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あのたび -ビンタン島から未来の国へ-

 インドネシアのカリマンタン島からビンタン島への大型船に引き続き乗っている。前日の昼に出発したがまだまだ目的地は先だ。少し北よりのミダ(MIDA)というごく小さな島に寄る。大型船では接岸できないので、小舟を出して行き来する形式のようだ。へえ~。しかしこんな小さな島誰が住んでるんだ?

 船上で食事は3食支給される。朝はナシサユール。お粥っぽいものだが辛すぎだ。割とインドネシアは唐辛子入りの辛い味が多い。昼はナシイカンサユール。魚入りの粥だ。前日クッキングクルーと仲良くなったのでアヤム(鳥)も入れてもらう。ありがとう。それから波が異様に高く船が大きく揺れるので気分悪く横になって寝ているだけになった。船の移動はこれがキツイ。夕食は食べ逃してしまった(食べる気が起きなかった)。

 船上3日目の朝、ナシサユール。昼ナシイカンのカレー風。
 夕方、およそ51時間かけてビンタン島に到着。着いたはいいがここは港で町ではない。おそらくこのビンタン島の中心街であろうタンジュンピナン(TANJUN PINANG)にベモ(乗り合い3輪タクシー)で運んでもらった。10000Rp。

 Ronmel Homestayという宿に泊まる。30000Rp(≒420円)。土地勘が働かずとりあえず食べられる所で、ウピ(芋)2個1000Rp。ナシゴレン5000Rp。テー2000Rp。

 ビンタン島はシンガポールのすぐ下にある島で物価が安い。近年リゾート島として開発され高いホテルやきれいなビーチもありシンガポール人が休暇に気軽に来れると人気の島になっている。ビンタンという名前もインドネシアのビールの名称として使用されている。

 でもすでにいろんな島を巡って来た身としてはビーチを楽しむ気分ではない。もう海はいいやという気持ちでもある。

 翌日朝、テンペゴレン2個1000Rp。ムルタバ2000Rp。テンペとは大豆を固めて水分を切った豆腐のようなおやつ。ムルタバはクレープだ。

 長居はせずすぐシンガポールへ向かうことにした。フェリーのチケットが120000Rp=24S$(=1700円)。10時20分発12時着。約1.5時間。遅れることなく時間ピッタリ。これがシンガポール文化だ!11カ国目シンガポールへ入国。

 4743Rp=1S$で両替90000Rp⇒18S$に。余ったインドネシアルピアは募金箱へ投入。もう使用することは無いだろうから。
 当時の1S$はだいたい66円という計算。令和の現在は110円くらいなので相当に円安が進んでいる。

 着いたところはタナメラ・フェリーターミナル。そこから35番バス1.3S$でべドック(BEDOK)へ。さらにMRT1.2S$でブギス(BUGIS)へ。西友や紀伊国屋書店発見。日本語の本を立ち読みする。

 近くにバックパッカー向けのドミトリータイプ宿があるとのことだったが、2軒とも満室。ニューイヤーイベントだからだとか。ネット屋で、大学の友人Nにメールを書く。大学卒業後ジャカルタからシンガポールに赴任しているという話だった。もしシンガポールにいるなら会いたいが25日まで日本に帰国中との返事。

 昼にナシゴレン2.5S$で食べ、紹介してもらった安宿Hawaii Hostelへ。大人数部屋ドミトリーの2段ベッド上部分10S$(=660円)。コーラ1S$。ビルなどの夜景が素晴らしき。

 20年前の21世紀になった当初、ボクは世界で一番進んだ国が日本だと思っていたがこの国を見て覆された。整備された交通網。計画的に建てられた街並み。高層ビルとコンピュータで管理された都市…。近未来SFの世界に最も近いのはシンガポールだったんだ!

シンガポールルート

(つづく)


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