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写真とエッセイ

明けましておめでとうございます。

改めて、宜しくお願い致しますm(__)m

2022年が始まり、投稿を再開したいと思います。

それに伴って、説明を変えました。タイトルの通り、写真とエッセイを投稿していこうと思います。どちらか、ということも多分にあると思います。

さて・・・、


「It’s a small world」

最近好きになったバンドのベストアルバムを流しながら走る下道は、なぜか運転を大らかにしてくれる。

「マニュアルミッション」車に好んで乗っているのだが、スポーツタイプというものではなく、最近では珍しくなった、車体グレードが割と低めで、ミッションコストが低く済むという類の「マニュアル車」である。

赤信号や右折車待ちで止まるために、車速に合わせてダウンしていくシフトチェンジが、心地よい。エンジンが優しく感じる、左足のクラッチ操作、特に半クラッチになってから、ギアがかみ合うまでのひと時が、なんともたまらない。そういうベストアルバムである。

彼女らがデビューした頃、私が夢中になっていたのは「A」というバンド。彼女らが同年代であったのに対して、「A」は20歳年上の、憧れの存在。そして、カウント・ベイシー、アート・ブレイキーに、心酔していた私。

ミュージックシーンを変え、世間では大騒ぎになっていたことすら知らず、存ぜづ、我関せづで、どんな音楽を彼女らが奏でていたか、聴こうともしていなかった。彼女らのバンドに限らず、好きなこと以外、全て無関心でいられたというか、多分、面倒くさがっていたのだろう。食べ物もそうなのだが、全てにおいて「食わず嫌い」で「一丁食い」なのだ。

何かのキッカケ、特に、好きな人とか好感や信頼が持てる友人の紹介で、好きなものが増える。

例えば、「A」バンドが、ビートルズが好きで、レッド・ツェッペリンが好きで・・・、と聞くと、無条件に聴きたくなり、そして好きになる。一番極端だったのは、当時好きだった女の子が「ミルクティー」が好きと知り、それまで嫌いだった「紅茶」というものが、なんだか愛おしくなり、一緒に部活の休憩中に飲んだ缶のミルクティーを、一人の時も好んで飲んでいた。

ただし、トマトとホヤは、知らない世界でいたい。そんな、面倒な人間なのだ。

ここ数年、カメラを手にしている。

何故そうなのか、よくわからない。

思い返せば、そうとう幼い頃、家にあった一眼レフカメラを手にしていた。機械的なところが、合体ロボットのおもちゃみたいだったから、レンズを着け、ピントを合わせてシャッターを押す真似事が、照準を合わせて撃つ!という遊びだったからだ。

その後、カメラを手にすることは何度かあった。今でいう「写ルンです」「スマートフォン」感覚で写真を撮り、写っていれば十分、なのに、いわゆる「カメラ」で撮りたかったらしく、その都度「バカチョン」カメラを購入していた。小学生の高学年の時から「半押しオートフォーカス」は、だから知っていたのだが、今は親指AFである。

露出、絞り、被写界深度、そういうことを理解しようと「Kiss Ⅱ」を買い、更に「写真」を撮ろうとして数年。ちなみに今は「D〇〇〇」だ。

そして最近。それまでスナップなどの撮影を頼まれてしてきたが、もっとちゃんと人を撮りたいと思うようになり、プロモデルを依頼することを決めた。(それにいたるまでも色々とあったのだが、それはまた別の機会に)

まずは、撮影会というものに参加し、様子というか、習わしというか、そういうものを観察してみた。そして一番の目的は、「どのモデルに頼んでいいのか」の下調べ。一応、一通り参加モデルのソーシャルネットワーキングサービスをチェクしていたので、顔と名前は一致していた。

アウェイな私。参加者にこちらから話すこともせず、様子を伺う。個別撮影を中心にやっている撮影会ということで、モデルとカメラマンの距離は近く、和気あいあいと、それぞれ挨拶を交わしている。初めての私には、近寄ってきて声を掛けてくれたモデルは一人で、そんなものだろうと思ったりもした。(あとで分かったことだが、大半が副業モデルで、声を掛けてくれたモデルは、本業であった。業界なイメージだった私の落ち度であり、試すようなことをしてしまい、後で猛反省し、自己嫌悪の嵐であった・・・)

時間間際に現れた女性。一番人気のモデルだ!とても華やかで、私には近寄りがたいと、遠くで覗き見していた。馴染みのカメラマン何人もと挨拶を交わし、楽しそうに話しているのは、最初の依頼人だろうか。そんな感じで撮影スタートの時間となり、それぞれ散っていった。のだが・・・。(この時、ちょっとしたアクシデントがあり、私が依頼したモデルが現地入りしていなかった。自分でも「持っているなぁ」と思ったものだ)

撮影は、満足いく感じで終わる。

習わしの一つのようで、「t」というアプリケーションで、モデルと写真共有するとのこと。使っていなかったアカウントを発動させ、何度目かのハッシュタグと、アットマークを着けて投稿。すると・・・。

「いいね」に、撮影したモデル、私に話しかけてくれたモデル、そして、話してもいない、私がどこの誰ということも知らない、あのトップモデルの名前があるではないか。

それだけではない。モデル撮影の投稿前に、最近撮っていた風景や前に撮ったポートレートの投稿にも、だ。なんだか恐縮してしまい、思わずダイレクトメッセージでご挨拶とお礼の言葉を送信していた。

何度か撮影会初心者の私に、撮影マナーや約束事などの内容でやりとりをし、決めた!

初めて話した、初めてのリクエスト撮影。印象が覆された。そこにいたのは「プロモデル」ではあるが、部活の後輩のような感覚を抱かせる、そんな存在であった。そんなモデルさんの「素」に近い表情が欲しい。スナップばかり撮っていた私には、当然の欲求ではあるが、矛盾したことでもある。何度か撮影依頼を、立て続けにした結果、そう言えばモデルさんが好きだと言っていた「彼女」そして「彼女らのバンド」を聴いてみよう、そして、同じ「言葉」を持とうと思ったのだ。

私の言葉は、年の離れたモデルさんには上手く伝わらない、まして、理屈っぽい説明をしてしまう私のそれは、そもそも理解しずらかっただろうに、モデルさんは一生懸命聞いてくれていた。それが少しでも解消できれば。

そんなつもりだったはずなのに。

彼女らのバンドの配信動画を観た。

よくテレビで観ていたプロデューサーが、バンドメンバーに居るではないか!

そう言えば、そんなことを大分昔に聞いた記憶も。そこからは、なんということない。実際好きな曲調、好きな感じの歌詞、アレンジの素晴らしさ、同年代ということもあり、納得のいく曲の数々。何よりも、テクニック。バンドではあるが、一流が集まったユニットであり、それぞれの個性が光る。

全く。何故今まで聴かなかったのか。

世界が、変わる。そして、広がる。モデルさんと出会わなければ、私の中でまだ地球は止まったままだった。(実際宇宙から私自身が見たわけではないので、実感的には、止まっているかもしれない)

「新しい文明開化」、近々のお気に入りだ。そのイメージで、モデルさんを撮ろうと思う。信号待ちから優しく吹かすエンジン。伝わる振動。シフトを上げていく手首は、柔らかく。そして、優しく。微細な加重移動を調整するカーブ走行。腰に伝わる路面の感覚。ほんの少し、ほんの僅か、狭いながらも世界を感じ、ちょっとづつ、前に進む。

さて、本日の目的は果たせるだろうか。小さな夢は、叶うだろうか。

※挨拶してくださったモデルにも、改めてお礼と、撮影依頼を希望する旨をダイレクトメッセージし、撮影させていただきました。モデルだけでなく、アイドルでもある彼女。なかなか撮影予定が取れていませんが、近々にご依頼したいと思っています。













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