読書記録『書斎の鍵』喜多川泰著(現代書林)

読書の秋になりました🍁
この秋は沢山の本を読めたらいいなと思うのですが、
本を読む時に重要なことの一つは「何を目的に読むか」だと考えています。

もともと私には、読書習慣はありませんでしたが、喜多川泰さんの『書斎の鍵』を読んでから、読書の意義を学び、読書習慣をつけようと決意するようになりました。
本格的に読書の秋になる前に、今一度本書の内容を振り返り、何のために読書をするのかを今回はまとめていきたいと思います。

⭐️ストーリー

物語の始まりは2055年2月22日。
大手医療機器メーカーに勤め、疲れるような毎日を送って浩平は、父の訃報を聞いて家族と共に実家に向かった。
生前、親交が薄れていた亡き父が残した唯一の遺産は「書斎」だった。
父が生きていた時、浩平に何度も本を読むことを勧めたが、その度に浩平は父親への反発から拒んでいた。
父が残した書斎には鍵がかかっていて、遺言状にはその鍵は『しかるべき人』に預けているとのこと。
浩平はその『しかるべき人』を探すために、父と縁のある人に会いに行くが、その人たちからも読書の意義や、「才能によって人生が決まる」と考えていた浩平の考え方を改めさせる教訓を説かれる。
その中で、自分の弱さを認めるようになり、心から生まれ変わりたい、強く、明るく、美しい心を持ちたい。そのために本を読もうと決意。
そして、父が残した本『書斎のすすめ』を読み、そこから浩平が変化していく物語。

⭐️読書の意義

○主人公に鼓舞され、生き方の指針を得られる。

自分が小説の主人公の生き方に共感できる時、それはただの作り話ではなくなる。生き方の指針にすらなる。
自分もそうなりたいと思えば、人生を支えてくれる力になる。

◯読書習慣が、自分の心を磨く。

人生は才能によって決まるのではない。才能ではなく、習慣によって決まる。
習慣によって作り出すものは思考、心。
人間の思考には習慣性があり、放っておくといつも同じことを考えている。
人間の行動は心に左右される以上、心の習慣を良くしない限り、より良い人生になることはない。
身につけるべき習慣は、心を強く、明るく、美しくするための習慣。
そういった心から生み出される言葉、行動、結果は、生きている間ずっとその人を幸せにしてくれる。人生に大きな意義を与えてくれる。
そしてそういう習慣を持つ人は自分だけでなく、たくさんの人を幸せにすることができる。
習慣が人を磨く。どんな人でも磨けば素敵な人になる。
食べ物が変われば、体型、体質、寿命や健康状態が変わる。同じように入ってくる言葉が変われば、思考が変わる。出会う人が変われば、志、生きる目的が変わっていく。
心が磨かれれば、日々の行動、表情、態度がかわり、自分に訪れる出来事に少しずつ変化が生まれます。

○読書により環境状況の変化に対応する力を得られる。

読書習慣のある人とない人では、知識の量、考え方の幅、人の心を理解する能力、気持ちをリセットする能力、自分の気分をコントロールする自己管理能力も大きく違う。目の前の人を喜ばせる能力が違う。出会う人を幸せにする能力が大きく違う。
どれほどのカリスマ経営者でも、自分一人の経験則と感覚で会社を経営することはできない。社会の移り変わりはは激しく、自分一人の経験や感覚から生まれる一つの方法論や考え方で成功を収めても、すぐに通用しない日がやってくる。
地球の歴史の中で、人間が生き残ることができたのは、人間が変化することができたから。

◯読書で人生の夢が見えてくる

何をするのかという目標よりも先に
自分はどんな人間になりたいのか。そのために、自分の人生を何に使うと決めるのかという人生の目的が決まっているかどうかで幸せになれるかが決まる。


自分の生きる目的=志

志のない人が医者になるという目標設定をすると、達成するための手段を選ばなくなる。目の前の出会いや経験も効率的に目標達成できるかできないかだけで取捨選択するようになる。
志のある人は、目標達成までに出会うすべての出来事、人との出会いが、自分を磨く砥石。

自分の人生の目的、志が決まっていれば、たとえ目標が変わっても、自分なんて意味がないと卑下することはない。
志はないけど、医者になるのが夢だという人は、自分が儲かるという私利私欲のためだけに夢を目指すかもしれない。

いい本との出会いは自分の人生を何に使うべきかを自覚させる力がある。
本を読む習慣がつくと、自然と志が持てるようになる。
志があるとどんなことでも楽しいし、どんなことでも学びになる。

○先に壁を乗り越えた先人に学ぶことができる

自分の経験だけから見たら史上最大の壁でも、他人の経験から学べば、その壁を乗り越えた人はたくさんいる。
それどころか、もっと大きな壁に挑戦し、それを越えていった人たちであふれている。
そんな人に囲まれて生きていると、自分が越えようときている壁なんて小さいと感じることができる。

◯困難を乗り越えた偉人から、その志とエネルギーを受け継ぐことができる。

伝記や歴史小説などの偉人伝からは、成功法則を知ることができるだけでなく、心の内側から湧いてくるようなエネルギーを本の中から受け継ぐことができます。
苦しみこそが、のちの幸せを生み出すための原材料となっていることも全ての偉人の人生で共通しています。
最初に配られた手札が悪いからといって、一回だけの人生というゲームを諦めた偉人は誰もいない。
読者は本の中の偉人の志を受け継ぎ、エネルギーを受け取ることができる。
危機や逆境をものともしない主人公たちと本の中で出会って、自分もそうなりたいと強く願った時点で、その主人公の志を受け継いだことになります。
志ある人と本で出会うと本気で生きたくなる。
自分の人生の目的をさだめる、つまり志を立てるために、必要欠くべからざる経験が一つある。それは誰かの人生に魂が震える経験。自分もそう生きていきたいと強く感じる経験。
魂が震えるほどの人と実際に会うことは難しいけど、本の中では簡単に会うことができる。

⭐️どんな本を読むべきか?

いい本とは、読む前と後で、目の前の景色が違つて見えたり、世界が美しく見えたり、新たな価値観をくれたり、心を強くしてくれたり、自分の可能性に気づかせてくれたり、新しい世界を見せてくれたり、人に対して優しくなれたり、人間の素晴らしさを教えてもらえたり、今まで気づいていなかった幸せに気づかせてくれたり、未来は明るいと感じさせてくれたり、自分の人生を何に使うべきが教えてくれたり、自分の内側からやりたいことがあふれてくるような本。


『才能ではなく、習慣が人生を決める。読書習慣により日々心を磨こう』ということをいつも頭に入れ、この読書の秋を満喫したいと思います☕️

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