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日芸卒論小説『燻し銀の花 揺るぎなき夢の大切さ』

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日本大学芸術学部文芸学科の卒業制作に書いた中編小説 『燻し銀の花』の全章をまとめました。
学科中トップ成績五人に贈られる日芸文芸学科の優秀賞を獲った実力を遺憾無く発揮した40000字の本格…
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2021年3月の記事一覧

【卒制】母校との繋がりは一生の楔『燻し銀の花』0~4章まで更新!

☝️0~3章は こちらから! 🌸燻し銀の花 ――『揺るぎなき夢』の大切さ――               4章 クオッカ先生・着物姿の人魚  高校を卒業しても同級生との関係を持つことができる上、プロ意識を高めることもできた。 母校のデザイン科の卒業生のみが出展を許される「すえ展」のおかげだ。作品を世間にさらけ出して、相当の評価を受けることは、プロになる上で重要なことだとボクはこの場で学んだ。  産業文化センターの一階にある大きな展示会場を借りて「すえ展」という名の企画展

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【卒制】高校卒業間近で察した恋心『燻し銀の花』0~3章まで更新!

☝️0章~2章は こちら 🌸燻し銀の花 ――『揺るぎなき夢』の大切さ―― 3章 新天地の巨人・逆ラブコール  それは唐突に訪れた。 高校生活で最後の席替えだった。窓側から廊下側の新天地へと机を腹の前に抱えて移動する。席替え後の新しい座席の位置をボクが勝手に「新天地」と呼んでいた。  窓辺の日向は、教室のほとんどが陽の光で滲んでいた。そこから移動した新天地は廊下側の日陰だった。 照明灯でほど良く翳っていて目に優しい。薄明のベールが教室全体に掛かっていて、周りを見渡しやす

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【卒制】高校時代の初恋ホワイトデイ『燻し銀の花』0~2章まで更新!

👆 0章~1章は こちらから。 燻し銀の花 ――『揺るぎなき夢』の大切さ―― 2章 投稿と登校・甘くて酸っぱい二層の嘘  中学生になり、本格的に小説を書き始めた。 まず、手をつけたのは当時流行っていたライトノベルだ。  宇宙災害のニュースを基に、SF系の作品を構想した。思いついたアイデアを一つひとつカタチにしながら、小説投稿サイトで連載した。そのことで頭がいっぱいだった。  気づけば受験生になり「小説の顔である表紙を自分で創りたい」という想いを胸に、ボクはデザイン科

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🌸日芸文芸の卒業制作に書いた中編小説『燻し銀の花』を一章ずつ更新 0~1章

👆 0章は、こちらから。 燻し銀の花 ――「揺るぎなき夢」の大切さ―― 1章 友との出逢い・夢との出会い  あの子との友人関係は思っていたよりも永く続いている。 今では一生の親友だ。それと同じで、アイツとの血縁関係もどちらかが死ぬまで切れることはないのだろうか。  歯を食いしばり目を血走らせて「謝り方が足りない」と叫んでいたアイツに愛などなかった。泣くまで理不尽な制裁を加えつづけるアイツはエゴイズムの塊だ。  人相の消えた獣の面で、愛情を微塵も感じないただの鞭で、幼

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🌸卒業制作に書いた最新作の中編小説『燻し銀の花』7つの読みどころを紹介

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🌸日芸の卒業制作で書いた小説『燻し銀の花』を一章ずつ更新! ❶ 0章