろクローバーZの皆さんと運営の方々の懐の深さを想う。ありがとうございました。最高に素晴らしい時間でした。これからも、心から応援しています。
(ところで、ももクロさんってどれくらい客席見てるのかな? 結局それ…笑)