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新たな自分を「待ち構える」

以前「どうして画家でも何でもないのに、変な絵を毎日描いているの?」と言われたことがある。その時は「描きたいから」としか答えなかったが、やっともう少しマシな答えが伝えられるようになった。

それは「たまに、自分でもびっくりするような絵が生まれるから」だ。

村上春樹はよく演奏会に行くらしい。音楽のジャンルは知らないけれど、そこで10回に1回くらいの割合で「魂が喜ぶ演奏に出会う」といったような話をしていたと記憶している。そしてそれが彼の演奏を聴きに行く理由なのだそうだ。

私の場合、絵の変化は200枚に1回くらいだろうか?数えたことは無いから分からないが、大抵は変化したことを後から気が付く。自分でも「あれ?」と思うのだ。よく考えてみれば本を読むのもそう。たまに「マジで!」と目が覚めるような体験をする。そしてその次の瞬間から本当に世界が変わる。

哲学者のジル・ドゥルーズは毎週美術館や映画館に行く理由を聞かれたとき私は「待ち構えている」のだ。と言ったそうだ。流石!

私も自分と世界が変わるのを待ち構えて、絵を描いて、本を読み、アニメを観るようにしよう。

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