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東口BLUES
商業ビルが新たにできたからなのか、世の中の一大イベント前だからなのか、珍しく車を止める場所が、見つからない。
至る所にコインパーキングは存在しているが、道すがら見える場所は全て満車。昼過ぎという時間も、要因なんだろうな。こういう時は、広い駐車場をそなえている所が、結果早く入れる。回転率と確率の問題でしかない。となると、新しくできた商業施設の巨大パーキング、一択なのだ。
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二階堂心春
気付けば二か月が過ぎていた。
そんなもの、と言えばそうなのだろうが、久しく感じていた。
ちょっとした衝動的理由で、前日の夜に、二階堂さんへ連絡。一月に入ると、少しばかり間が空きそうだった、というのも頭の片隅にあったのだろう。
試したいレンズがという当初の予定を早々に切り上げて、ただ古い35mmレンズでの撮影を始めた。
設定は、モノクロ。ピクチャーコントロールでコントラストを最大に上げ、明瞭度は、ひとメモリ、下げた。
もっとかすれた感じとも思ったのだが、それは辞めておく。
特別撮りたい何かがあったわけでは無かったが、撮りたい衝動と表情が、あった。
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色々考えや、やり方があるとは思う。
私が二階堂さんに指示やお願いをする場合は、物理的に話す。
右とか左とか、上とか下とか。顎をちょい下げ、目線まっすぐ、口角ちょい上げ、のような感じだ。
デフォルトを取り合えず指示して、そこから動いてもらう。
私も、シャッターを切りながら、そこからどうなっていくのかを見ながら、追加の指示を出していく。撮りながら、構図アングルを調整。デフォルトから、お互いどんどんと変えていく行程が、好きなのだ。
表情や仕草は、型から感情を、感情から型に、収まっていくものだと考えている。
どちらを見ていても、どんな過程を経て、どこに行くのだろうと期待してしまう。一番期待しているのは、どう壊してくれるかだ。スタートの表情と仕草の結果。
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それは、クラシックの稽古のような感じ。
カタチが感情を生み、感情がカタチへとフィードバックされ、その連鎖で、フィクションがノンフィクションのエリアに入る瞬間が、たまらなく愛おしい。
なぜなら、ノンフィクションの日常は、それぞれのフィクションによって現実と化しているのだから。
そんなことを、あたかも分かっているかのように、自己満足という妄想を抱きながら、気持ちよくなっているのだ、私は。
何はともあれ、二階堂さんは、いい仕事をしてくれるのだ。
東口から始まった今年の撮影。
撮影と言っても、個人的な遊びではある。
ブルースと言っても、私はジャズのそれを好んでいる。
いつになったら、対等なセッションができるのだろうか。
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「CLASSIC」
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